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この記事は[2018/06/05]に公開した記事を[2023/01/23]に加筆編集しております。

 
短期間に成果を上げるための目標管理手法として、SIC (Short Interval Control)という考え方があります。元々は製造業の生産管理において長く使われている考え方ですが、意外とGoogleでもあまりヒットしないこのワード。本日はマーケターにとっても親和性のある考え方、SICについてご紹介したいと思います。
 
ビジネスの現場では、多くの人が「計画目標が、達成できない。」という現実にお悩みのことと思います。あるいは、ビジネスだけでなく、例えば学習の場でも起こり得ることだと思います。 SICをうまく実行できれば「計画目標を達成する。」ことができるようになります。

「計画」を図解してみる

まず、計画は長期で立てますね。大抵、期初に期末に向けた計画を立てます。 (無論、経営層であればより長期に3カ年、5カ年で立てることになります。)

ここで陥りがちな状況が、立てた計画を放置してしまうことです。放置とまでは言わずとも、その推移を見守るだけの状況になりがちです。 また、誤解されがちな事実が、「発破をかけている」という意識です。「発破をかける」は、ほぼ「応援」と同義と受け止めても良いのではないでしょうか。「発破をかける」ことと「計画達成」は別物と捉えるべきと考えます。

放置し続ける結果、現実と計画の間が乖離します。この乖離(ギャップ)を可能な限りなくすことが必要です。 場合によっては意図せず上振れすることもありますが、現実と計画の差異は、良くも悪くも見つめ直すことが必須です。ある企業では、良い方向に上振れたとしても、その原因追求に十分な時間をかけるそうです。

「計画」と「現実」のギャップに時間を加味してみる

図解で感じてもらえていると思いますが、ギャップは時間が経過すれば経過するほど大きくなります。

 大きくなったギャップはリカバリーが困難で、大きな労力がかかります。 例えば12ヶ月で1億2千万円の売上計画を立てていたにもかかわらず、期末1ヶ月前である、2月の時点で半分の6千万円の売上しか上がっていないとしたら、残り1ヶ月で6千万円を稼ぐ必要があります。これは非常に困難であり現実的に無理があります。 元々が1ヶ月1千万での計画ですから、1ヶ月で6倍稼がなければなりません。 これは計画と現実のギャップに対して、的確な対策を打てないまま過ごしてきてしまった結果です。

SICの考え方。

時間経過の早いタイミング、例えばまだギャップの小さい3ヶ月目で進捗の確認と対策を打つことができれば、ギャップを埋める労力はぐっと小さくなります。

 都度進捗確認に加えて適切な対策をすることで、期末まで何もしなかった場合に比べると小さな労力でリカバリーができますし、リカバリーすること自体が現実的なものになります。 進捗確認と対策がビジネスにおいて重要と言われることが理解できるのではないでしょうか。ただ、このある種当たり前のことを当たり前に行い続けるのが一番難しいのは言うまでもありません。

「計画達成」に向けて。

目標を達成するためには、進捗確認と対策のタイミングを可能な限り短くすることが必要です。

進捗確認と対策の間隔を短くすればするほど、ギャップが小さいときに、対策が可能です。行うべき対策の内容も小さいもので済むため、少ない労力での実施が可能です。小さい進捗確認と小さい対策を期末まで続けることで計画目標を達成することができるようになるのです。

当たり前を実現するには。

繰り返しにはなりますが、このSICの考え方はある種当たり前です。しかし、当たり前の行動が一番難しいです。 当たり前を難しくさせてしまう理由はいくつかあります。
 
・進捗確認に時間がかかってしまう。
・進捗確認が正確ではない。
・対策が間に合わない。
・対策が間違っている。
・対策に落とし込めない。
・対策に落とし込めたとしても、実行ができない。
 
かつて人手で行っていたときには難しいものでしたが、現在では適切なテクノロジーを選択することで、 テクノロジーが進捗確認、対策の補佐をしてくれます。 例えば、進捗確認はテクノロジーに任せ、ある閾値に来たときにアラートメールが届くなど、一般的な手法になってきました。
 
重要なのは、計画時点、閾値設定時点で、対策を用意しておくことです。少なくともKPIツリーを元にして、「この数字に変化があった時には、こちらの数字を見る」といった流れを作っておくことです。閾値に達してから対策を考えるのでは間に合いません
 
当たり前で一般的な手法をご紹介しましたが、当たり前を適切に設定していますか?時折見直していますか?ぜひ自問してみてください。今後、よりテクノロジーを有効活用し、SICの考え方を推進していって頂ければと思います。

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