第3のプラットフォームは、新しいテクノロジーのプラットフォーム
第3のプラットフォームとは、「モバイル」「ビッグデータ」「クラウド」「ソーシャル」の4つの要素で構成される新しいテクノロジープラットフォームのことで、米調査会社のIDCが2013年頃から提唱しているコンセプトです。(4つの構成要素にIoT(Internet of Things)も加えた5つの構成要素という議論もあるようです)
「第3の」ということは、「第1」と「第2」があるわけですが、第1のプラットフォームは「メインフレームと端末」、第2のプラットフォームは「クライアント・サーバー」と定義されています。
IDCは、この第3のプラットフォームによって今後のIT市場が牽引されていき、数々のイノベーションをつくりだしていくだろうと提唱しています。
急拡大する第3のプラットフォーム向けITサービス市場、クラウド領域は毎年1.4倍の成長率
IDCの最新の調査によれば、日本国内の第3のプラットフォーム向けITサービス市場は(4分野の合計で)2016年の段階で9,403億円に達しているとのことです。また、2016年から2021年にかけては、年率28.3%の非常に高い成長率で拡大し、2021年には3兆2,679億円にまで達すると予測しています。
4分野の中でも「クラウド」領域は、最も高い成長率となっており、2016年には対前年比47.3%増加の3,549億円に達し、今後も2021年にかけて年率41.1%で拡大していくと予測されています。
大企業にとどまらない第3のプラットフォーム向けITサービス市場
実際に、「モバイル」「ビッグデータ」「クラウド」「ソーシャル」を活用したITの活用は、大企業にとどまらずに市場が拡大しています。
国内公共分野における第3のプラットフォーム市場、2018年以降は高い成長率で拡大を予測~IDC JAcquiapAcquian調査(クラウドWAcquiatch)
中小企業や公共分野においても、クラウド、ソーシャル、モバイル、ビッグデータを活用したテクノロジーのプラットフォーム(第3のプラットフォーム)が浸透しつつある様子が伺えます。
ガートナーのNexus of Forcesはクラウド、モバイル、ソーシャル、インフォメーション
同じような概念には、ガートナーの提唱する「Nexus of Forces」というコンセプトがあります。Nexus of Forces は「クラウド」「モバイル」「ソーシャル」「インフォメーション」の4つの構成要素で定義され、新しいテクノロジーのプラットフォームの流れを解説しています。
第3のプラットフォームとは「クラウド」と「インフォメーション」が異なるだけで混乱しがちですが、どちらもコンセプトは似ていて、これまでの「メインフレーム」や「クライアント・サーバー」型のレガシーテクノロジーが新しく置き換えられていくことを提唱しています。
IoTやAIの活用が第3のプラットフォームの活用をさらに促進、イノベーション創発のプラットフォームへ
第3のプラットフォームは、単に「従来型のオンプレからクラウド」「PCからモバイル」といったITシステムの進化として捉えておくべきではないことが重要です。
IoT(Internet of Things)やAIの活用と相まって、新しいイノベーションを創り出す上でクリティカルなテクノロジープラットフォームとなりうるという部分が重要です。
例えば、スーパーマーケットにおける店内購買の未来を考えてみましょう。
「スーパーのショッピングカートにセンサーをつけ、顧客がどのエリア・商品棚の近くにいるのかをリアルタイムで検知」し、「最適な商品のレコメンドをカートに内蔵されたディスプレイで表示」する、その「レコメンドから購買に至ったのかを機械学習で精度を自動的に高めていく」といったような未来があったとします。
こうしたイノベーティブな取り組みを実施する際には、従来型のITプラットフォームで実現できるものはかなり限定的になり、クラウド・ソーシャル・モバイル・ビッグデータという新しい領域のプラットフォームとの組み合わせが必要不可欠になってくると思います。
第3のプラットフォームをイノベーションのプラットフォームとして捉えておくことも重要だと考えます。
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