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ガートナーが今年も「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル」をプレス・リリースとして発表した。ここで登場するキーワードの中には、いわゆる“バズワード”と云われるようなものも多く存在するが、しかしこれらの詞の中から新たな産業が生まれることも確かだ。いわば、デジタルマーケティングの今後を占うと言い換えても差し支えない様なキーワードが、ここに散りばめられていると言えよう。

「ガートナーではかねて、インフォメーション (ビッグ・データ)、クラウド、ソーシャル、モバイルの4大テクノロジの強固な結び付きをNexus of Forces (力の結節) と称し、イノベーションの原動力とすることを提言してきました。

実際、Nexus of Forcesは企業や社会を急速に変え始めています。さらに今後は『モノのインターネット (インターネット・オブ・シングス)』や3Dプリンティングなども含めた『デジタル・テクノロジ』が、企業活動やIT部門の在り方を驚くほど変えていくでしょう。企業間の競争はこれまでとは異なるものとなり、そこには大きな機会とリスクが生まれます。

『日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2013年』では、日本国内において特に高い関心を集めているテクノロジや、潜在的に非常に大きな影響力を持っているとガートナーが判断したテクノロジに焦点を当てています」 (プレスリリースより)

今回は、こうした詞の現在を、検索クエリの数という客観的なデータを基に考察してみたい。

デジタルワールドの現在

“モバイル、クラウド、ソーシャル、インフォメーション(ビッグ・データ)という4つの力の結節(Nexus of Forces)を土台にして、新しいデジタル中心型の世界が到来する”―ガートナーではこれを、「デジタルワールド」と呼んでいる。しかし、それらの時代が現実のものとなっているかはテーマによってバラつきがあると思われる。
 
これを、今回はGoogleトレンドを使って、過去数年間で一般的にどこまでネットユーザーの興味を集めているのかを検証してみた(下記のX軸の単位は相対値)。尚、筆者の個人的な興味で「モバイル」「クラウド」「ソーシャル」「ビッグ・データ」に「スマートフォン」を追加してみた。日本では「モバイル」よりも「スマートフォン(またはスマートデバイス)」といった呼称が一般的だろう、という仮説からだ。

これからは『クラウド』、『ソーシャル』、『ビッグデータ』?

使われる単語として、これらの詞がしばしば聞かれるようになるだろうことをGoogleトレンドは示している。一方、『モバイル』『スマートフォン』といった携帯デバイスの単語は、検索クエリのボリュームとしては下降トレンドを示した。
 
これらの単語についてガートナーは、ビッグ・データは典型的な「過度な期待」、クラウド・コンピューティングは「幻滅期」に入り、ソーシャル・ソフトウェアは、「過度な期待」のピーク期を過ぎ、「幻滅期」に。そして、モバイル・コンピューティングは「過度な期待」のピーク期にあると考察している。
 
たしかに、最近のバズワードと云えば?(2013年11月時点)と誰かに聞かれれば、「ビッグ・データ」「データ・サイエンティスト」と答える人も少なくないだろう。一方で、ロールモデルとなる様な事例が流通・小売の業界に集中している関係上、他業種の企業では、さほど自分事として捉える様なところは多くないのではないだろうか。さらに、個人情報保護・コンプライアンスの切り口から見ても、こうした「ビッグ・データ」をマーケティングに取り入れようとする動きをポジティブに見れない担当者がいるだろうことは想像できる。
 
今後、「ビッグ・データ」を扱う(とされる)「データ・サイエンティスト」と呼ばれる人材が、いかに企業経営に貢献し、いかに市民権を勝ち得ていくか。そして、どこまでその意義を世の中に知らしめて行けるか。その道程は、何大抵のものではないだろう。

直近では「幻滅期」に入ったテクノロジの今後に期待

因みに、筆者としては「幻滅期」に入った「クラウド」「ソーシャル」に期待したい。特に、クラウド・コンピューティングの適切な利活用が企業経営における一般常識となってゆけば、この国の経営における投資対効率は向上し、より良い市場を作っていけることだろう。
 
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