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これまでも何度かCDP(Customer Data Platform)ツールを取り上げてきました。 製品の特徴については、機能比較やインタビューなどによりイメージをつけてもらえたかと思います。一方で、実際の画面についての紹介記事がまだなかったので、「結局どんな画面なの?」と言うお問い合わせを頂いています。
 
そこで今回は、様々なCDPツールから厳選した3製品、Treasure data, Tealium Audience Streem, Lyticsのインターフェースを抜粋して、実際の画面比較をしていきたいと思います。(*画面は記事執筆時 2020年3月4日時点のものになります)

これまでのCDP製品のインタビュー記事は以下リンクから参照ください。
 

Treasure data 【連載企画・前編】マーケターが使えるCDP「トレジャーデータ」。データを使って顧客を理解する方法

【連載企画・中編】マーケティングだけではない。CDPを使ってビジネスに貢献する「トレジャーデータ」の使い方

【連載企画・後編】ツール導入後の課題は「組織と人」。トレジャーデータが語る解決方法とは

Tealium 【連載企画・前編】CDPの中心は「カスタマー」。中立性とリアルタイム性を備える「Tealium」が語る、CDPの本質とは

【連載企画・後編】CDPを考える上で重要なことは「カスタマーを中心に据えること」Tealiumが語るCDPの活用法

Lytics 【連載企画・前編】インサイトとキャンペーンをシームレスに結ぶCDP「Lytics」とは

【連載企画・後編】NBX(ネクスト・ベスト・エクスピリエンス)実現を目指している「Lytics」CDP

CDPツールのログイン後の画面

言わずもがな、利用のためには必ず通る画面になります。ここで目に入るものは、ツール自体のダッシュボードの位置付けにもなり、ツールを利用するユーザーにとってまず見てもらいたい内容が表示されているとも言えます。
 
◎Treasure data
 

Treasure dataの中で作成したJob(SQLの処理)の一覧が、まず目に入ってきます。様々なデータを格納し、データの加工や結合を大量に走らせることで分析に使えるデータを作っていくTreasure dataにとっては、ひとつひとつの処理が正しく完了しているかどうかという点が重要。Errorが起きている処理に絞ったり、特定のデータベースだけに絞ったりなど、データ資産・処理のヘルスチェックを行うことが出来ます。
 
◎Tealium AudienceStream
 

Webサイトへのアクセス時に動く「タグ」からデータを集め、リアルタイムにオーディエンスを作成していくTealium。ダッシュボード上ではTealium上で定義する属性に該当するオーディエンスが時系列でどのように推移しているのかが見て取れます。Web行動をベースにしているためか、GAなどでみるWebトラフィックのレポートに近しくも感じます。
 
◎Lytics
 

オーディエンスの母数と、Lytics独自のAIによる顧客セグメントの人数(行動傾向や自社コンテンツへの関心度)やLyticsで実施できるWebパーソナライズの結果が表示されます。より直感的にデータを元に施策を行う、という設計思想を反映した作りになっています。

オーディエンスセグメント画面

セグメント画面はUIの違いこそあれ、概ね違いはないように感じます。 CDPに格納した顧客属性の値、行動の回数などを選択し、それらをかけ合わせてより精緻な顧客セグメントを作成する事ができます。
 
◎Treasure data
 

 
◎Tealium AudienceStream
 

 
◎Lytics
 

ただし、設定できるセグメント条件が各々異なっており、そのセグメント条件を作る特徴的な機能に差が出ます。こちらは概念と機能になるので、画面から推し量るのは少々難しいかもしれませんね。

それぞれのCDPツールの特徴的な機能が見て取れる画面

折角ですので、それぞれのCDPツールにおける、これが特徴的だ、と感じる画面をご紹介していきます。機能と画面(UI)は一体なもので特徴的な画面を見ることで機能や思想を推察することが出来るかもしれません。

 
◎Treasure data : Workflow
 

Treasure data内で作成したSQLの処理をコントロールする機能です。異なるシステム・フォーマットから得られる大量のデータを目的に合わせて加工する際、処理の順番や分岐を緻密に設定する必要が出てきます。データとデータの組み合わせから解釈する顧客属性の判定など、複雑な条件でもWorkflow機能で制御することで簡易に実装が出来ます。こうして作成したデータを、前述のセグメントの軸のひとつとして設定が可能です。
 
◎Tealium : AudienceStream
 

Web上の行動(特定ページへの来訪、閲覧時間、スクロール、クリック)などを元にしたバッジをオーディエンスに付与することが出来ます。例えば、CDP関連のページを長く見ていれば「CDP」に関心があるというバッジを付与したり、採用系のページを長く見ていれば「リクルート」のバッジを付けたりなどです。タグマネジメントが出自であるがゆえに、こうした処理がフロントで、かつリアルタイムに実施可能です。
 
◎Lytics : Contents Affinity
 

Web上で閲覧したコンテンツが持つ「キーワード」を収集し、そのキーワードへの接触具合により興味関心を特定する機能がContents Affinityです。画面上の丸のひとつひとつがキーワードになり、関心を持つ人が多いほど大きくなります。線は同じオーディエンスが関心を持っている場合に関連するキーワードとして関連付けられます。こうしたコンテンツの解析を自動で実施し、セグメントの軸として設定が可能です。このキーワードはオーディエンスとコンテンツの両方で保持するため、誰に、何を訴求するか?の判断をデータから実施することが可能になります。パーソナライゼーションの精度向上を掲げるLyticsの特徴的な機能です。

普段は中々見られない画面から特性を知ろう

いかがでしたでしょうか?今回はCDPツールの画面を比較することで、それぞれの特徴を比較してみました。今回の比較から分かるそれぞれの特徴を挙げてみましょう。

・Treasure data : 大規模・複雑なデータ管理や処理を支援
・Tealium : Web上で発生するデータのリアルタイム解析
・Lytics : コンテンツとオーディエンスのマッチングを支援
 
あくまでも、今回ご紹介しているのはCDPツールが持つデータ管理関連の機能のごく一部です。データのインテグレーションや外部ツール連携など、これもツールにより異なる点も多いので、次回また取り上げて比較を実施しようと思います。

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