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  • Excelから(ほぼ)脱却成功! BIダッシュボード「DOMO」自社導入の経緯

この記事は[2017/06/08]に公開した記事を[2023/01/23]に加筆編集しております。

今日はアンダーワークス社内で営業・マーケティングの効果検証や現状把握のためにExcelを使うのをやめました、というお話です。
 
「DOMO」というBIダッシュボードツールを入れて実現したわけですが、これが想像どおりというか、想像以上に良くて、それで自社サービスとしても展開することにもなった、という宣伝も兼ねています。
 

DOMOのスクリーンイメージ
実際のDOMOの画面でカードを設定したところ。Eloqua経由で資料ダウンロードの推移などを表示。

あらゆるマーケティングツールにレポート機能がついているけど、数値が把握できないのは何故か・・

まず、私達がどんなツールを使ってマーケティングや営業を進めているのかというところから。ざっと挙げただけでも以下のツールがあります。

・MA(Eloqua)
・Webアクセス(Google Analytics)
・広告(Facebook、Adwords、どこどこJPdsp、MarketOne)
・レコメンド(Justuno)
・チャット(Livechat)
・営業管理(Salesforce)
・キャンペーン管理(Smartsheet)
・CMS(Wordpress)
・SNS(Facebook、Twitter、LinkedIn)
・DMP(Audience One)
・ツール連携(Zapier、Tealium)
 
やっぱりデジタル業界でクライアントサービスをやっているので、一般的な企業よりは多くのツールを使っています。でも、本格的にデータドリブンにしようと思ったらこのくらいはあっても良いですし、費用的にもクラウドで従量課金などで莫大な投資が必要というような感じではありません。

これらのツールのほとんどすべてに「レポート機能」や「ダッシュボード機能」がついていて、結構複雑なことができるのですが、実はそいつが厄介でした。

どんなレポート・数値をみたいのか。以下が、できれば日常的に把握しておきたいデータとして考えていたものです。

<営業の数字>
 ・現時点での営業進捗(受注・請求済金額を月次推移で)
 ・現在取り組み中の提案件数と金額
 ・受注・提案総額の起因別(マーケ起因・営業起因・パートナー起因など)
 ・上記を新規・既存、テーマ別といった分類で集計
 ・上記の対前年比
 ・目標達成率

<マーケティングの数字>
 ・マーケティングイベントの件数とそれぞれの集客数
 ・イベント集客にかかった広告費とメディア別のCTR/CVRなど
 ・イベント集客のために配信したEメールのCTR/CVR
 ・各イベントWebフォームのPV/CVR
 ・MQL(営業に渡すリード)として創出した件数の合計・月次推移
 ・MQLの件数のうち、提案や受注に至った件数や額
 ・ホワイトペーパーのダウンロード数やCVR(種類別に)
 ・ダウンロードページへの流入経路(オーガニック・広告など)
 ・コーポレート・ブログサイトへのアクセス数(PV・セッション・ビジターを月次と年度累積で)
 ・上記アクセス数のコンテンツ分類別・記事別集計
 ・DMPから得られるWebアクセスの企業別ランキング(直近2週間)
 ・FacebookやTwitterのフォロワー・いいね数の推移・累積
 ・施策別にマーケティングにかけている費用
 
他にも細かくは色々ありますが、上記が把握できれば、業績の進捗やマーケティング活動の成果の把握がざっくりでき、PDCAが回るはずです。

が、しかし・・
 

各ツールにログインして、レポート画面に遷移して、数値を見て、共有して・・・を毎日のようにやってたらすごく面倒だった

これが結構たいへんです。
営業の数字であれば主にSalesforceのレポート機能を使って、現在の受注残、月別の数値などを見るわけですが、まずレポート機能が使いにくい。
 
見たいのは、単純な現在の状況と月次推移なのですが、数あるテンプレートの中から選ぶのもそうですし、ちょっとでも変更(カスタマイズ)しようとすると、アトリビュートやメトリックをしっかり理解していないと作成が難しい
 
そして、主に見るのは営業担当だったりするので、テクニカルなことはなかなか取り組めないし、ふだんSalesforceを利用しない人にとっては、アカウントもないのでまずログインができません
 
うーん・・
 
では、マーケティングオートメーションはどうでしょうか。これも同様でした。Eloquaは、非常に充実したレポートがだせて(たぶん裏側がBIツールのMicrostrategyだと思うのですが)、それはそれは充実したレポーティング機能なのですが、設定が大変
 
もちろん私達はクライアント向けにレポート画面作成なども請け負っているので、社内に超詳しい人間もいるわけですが、それでも「見たいデータにアクセス」するのが毎回手間なのです。
 
マーケティング業務も役割分担が別れていて、キャンペーンの企画をする人・LPやEメールを企画・作成する人・講演で話す人・広告を打つ人・イベント後にMQLの判別をする人、など一人ですべてやっているわけではありません。なので、Eloquaに毎日ログインして細かな作業をする人も限られています
 

だが、結果は(シンプルに)共有したい。

Google Analyticsしかりです。無料版なので全員がアカウントを持っているわけですが、ページ種別毎にセグメントしたり・流入経路別に目標値を確認したり・どんな企業が閲覧しているのかを判別したり(どこどこJPのデータでIPアドレスから閲覧者データをGoogle Analyticsに格納してカスタムレポートにしたりしています)、簡単なようで毎日やりたいような作業ではありません
 

そこで、ExcelとPowerpointの出番です。

それぞれのツールから得られたデータをCSVにエクスポートしてグラフにして、シート別にExcelにまとめる。Excelが苦手な人の場合は、画面スクリーンショットをとってPowerpointに貼り付ける。。こんなことを毎週やることになります。(キャンペーン期間中は毎日のときも)
 

Excelでのデータ集計
こんな感じで集計とグラフ化をExcelでツール毎にやるはめになっていた

これなんとかしたいなあ・・・という課題が前からありました。
 

Excelができちゃう人がいるとなかなか抜けられない

私自身はExcelは苦手というわけではなく、どちらかというと得意な方です。どの会社にもExcel得意な人っていると思うのですが、それはチームにとっては逆効果になるときもあります。

Excelが得意な人に集計レポート業務が集中する。でも、どんなデータが見たいかっていう意図は別の人が持っていてコミュニケーションが必要とか。

Excelの関数の使い方やグラフの色使いなどに細かなお作法がルール化され、苦手な人がやると本当にすごく時間がかかってしまったり。

置き場の問題もあります。

毎週作ったレポートが共有フォルダにあるのですが、どれがどれだかわからない。。そうこうしているうちに、肝心の「数字がどうか」ではなく、「誰がどうやって集計するか」みたいな話が多くなってしまいました。
 

高度な分析がしたいというより、数字を可視化したい

そこで、BI、 ビジネスインテリジェンスツールなわけです。ですが、BIっていうと「分析」のイメージがありますよね。

重回帰分析とか多変量解析とかコホートなんちゃらとか。。

そういう高度な分析がしたいわけじゃないんです。単純に現状の数値を見たい(多少集計とか・割り算で%表示するとかはあります)だけなんです。

また、グラフも複雑な「複数係数別に前月比を棒グラフにしながら積み上げ縦棒グラフ」なんてことではなく、円グラフ・棒グラフ・現在の数値を見たいだけでした。
 

そこで出会ったのが「DOMO」でした。

EloquaとAPIで標準連携ができる数少ないツールということで前から知ってはいたのですが、たまたまDOMOカントリーマネージャーの川崎さんと出会い、デモをしてもらったところ一目惚れしました。

「とくにかくシンプル。だけどデータドリブンが進みそうだ。」というのがデモの印象でした。

ダッシュボードにしてはそこそこの費用ではあるのですが、様々なマーケティングツールと標準連携しており、クライアントにも必ずニーズがあるはず、ということで即断でまず自社導入しました。(記事を書いている時点ではすでに初期導入はとっくに終わっており、今は第2段階に向けもっと詳しいデータを格納しているところです)

そして、導入から約3ヶ月くらいですが、

データ集計のためのExcelワークはほぼ駆逐されました!

先日あるCRMベンダーさんから乗り換えのご提案を頂いて、そのときに「レポートはなんだかんだでExcelですよね!?」って問われ、速攻で「Excelはありません!」と答えたらとてもびっくりされました。(多少の誇張がありますけれど)

先日参加したマーケティングカンファレンスでは、「マーケティング効果測定に80%の会社が未だExcelを使っている」という調査結果が公表されていました。(米国での話です。日本ではもっと多いかもしれません。)我々は残り20%の方に入ったということを嬉しく思います。

BIダッシュボード導入で発見した「DOMO」の良さ

Eloqua DOMO
Eloqua(マーケティングオートメーション)のデータを引っ張って常にEメールクリックやスコアリングの状況も把握

実際に導入してみてどうだったか。次の3つをあげたいと思います。

・複数のツールに存在するデータを1箇所に集約できる素晴らしさ
・OAuth認証で開発レスですぐデータ連携ができる簡単さ
・毎日数字を見て・意識することで仕事への取り組み方が変わるイノベーション

まず、データを1箇所であらゆるデータが見える、ということ。これは本当に快適です。

Salesforce・Eloqua・Google Analytics・Smartsheet・Adwords・Facebookなど様々なツールにログインしてレポート画面まで行かないと確認できなかった数字がすべて1箇所に集約されます。そして、ほぼリアルタイムです(エンタープライズ版だと15分置きにデータが更新されます)。

そして、設定が楽です。API認証でつないでデータを取ってくるのですが、もちろんGUI形式なっており、コーディングはいりません。facebook IDなどでログインする感じで各マーケティングツールと連携し即座にデータを取ってきます。
 

Eloqua DOMO Integration
Eloquaとの連携も簡単かつ即座に実現。もちろん様々なツールとのコネクタを持っています。

DOMOでは、1つのグラフを「カード」と呼び、それらを1個1個作っていくのですが、カード作成は思ったより簡単で、気づいたら様々なグラフをカードにしていました。

そして最後に。数字を見ながら仕事を進める「新しい体験」の素晴らしさ!

基本はブラウザでDOMOを閲覧するわけですが、スマートフォンアプリも提供されていてアプリ経由でデータ閲覧ができます。広告やEメール配信当日などは、アプリをタップして、A/Bテストの結果からユーザーの反応までこまめに確認しています。

また、アンダーワークスでは、グラフを大量のTV画面に映しているので、ブラウザを開かなくても強制的に数字が見えてしまいます笑!(これがどうなのかは実験中です。オフィスにいらした方にはショールームのようにお見せしています。)
 

DOMO ダッシュボード
壁一面にティスプレイを設置し、DOMOの数字をモニタリング

DOMO導入の結果、数値の集計業務はほぼゼロに

「今の段階でAdwords経由でのアクセスは何セッション?」「今月の受注残っていくら?」「ホワイトペーパーのダウンロードの推移ってどう?どれが多いの?」「昨日リリースしたブログ記事って何いいね!された?」とか、こうしたデータは多くの人が常に頭に入っており、即座に答えられるようになりました。

すると必然的に、メンバーとの議論が「効果あったね、なかったね。次あーしてみようか、こうしてみようか?」というものに変わっていきました。

まさに、まさに!こういう風に営業・マーケティングをしたかったわけです。
 
 

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