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カスタマーデータプラットフォーム(Customer Data Platform、CDP)というキーワードを耳にすることが増えてきました。
 
デジタル・IT業界の風物詩である3文字略語のバズワードがまた1つ増えるのか、という気にもなりますが、略称に惑わされずに、その裏側にある本質を理解しておくためにも、「カスタマーデータプラットフォーム」について考えてみたいと思います。

カスタマーデータプラットフォーム CDPとは

Customer Data Platform Instituteによる定義では、「CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは、マーケターによって管理されるシステムであり、顧客のデータを継続的に統合管理するデータベースであり、他のシステム・ツールからも参照できるようになっているもの」と定義されています。
 
また、MARTECHTODAYにも寄稿しているBarryLevine氏は、カスタマーデータプラットフォームとは以下のような概念だと主張しています。
 
・マーケターによって利用・管理されるもの
・外部・内部を問わず、顧客の行動・プロファイル・その他のデータを含む
・様々顧客データをつなぐユニークキー(Identifier)が様々なデータ結びつけている
・外部のシステムからも参照可能で、マーケターのキャンペーン管理・分析・BIなどに役立つ
 
こうした解説を参考にすると、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは、行動データなども含む様々な顧客データを一元管理し、なんらかのキー・識別子で顧客(人)ベースでデータが統合されているデータベース。色々なマーケティングツールから参照されてマーケターがマーケティング施策実行に活用できるもの。
 
と理解できそうです。
 
特に、様々な顧客データを何らかのキーで統合管理し、ひとりの顧客を360度シングルビューで把握できる、という点をポイントにすることを念頭におくことが重要に思えます。

DMP (データマネジメントプラットフォーム)と同じではないのか?

以上のようなものが、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)だと理解すると、当然次のような疑問がでてきます。
 
それはDMPのことではないの?
 
という疑問です。CDPとDMPは何が違うのでしょうか。
 
個人的には、誤解を恐れずに言えば「CDP (カスタマーデータプラットフォーム)」は「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」と同じだと考えます。
 
ただし。ただしです。
 
ここでいうDMPは、いわゆる「プライベートDMP」にあたります

以前の記事でも解説したとおり、DMPは非常に広い意味で使われており、特に、3rdパーティの顧客データの集積をした(どちらかと言えば広告セグメントなどに使われる)「パブリックDMP(3rd Party DMP)」と自社のデータを集約するデータ集積地としての「プライベートDMP(1st Party DMP)」では大きく異なるものです。
 
「DMP」と「プライベートDMP」の違いが分かれば、データ・マネジメント・プラットフォームは格段に理解しやすくなる。
 
「プライベートDMP」という言葉は、国内では使われるケースもあるキーワードですが、実は海外でこの言葉が使われることはないようです。パブリックもプライベートもどちらに対しても、「Data Management Platform」という言葉が使われてきた気がします。
 
そこで、パブリックDMP(3rd Party DMP)を「データマネジメントプラットフォーム Data Management Platform」と呼び、プライベートDMP(1st Party DMP)を「カスタマーデータプラットフォーム Customer Data Platform」と呼び始めている、と捉えても良いかもしれません。

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)を実現するソリューション

最後に、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)をソリューションと提供しているベンダーにはどのようなものがあるのでしょうか。思いつく限りあげてみます。(自社のソリューションをCDPと呼んでいるかどうかに関係なく、CDPとして活用できる機能を提供しているものをあげます)
 
・RToaster(ブレインパッド)
・Tealium iQ + Audience Stream (Tealium)
・TreasureData(トレジャーデータ)
・SmarticA! (アルベルト)
・Activecore marketing cloud(アクティブコア)
・Ensighten (Ensighten)
・Segment (Segment)
・Lytics(Lytics)
・Datorama(Datorama)
・INTEGRAL-CORE(EVERRISE)
 
こうしてみると、「プライベートDMP」「タグマネジメント」「CRM・レコメンド」「BI・データビジュアライゼーション」など様々な出自のソリューションが入り混じっています。
 
自社が保有する顧客データの活用は、デジタルマーケティングへの取り組みの中でも最重要に位置付けられるものだと思います。
 
今後も様々なバズワードやコンセプトが出ては消えていくと思いますが、データの収集・統合・マーケティングへの活用を顧客体験の向上につなげる、という本質を見誤らずに取り組みを進めていくべき領域だと考えます。

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