先週、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)から発表された「日経オーディエンスターゲティング」の開始は、BtoB業態でのデマンドジェネレーションに大きなインパクトとなるかもしれない。
AudienceOne®で日経IDのオーディエンスデータでターゲティング広告が可能に
このMarketOne®と日経IDの連携は、DMP「AudienceOne®」及びDSP「MarketiOne®」と日本経済新聞社の「日経ID」を連携させ、「大手企業の経営層」や「中小企業の社長」といった精度の高いプロファイルでのターゲティング広告を可能にするものだ。
日経IDは日経電子版の購読等に必要なIDであり、ビジネスパーソンを中心に約335万人(うち、有料購読者約43万人、無料購読者約275万人。2015年7月時点)の購読者が存在しする。日経電子版は月間3.2億PVを誇る超巨大ビジネスメディアである。
日経IDと日経BPパスポートは既に統合が進められており、両者を合わせると700万人規模の巨大なビジネスオーディエンスデータとなる。近いうちに、日経電子版だけでなく、日経BP各社のデータも連携が開始されることも想像に難くない。
決裁権者・経営層へのアプローチを精度の高いプロファイル情報を基に行いたい企業にとっては非常に有効な手段となり得るだろう。
日経新聞社のデータ活用はBtoB領域でのターゲティング広告を加速させる可能性
日経新聞社は、昨年末にもセールスフォース社との日経IDを活用した広告ソリューションの提供開始を発表しており、今後オーディエンスデータをデジタルマーケティング利用ビジネスへ本格的に注力していく様子が伺える。
既存のDMPで提供されているセグメンテーションは、「年代・性別・居住地・趣味関心」などが中心であり、これはBtoCでのターゲティングには十分に活用できるものだ。
だがBtoBでは「企業規模・業種・部門・役職」などでセグメンテーションのニーズが高いはずだ。しかしこういったセグメンテーションは既存のDMPでは提供されていない場合が多い。
日経新聞は日本のビジネスパーソンであれば間違いなく知っているビジネスメディアの最大手である。これらの登録者(日経ID登録者)のオーディエンスデータが活用できるとなれば、BtoB領域でのDMP広告活用が大きく進む可能性を秘めている。
矢野経済研究所によれば、国内のDMPサービス市場は、2016年で約66億円、2017年で約83億円(%増)、2018年には100億円(前年比%増)を超えると予測している。BtoB領域での活用が進めばこうした市場予測を上回る市場拡大の可能性も十分にあるだろう。