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2017年4月23日-27日にサンフランシスコで開催されている2017年のMarketoイベント「Marketing Nation Summit」に参加しています。イベント初日の模様をレポートしたいと思います。
 

会場となったサンフランシスコモスコーセンター

6,500人のマーケティング担当者が参加、うち500名がCMO

ポップミュージックとダンスパフォーマンスに引き続いて、最初に基調講演を行ったのが、昨年からCEOを務めているSteve Lucas氏です。
 

 
昨年は、資本も代わり、マーケティングオートメーションツールからエンゲージメントプラットフォームへと大きく変貌を遂げつつあるMarketo。経営陣もよりエンタープライズ向けを意識した布陣になっています。Steve LucasはSAPやマイクロソフト出身だそうです。
 
サンフランシスコのモスコーセンターに集まった聴衆は6,500人。うち、500名がCMOとのこと。また、3割が昨年に引き続きリピータ参加者、7割が初めての参加者だそうです。200インチ以上のディスプレイを4つも配置した大会場が熱気に包まれていました。
 

基調講演の会場はモスコーセンターの3階

エンゲージメントエコノミーの時代にマーケターが重視べき3つのこと

Lucas氏の講演テーマは「エンゲージメントエコノミー」。これは今回もMarketing Nation Summitのテーマにもなっています。Lucas氏は講演の中で次のように述べていました。

これまでの時代は「顧客のマインドシェア」の時代だった。これからは、「顧客のハートシェア」の時代だ。-Steve Lucas氏の講演より

講演では、本当の顧客エンゲージメントとは単に「顧客のマインド」の獲得ではいけない、顧客のハートに共感してもらう必要がある、ということが強調されていました。

また、マーケターと顧客との「エンゲージメント」に対するギャップを埋める必要があるとも述べていました。マルケトが行った調査によれば、「83%のマーケターはエンゲージメントの獲得に成功していると考える一方で、エンゲージメントに満足している顧客は51%にとどまっている」とのことです。

こうした時代にマーケターが行うべきこととして、Lucas氏は3つの行動を聴衆に訴えています。それは「Litsen(聴く)」「Learn(学ぶ)」「Inspire(触発する)」の3つです。
 

パネルディスカッションの模様

顧客の声・行動に耳を立て、その行動を蓄積・分析し、顧客のハートを触発するマーケティングを行うべきだ、と解説し、Marketoのビジョンに立ち返って講演を締めくくりました。

今年も「ABM」と「アライメント」が大きなテーマ

基調講演のあとは、Marketoの顧客であるクラウドストレージサービスであるBOXのCMO、Carrie PalinやAmazon Web Service、INFORのエグゼクティブとのパネルディスカッションを経て、新しい機能の発表も行われました。

午後からは個別テーマのセッションが行われます。昨年に引き続き、ABM(アカウントベースドマーケティング)、セールス・マーケティングのアライメント(営業とマーケティングの連携)が非常に注目が集まるテーマとなっていました。

プロダクトキーノートMarketoの8つの新しい機能

初日の最後は、プロダクトマネジメントのVP Matthew ZilliとCheril Chavesが、Marketoの新しい機能の発表、プロダクトキーノートのプレゼンテーションを行いました。
 

新機能が8つ紹介される

CMO向けの分析・ダッシュボード機能マーケター向けの新しい分析機能AIを活用したパーソナライゼーションを実現するAdaptive Engagemtn機能ABM(アカウントベースドマーケティング)のデータを可視化するAccount Insight機能などが発表されました。

そして、最後に「0ベースで作り上げた」という新フィンターフェースの発表がありました。Ajaxがふんだんに使われたモダンなインターフェースは、これまで圧倒的に使いやすい印象を受けました。
 

新インターフェースとなったアナリティクス機能のスクリーンショット

また、買収を発表したばかりのtoutappのCEOからのプレゼンテーションもありました。toutappは、セールスEメールのトラッキングや分析を行うマーケティングテクノロジーツールです。

新機能発表プレゼンテーションの最後には、Amazon Echo(Alexa)を使ったマーケティング結果データの読み上げなども行われました。オープンな思想を大事にするMarketoならではの他のマーケティングテクノロジーとの連携が体感できるものとなりました。

マーケティングオートメーションの領域で大手ベンダーに買収されることを避け、他のテクノロジーとのエコシステムを大事にしてきたMarketo。昨年から大きな変革期に入りエンタープライズ向けにも浸透を試みていますが、これからの発展がますます楽しみだと感じさせるイベントになっています。

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