前回のマーケティングは自動化できるのか -マーケティングオートメーションとは(前編)-では、デジタルマーケティングの浸透によってマーケティング活動に自動化できる余地がでてきたことを紹介した。
 
後編では、One to Oneマーケティングを軸に、具体的に自動化しやすいマーケティング活動とは何かを挙げてみたい。

自動化すると効果がでる3つの施策 -One to Oneマーケティング-

One to Oneマーケティング。
マーケティングオートメーションとは比べ物にならないくらい古くて懐かしい言葉だ。
 
「Eメールマーケティングや自社ウェブサイトはデジタルなんだから顧客属性や購買履歴に応じてOne to Oneで対応できるんでしょ?」 こういった声は昔から聞く。
 
ただ、実際にEメールマーケティングやWebサイトを担当している方に話を聞けばこういった声が帰ってくるだろう。「1人1人に個別にメールを送ったりする時間なんてないですよ!」 時間がない・・・ 時間がない・・・ 時間がない。

自動化できるOne to Oneデジタルマーケティング

マーケティング活動の中にもIT化によって自動化できてしまう領域は実は多い。特に、顧客属性や購買履歴などに応じて個別対応をデジタルチャネルでしていこうと考えるのであれば、むしろ自動化は必然でもある。
 
ここでは、マーケティングオートメーションで自動化できる基本的なマーケティング活動を3つ紹介したい。
 

シナリオに基づいたメール配信

Webサイトで登録してくれた人に「サンキューメール」を送ることを人海戦術で行っている人はいない。登録と同時にシステムが勝手に「ありがとうございます。ご登録が完了しまし。」というメールを送信するはずだ。
 
このような「同じコンテンツ」を「全員に一斉に」を、「一人一人のニーズに応じて」に変えるとどうなるか?
 
仮に、男性なら登録後3カ月後、女性なら登録後半年で購買に至る確率が高い商品を取り扱っている企業の場合、その後どういったフォローアップメールを送ればよいだろうか。

単純に考えると、男性なら登録から2カ月半後、女性なら5カ月半後くらいに「そろそろどうですか?」「お勧めですよ」的なメールを送ってみるというのが考えられる。こうしたシナリオに基づいたEメールマーケティングはマニュアルで行われていることが実は多い。これらは、マーケティングオートメーションツールによって自動化することが可能だ。
 

行動履歴でパーソナライズされるWebサイト

同じように、初めてウェブサイトに来訪した人と、登録から3カ月後に訪問した人に対して異なるコンテンツを見せることはできないだろうか?
 
Amazonに代表される一部のECサイトを除いて、ほとんどの企業ウェブサイトは依然として全ての人に同じページを表示している。あなたにとってのトップページは、他の多くの人にも同じトップページなのだ。これを登録情報や行動履歴に応じて動的に変えるとなると、もはや人力では不可能だ。
 

次に買う確率が高いのは?顧客スコアリング

「自社の潜在顧客リストのうち、次に顧客になってくれそうな人は誰だろうか?何人いるだろうか?」
 
この質問に答えるのはなかなか大変だ。あなたの会社が100人の潜在顧客しか持っておらず、年間2-3人に買ってもらうだけであればエクセルでも事足りるかもしれない。ただし、潜在顧客が数万人いたら・・
 
Webサイトによく訪問してくれる人や毎回メールに反応してくれる人。こういった人々は潜在顧客の中でも次に購買してくれる可能性が高い人に違いない。潜在顧客の行動履歴を積算し、自動的に顧客をスコア化してくれればこういった潜在顧客を特定することが可能になる。
 
これもマーケティングオートメーションのツールが支援してくれる自動化機能の一つだ。

 One to Oneを考えるならマーケティングオートメーションに注目

以上の3つの自動化可能なマーケティング活動は、マーケティングオートメーションの基本的な機能だ。
 
その他にもツールによって若干異なるが、SFA/CRM(営業管理システム)などと連携して営業部門に最適なリードを引き継ぐ、マーケティング施策のROIを計算して、効果の高いマーケティング活動が何かを分析する、などの機能を備えているものが出てきている。
 
デジタルマーケティングでOne to Oneに取り組んでみたいと思っている方は是非マーケティングオートメーションにも注目してみて頂きたい。

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