2018年12月6日に虎ノ門ヒルズで開催された「Inside sales Conference2018」のレポート後編です。後編では「失敗から変革までの変遷、すべて話します!大手企業も成果を残すインサイドセールス」のセッションをお送りします。
前編はこちら
このセッションでは大企業のオリックス、NEC、NTT東日本の担当者が、自社でどのようなインサイドセールスを立ち上げ運用されているかといった内容のセッションでした。
インサイドセールス立ち上げ時のキーワードは「社内認知」「目標を持つ」「スモールスタート」
それぞれの企業のインサイドセールス立ち上げた経緯は、まちまちでした。
- オリックス「トップダウン方式」
- リースの契約は一般的に5年程度、契約が取れないと営業が顧客企業から足が遠のき、大量の休眠顧客が出来てしまった。関係維持をする部門として、当時トップの宮内義彦氏がアメリカですでに始まっていたインサイドセールスに注目し立ち上げる
- NEC「ミドルレンジからじわじわ広げる方式」
- 商材が増え、関わる部門も増えた。またRPAのような、どの部門が担当するかわからないようなサービスも出てきて、既存のフィールドセールスだけの活動に限界を感じてきた。
- NTT東日本「ボトムアップ方式」
- 宮城支店では「移動時間が平均80分」「人口減耗による人手不足」が火急の課題。しかし、NTT東日本のよいところは地域密着である。両方を守る「テレビ電話営業」スタイルを検討し、音声やネットワークなどの問題が解消された電話会議システム「ベルフェイス」を導入
また、各社それぞれ立ち上げの仕方について工夫をこらして取り組まれており、大企業にありがちな社内組織の調整や説明に時間がかかりそうな点を解消していました。その立ち上げの仕方の中で共通するポイントは「社内認知を上げる」「目標を持つ」「スモールスタート」ということでした。
NECの事例では、フィールドセールスと一緒にインサイドセールスについてのワークショップを実施し、どういった活動を実施しているのか、テレマとの違いを一緒に認識合わせする活動を進め、まずはやってみようという空気を醸成。最初はスモールスタートで、「現在の営業活動に課題を感じている」「新しい取組みに興味がある」一部門からスタート。現在ではこのテストケースは成功を収め、これから活動の幅を広げていくそうです。

NTT東日本の事例ではスモールスタートの人選を工夫し、『活動を広げてもらえるインフルエンサー、具体的には下記のような方たちを選出した』そうです。
- 売上を上げているトップセールス
- 65歳のベテランセールス
- 若手のトップセールス
- 中堅の営業

会場からQRコードで質問を集める工夫も。来年以降の開催にも期待
今回のカンファレンスでは、質問しづらい空気を回避するためか「sli.do」というアプリから質問を受け付けるという工夫をしていました。『手を上げて質問』というと、大きな会場ではハードルも高く、時間もかかるものなので、個人的には、今後の普及を期待しています。

今回はその他にも競合同士のパネルディスカッションや、インサイドセールスで利用しているデジタルマーケティングテクノロジースタックの紹介、など、それぞれ興味深いセッションが多かったです。
来年以降も規模を大きくしてさらに発展したカンファレンスになることを期待したいと思います。