2024年3月26日〜29日の間にDOMO本社のあるアメリカのユタ州ソルトレイクシティで開催された「DOMOPALOOZA 2024」に参加しました。 イベント内容を前後編に分けてレポートしたいと思います。
今回は前編として、DOMOPALOOZA2024のメインテーマをお伝えします。
DOMOPALOOZAとは
DOMOPALOOZAは今回で第10回目の開催となりますが、今年はコロナ明け5年ぶりのリアル開催となり、最新機能の習得やワークショップ、参加企業との知見共有など、グローバルな交流も実現可能となりました。
現地の気温は日本と比較的変わらず、山に囲まれているため空気が澄んでおり、とても静かな空間でした。最終日にはスキーイベントもあり、ソルトレイクの魅力を存分に感じた4日間でした。
会場はソルトレイクにある5つ星ホテルである、The Grand America Hotelで行われました。フロア一面にDOMOの装飾や特設ブースが設置されており、PALOOZAの名の通りパーティーのような華やかさがありました。
データ✖️AI=ビジネス成果の向上
DOMOPALOOZA2024におけるセッションテーマは主に3つでした。
すべての人間がAIの大きな可能性を現実のものとするために、データを通じてどのようにビジネスインパクトを倍増させるか、安全かつ透明性の高い環境でのAI活用に基づいたセッションとなりました。
1.AI
〜安全でパーソナライズされた、AIによるデータエクスペリエンスをビジネスの現場で実現させる〜
今ではAI無しではデータ活用は語れないほどAIが当たり前になっていますが、実際にビジネスの現場においてスマートに意思決定できるまでにはAIを使いこなせていないのが実情かと思います。
最新機能であるDOMO.AIは技術的な課題に対し、専門知識を持たないビジネスユーザーが今までにないスピードと的確さで、複数のデータソースを読み解くことが可能になります。将来の売上や来客数、顧客満足度など意思決定に必要となるデータをチャット形式でリクエストすることで安全かつ高速に求めるデータが出力され、簡易にダッシュボードを可視化できます。
モバイル対応も可能なため、いついかなる場所でもデータドリブンな意思決定が可能となります。これはまさに5年前のDOMOPALOOZA2018にて語っていた「モバイル」の注力領域の実現といえますね。
2.データエクスペリエンス
〜全てのユーザーがデータを使えるようにするためのアプリやダッシュボードを設計するためのヒントを与える〜
セッションではAI Chatとユニバーサルモデルという2つのベータ機能の紹介がありました。
AI Chatはチャット形式のデータ分析やSQL応答の編集機能など、質問に対する掘り下げたインサイトや透明性の高い解決策を提供でき、ユニバーサルモデルはコーディングの専門知識が限られている人でも簡単にアクセスできることが特徴です。事前に構築されたAIモデルによって将来予測だけでなく感情分析や異常検出機能も今後搭載される予定とのことで、ユーザーのレビュー内容から肯定的、否定的なレビューを判別し、否定的なレビューのみアラートを上げることで対象ユーザーのみにフォローメールを送るなどのアクションが数秒以内に可能となるようです。
また、AI Chatの履歴は残るため、第三者がチャットを見返してどのようなアクションをしたか瞬時に理解できるのは組織としてもかなり重要となります。
3.ガバナンスとセキュリティ
〜データガバナンスのベストプラクティスと、セキュリティを維持しながらイノベーションを起こす方法〜
モデルの作成から統合と最適化、アプリやダッシュボードでの公開に至るまで、AI管理の簡素化および合理化するAI Service Layerのアップデートもありました。この機能によってユーザーがAIに関する広範な知識がなくても、最適なモデルを展開して幅広い用途に使用できる柔軟性とガバナンスを保ったまま機密情報を危険にさらすことなく生成AIチャットサービスとの対話が可能になります。
Domoは”安全性”を非常に重要視しており、PHI(Protected Health Information) / PII(Personal Identifiable Information)データの取り扱いやセキュリティーポリシーの遵守などDomo上で安全に使用するためのモニタリングとガバナンス管理機能を搭載しています。
Responsible AIとして情報漏洩や悪用や著作権の侵害などの危険性を防ぎながら利用できるガバナンス機能はBIツールにおいて今後欠かせない存在となるでしょう。
人間が人間らしくあるために
本レポートでは、DOMOPALOOZAの概要と、セッションのメインテーマを紹介しました。DOMOが誰もが使いやすく、安全かつ高速にデータと対話し、ビジネスの課題を解消できるBIツールであることが分かりましたでしょうか。
基調講演で登壇していたAIイノベーターのAllie K. Miller氏やDomoのチーフデザインオフィサーのChris Willi氏は「AIが単純作業を自動化することで、人間同士の対話時間が増え、初めて意味のある仕事に取り組めるようになる」と話していました。
新しいツールだからAIを使ってみるということはもちろん良いことですが、人間らしく目の前にある問題や課題を解消するためにAIを安全に活用する姿勢が時には大切です。
後編ではセッション内容のトレンドや今後の展望についてご紹介したいと思います。