78%の企業がオープンソースを利用
2015 Future of the open source の調査によれば、78%の企業がなんらかの形でオープンソースソフトウェアを利用しており、その数は5年前(2010年)の約2倍だそうだ。
昨年メジャーバージョンアップした「Typo3 Neos」や、今年バージョン8のリリースが予想される「Drupal」など、CMSの業界ではオープンソースへの脚光が密かに集まっている。 だが、マーケティングオートメーション領域においてもオープンソースソフトウェアが出始めていることも覚えておきたい。それが「Mautic」だ。
MauticはJoomlaのコアデベロッパーであったDavid Hurleyらを中心とするMautic.orgが配布するオープンソースマーケティングオートメーションソフトウェア。
2015年7月現在のバージョンは1.13であり、今年になってから本格的な配布が開始されたばかりだ。 無料のマーケティングオートメーションツールとは言え、その機能は商用マーケティングオートメーションツールに引けをとらない。顧客データとWeb閲覧ログ(クッキー情報)の統合管理やランディングページの作成、シナリオ分岐型のキャンペーン管理、分析機能まで基本機能に関しては申し分のない実装が行なわれている。
※2017年9月追記
2017年9月現在のバージョンは2.9.0のβ版がリリースされている。
そのMauticに関して、他のマーケティングオートメーションと比較して特徴的な点を3つ挙げてみたい。
オープンソースマーケティングオートメーション「Mautic」の3つの特徴
1. 無料
オープンソースであり、利用は無料である。これ以上の特徴があるだろうか。現時点において、リード数による上限や有料プラン等もなく、セットアップからすべての機能利用まで、文字通り“完全無料”である。
2. オンプレミスでも利用可能
商用マーケティングオートメーションツールはほとんどがSaaS型で提供されている。一方クラウド上に個人情報を置いておきたくない企業はオンプレミス型のツールを希望するが、こうした選択肢はほとんどないのが現状だ。その点、Mauticは、ダウンロードしたソフトウェアを自社のサーバーにインストールしてオンプレミスで運用することができる。これは大きな特徴だ。(もちろんSaaS型としても利用できる)
3. 様々なシステムとオープンに連携
APIベースで様々なシステムとの連携を用意している。CRMの代表格であるセールスフォースドットコムなどはもちろんのこと、オープンな思想に基づき様々なツールとの連携ができることは魅力の1つだ。 国内企業のオープンソース利用はこれまであまり進んできていないと言われている。これは主にセキュリティや保守に対する不安感から来るものが大きいのだろう。
だが、費用の面だけでなく、オンプレミスで利用可能、様々なツールと連携できるといった機能面においてもオープンソースに分があるとなれば、採用を本格的に検討してみてもいい時期に来ているのではないだろうか。