毎年恒例となっている、アンダーワークスの「マーケティングテクノロジーカオスマップJapan」。その最新版となる2020年版(通称「カオスマップ2020」)が先日リリースされたのは、DMJ読者の皆さまはすでにご存知の通り。
 
※こちらもぜひご覧ください!
・「2020年もマーケティングテクノロジーカオスマップJAPANを公表しました!」
・「最新マーテクトレンドを解説!カオスマップ2020の楽しみ方」

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2020年は歴史に残るであろうコロナ禍という異例の事態により、例年とは少々違う雰囲気での制作となりました。そんなカオスマップ制作の舞台裏を、DMJ読者の皆さまだけにご紹介したいと思います!

カオスマップ2020制作チーム結成!

今やアンダーワークス社内では「新入社メンバーの登竜門」的な位置付けともなっているカオスマップ制作プロジェクト。今年2月には、業界のベテランや入社1年目のメンバーを含めた3人で「カオスマップ2020制作チーム」が結成されました。オフィスの会議室で田島から「カオスマップ制作の心得」のレクチャーを受け、いよいよカオスマップ制作チームの活動開始となりました。この時、会社を代表するプロジェクトの一つに参加できることの光栄さを実感する一方、アンダーワークスの名前を背負うことのプレッシャーも実感していました。
 

田島よりアンダーワークスカオスマップの成り立ちやビジョンを熱く語ってくれました。

カオスマップ制作① 統廃合調査

カオスマップ2020制作に向け最初に行ったのが「統廃合調査」。昨年版「カオスマップ2019」に掲載されたおよそ1,000のサービスについて、最新の状況を確認していきました。一つひとつのサービスについて公式サイト等を確認し、名称やロゴなどの変更などがあるかどうかを精査する作業です。

カオスマップ制作作業の中で、この作業が地味に一番時間がかかったかもしれません…。というのも、「カオスマップ2019」の制作から(たったの?)一年弱の間に、サービスの買収や廃止、サービスの内容追加などの変更点が当初の想定以上に多かったのです。

例えば、「買収」と一口に言っても、名称のみ変更されたサービスもあれば、別のサービスと統合し新たなサービスに進化しているなど状況は様々で、サービスの公式サイトを少し見ただけではどのような変更がなされたのか、判断が難しい場合が多かったです。このような場合にはツール提供元の企業サイトやツール情報を扱うサイトなどを参照し、可能な限り、詳細な状況の確認を行いました。また、2019年版に掲載されている1000件近くのツールを一つ一つ丁寧に、色々な観点から情報収集・精査する必要があり、その作業にはかなりの時間がかかりました。

特に、サービス内容に変更がある場合にはカオスマップ掲載カテゴリの見直しも必要なため、慎重な対応が求められました。

変化が早いと言われるマーケティングテクノロジー(マーテク)業界ですが、短期間でどれほどの変化が起きているのかを改めて知ることとなりました。そして同時に、年に一度、最新版の「カオスマップ」を制作することの意義を強く実感しました。

カオスマップ制作② 新規サービス収集

統廃合調査で昨年版を洗い直したあとは、カオスマップ2020のポイントとなっていく新規カテゴリ・サービスの調査、収集に入ります。昨年から今年にかけて、業界の内外でどのような変化があったのか、マーテクのトレンドはどのようなものか、チーム内で時間をかけて議論を行い、未掲載サービスの収集を進めていきました。

カオスマップ2020制作チームは業界経験や海外経験などバックグラウンドの異なるメンバーで構成されていたこともあり、ここでは各メンバーの得意分野が生きてきました。

参考にしたサイトの一例としては…

SaaS比較系サイト
 boxil SaaSITreview(日本)
 G2 , TrustRadius , Capterra(海外)など
 
・メディアサイト
  Impress Business Library, TechCrunch, MarTech Lab など

・その他
 note, ツールベンダーのブログ記事など

3人のメンバーで始まった制作チームでしたが、この頃に新たに2人のメンバーが追加。体制を強化し、制作もいよいよクライマックスとなっていきます…!

突然やってきた、全面リモートワーク

カオスマップ制作チームが結成され、オフィスでミーティングを重ねていたある日のこと、弊社代表の田島から全社員に向けアナウンスがされました。「来週3月2日から、正式に全面リモートワーク(在宅勤務)に切り替えます。出社は原則禁止です」

実は弊社、以前からリモートワークの制度は存在していたものの、認められていたのは週に1回程度。基本はオフィスに出勤しての業務だったので、社員には少なからず衝撃が走りました。(関連記事:時間軸で追う全社強制リモートワーク(在宅勤務)の実態)

カオスマッププロジェクト開始当初はオフィスでのミーティングが可能だったため、プロジェクトの進め方を対面で整理できたものの、本格的な作業に入るとなったところで全面リモートとなり、不安な気持ちは隠せませんでした。というのも、調査などの作業は役割分担し個別で進められますが、サービスの整理やカテゴリ分類にはチーム内での議論が欠かせないのです。

長期間にわたって個人作業だけを進めてしまい、思い込みや推測での対応が多くなってしまうと、いつの間にか他のメンバーとの認識が合わなくなり、最終的に作業が無駄になるケースも出てきてしまいます。 そういったことを防ぐため、週1回の定例でのビデオ会議中に必要な議論を実施しつつ、作業中に上がった課題や質問はチャットベースで遠慮なくバンバン投げていました。その結果、カオスマップチームのチャットグループは常にメッセージで溢れ、それを日々追うのが難しくなってしまう時もありました。

とは言え、ここはデジタルマーケティングを扱う会社。在宅からオンラインでも仕事がしやすいよう、すでに使用していたいくつかのツールに加え、新たなツールも導入。大きな問題なく進められたと感じています。

ここからは、今年のカオスマップ制作に大活躍したツールの数々をご紹介したいと思います!

これがあれば誰でもカオスマップが作れる?!お役立ちツールたち

Zoom
言わずとしれたビデオ会議ツール。制作期間中は毎週の定例ミーティングを含め、計30時間以上のオンラインミーティングを行いました。
 

Slack
日本でも導入している企業が多いビジネスチャットツール。制作チーム内での日常的なコミュニケーションはSlack内のチャンネル機能を活用し、やり取りしたメッセージ数は1300件以上(昨年の2倍です)!ハードな作業の最中でもコミュニケーションを楽しめたのはSlackの様々な機能のおかげでもありました。
 

こんな言葉遊びができるのもカオスマップ制作チームならでは(?)

HeyTaco
感謝の気持ちをタコスの絵文字で表す、というコンセプトが面白いピアボーナスツール(※Slackと連携して使用)。作業をしてくれた人にはみんなでタコスを贈り、「ありがとう!」の気持ちを遠慮なく表現していました。
 

大変な作業をこなしてくれたメンバーには盛大にタコスパーティー!

Miro
オンラインのホワイトボードツール。チーム内でのブレストやツールのカテゴリ分類に重宝しました。
 

同じホワイトボードをみんなで見ながら、あれこれ議論しました

Smartsheet
共有の作業シート作成ツール。カオスマップ掲載サービスのデータベース的存在として活用していました。同じシートをチーム内で共有できるので、共同作業がはかどりました。
 
Adobe Illustrator
グラフィックデザインソフト。カオスマップ制作の最終局面、レイアウト・デザイン作業には欠かせない存在。白黒の地味なレイアウトが一転、彩り豊かな1枚に…
 

Before
After

最後に…

今や、あらゆるビジネスにとって不可欠となっているデジタル、マーテクの活用。しかし、関連サービスはあまりにも数が多く、どこから手を付けたらいいか分からなくなってしまうのも事実。目的に合ったサービスを見つけるのに、ぜひカオスマップをお役立てください! 

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