- サントリービバレッジソリューション株式会社
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アンダーワークスは、サントリービバレッジソリューション株式会社が企業向けに提供している「社長のおごり自販機」「DAKARA給水所」「来客用自販機」のダッシュボード構築・運用を支援しています。本記事では、特に注目を集める「社長のおごり自販機」に焦点を当て、同社の法人市場における戦略やダッシュボードの役割、具体的な取り組みについて担当者の方に伺いました。

(右)サントリービバレッジソリューション株式会社 マーケティング本部 サービス戦略部 課長代理 松本 俊 氏
サントリービバレッジソリューション株式会社の企業価値
── まず、御社の企業理念や、社会にどのような価値を提供しているのかを教えてください。
サントリービバレッジソリューションは、「お客様それぞれの毎日に、最適なドリンキングライフを直接提供し、社会になくてはならない潤いとなる」という企業理念のもと、飲料を通じて社会に新たな価値を創出することを目指しています。 特に法人様向けには、法人専用の「オフィス自販機シリーズ」を展開し、職場のコミュニケーション活性化や、健康経営支援などの貢献を行っております。
── お二人が所属するマーケティング本部 サービス戦略部では、主にどのような事業を担当されているのでしょうか?
私たちが所属するマーケティング本部 サービス戦略部では、「自販機ではたらく人を、イキイキと、すこやかに。」というスローガンのもと、自販機を活用した各種法人向けサービスの戦略立案やブランディング、サービスアップデート、運用の推進を担っています。
その中でも特に「社長のおごり自販機」をはじめとする各種サービスの企画・開発、導入企業へのサポート、そして利用促進に向けた施策の検討を行っています。具体的には、企業のニーズに合わせたサービスの提供や、新たな利用シーンの開拓を進めるとともに、導入後の活用状況を把握し、より導入企業に満足いただけるような運用提案を行うことが主な業務です。

「社長のおごり自販機」のサービス戦略
──「社長のおごり自販機」について、サービスの詳細や開発の背景を教えてください。
「社長のおごり自販機」は、職場内のコミュニケーションを活性化することを目的とした法人向けサービスです。従業員2人が同時に社員証を自販機にタッチすると、無料で飲み物を受け取れる仕組みになっています。これにより、部署や世代を超えた自然な会話が生まれ、職場の交流が促進されます。3年前にサービスを開始し、現在約1,200台が企業に導入されています。(※2025年1月時点)
当社では、以前から法人向け自販機の価値向上が課題となっていました。従来の「お金を入れて飲み物を購入する」という仕組みだけでは差別化が難しく、新たな価値を提供する必要がありました。そこで誕生したのが「社長のおごり自販機」です。飲料提供を超え、従業員同士のコミュニケーションを生み出すことで、職場に新たな価値をもたらしています。

── 導入企業からの反応はいかがですか?
「2人でタッチするとドリンクが提供される」という体験が非常に斬新だという声を多くいただいています。また、従業員同士の笑顔が増えたり、職場の雰囲気が明るくなるといった、企業風土の活性化にもつながっているようです。
── 「社長のおごり自販機」のサービス展開にあたってはどのような点に注力されていますか?
現在は、導入後のカスタマーサクセスに特に力を入れています。「社長のおごり自販機」は、職場のコミュニケーション活性化を目的としたサービスですが、その価値をより実感していただくために、単に自販機を設置するだけでなく、継続的に利用を促進するためのサポートを強化しています。
具体的には、利用データを分析し、活用状況を把握した上で、より効果的な運用方法を企業ごとに提案しています。また、従業員のフィードバックを社内で共有し、さらなる活用につなげる取り組みも行っています。こうした価値提供を支えるために、導入企業向けにダッシュボードを活用し、担当者が利用状況を簡単に把握できる仕組みを整えています。これにより、導入後も継続的に価値を高め、より多くの企業に「社長のおごり自販機」を活用していただけるよう努めています。

── ダッシュボードでは具体的にどのような項目を表示し、どのように活用しているのでしょうか?
ダッシュボードでは主に、利用者数、利用回数、初めて利用するペアの数などを表示しています。特に「社長のおごり自販機」では、2人でタッチする仕組みを活かし、初めてペアになった人同士の数や、どの時間帯に利用が集中しているかといったデータを可視化しています。
これにより、企業の担当者がサービスの効果を把握しやすくなるとともに、利用状況に応じた運用の改善や新たな施策の提案が可能になります。また、定量的なデータを活用して、コミュニケーションの活性化や導入効果を企業内で説明しやすくする役割も果たしています。

ダッシュボード構築プロジェクト
── アンダーワークスでは、このダッシュボードの構築・運用を支援させていただいています。アンダーワークスとの取り組みが始まった経緯について教えてください。
サービスを提供するにあたり、データを数値化し可視化するダッシュボードが必要だという意見が社内で挙がったことがきっかけです。当時、サービスをスケールさせていく上で、社内リソースだけではこれらの対応が難しいと判断し、外部の専門的な支援が必要だと考えました。そこでアンダーワークスさんに声をかけさせていただき、一緒にプロジェクトを進めることになりました。
■アンダーワークスがこれまでに行なった支援内容
フェーズ①:ダッシュボード初期構築(2022年1月〜)
フェーズ②:会員サイト構築(2023年10月〜2024年4月)
フェーズ③:UI/UX大幅アップデート(2024年10月)
── 2022年から継続して支援をさせてもらっていますが、特に評価いただいているポイントはどこでしょうか?
システム面やデータ活用の面で大きな安心感を持っています。特に、個人情報管理やデータの安全性については、立ち上げ当初は手作業で対応していたため、不安がありました。しかし、会員サイトの構築を経てセキュリティ強化やシステム整備が進み、今では安心して運用できるようになり、大変感謝しています。
また、トラブル対応の迅速さも非常に信頼しています。サービス運営では予期せぬ課題が発生しますが、その都度、素早く原因を特定し、的確な改善策を提案してくれるため、とても心強いです。サービスは常に変化するものなので、課題に柔軟に対応していただけるのは、事業をスムーズに進める上で大きな支えになっています。
■ 会員サイト構築(2023年10月〜2024年4月)
[背景・課題]
・初期構築段階では、ダッシュボードをエンドユーザーごとに手動でコピー・メール送信する必要があり、運用負荷が高かった。
・手動でのデータ配布には誤送信のリスクがあり、より安全な仕組みが必要だった。
[取り組み内容]
・ログイン機能付きの会員サイトを開発し、ダッシュボードを埋め込む形式に変更。
・セキュリティ強化のため、企業単位で閲覧可能なデータを制限し、不適切なデータ閲覧を防ぐアクセス制御を設計。
・メール通知を自動化し、月次レポート発行時にユーザーへ自動で通知が届く仕組みを導入。
・テスト運用にて、ログイン機能やデータ閲覧の動作確認を行い、改善を実施。
[成果]
✔️ ダッシュボードの運用を完全自動化し、手動コピー・メール送信が不要に。
✔️ セキュリティ強化:ユーザーごとのアクセス制御により、誤送信リスクを排除。
✔️ エンドユーザーが簡単にアクセス可能になり、利便性が向上。

── 昨年10月にはUI/UXを中心にダッシュボードの改修を行いました。お客様からの反応はいかがですか?
非常に好評をいただいています。デザインの刷新や操作性の向上により、「必要な情報がすぐに確認できる」という評価が多く寄せられました。
■ UI/UX大幅アップデート(2024年10月)
[取り組み内容]
・グラフやデータの配置を見直し、必要な情報が一目で把握できるように整理。
・フォント、色、アイコンの統一を行い、直感的に理解しやすいUIに改善。
・従業員数に対する利用率や1人あたりのペア数分布など、新しいデータ項目を追加。
[成果]
✔️ データの視認性向上:重要情報が直感的に理解できるUIに改善。
✔️ 新たな指標の追加により、より多角的なデータ分析が可能に。
今後の展望とパートナーシップ
── 「社長のおごり自販機」の今後の展望についてお聞かせください。
サービスをどんどんアップデートしていき、より多くの企業様にご満足いただけるように努めていきたいと考えています。その中で、ダッシュボードは単なるデータの見える化ツールではなく、お客様との対話を深めるためのプラットフォームとして活用していく予定です。
また、導入企業様がサービスの価値を実感し、それを社内外に広めてくださることで、新たな導入につながることを期待しています。口コミや紹介を通じて、サービスの認知度をさらに高めていくことが今後の課題です。

── その中で、アンダーワークスにはどのようなことを期待されますか?
引き続き、私たちの課題に対する迅速な対応と、これまでの知見を活かした提案をいただけることを期待しています。また、私たちでは思いつかない新しい視点や方法を提案していただけると非常にありがたいです。今後もパートナーシップを強化しながら、サービスの価値向上に取り組んでいきたいと思っています。