アンダーワークスの徳永です。アメリカのラスベガスにて2024年3月26日〜3月28日の3日間にわたり開催されたAdobe Summit 2024へ参加しました。イベント内容を前後編に分けてレポートしたいと思います。

今回は前編として、Adobe Summit 2024のメインテーマをお伝えします。 
 

Adobe Summitとは

Adobe Summitとは、Adobe 社が毎年主催するデジタルマーケティングとデジタルエクスペリエンスに関する大規模なイベントです。このサミットでは、Adobe製品を中心とした最新のテクノロジー、トレンド、戦略が紹介され、デジタルマーケティングやエクスペリエンスの分野でのベストプラクティスや成功事例が議論されます。
 
*Adobe Summit公式WebサイトではHighlights, Keynotes, Adobe製品カテゴリで絞り込める約150を超えるセッションをオンデマンドで視聴できます。セッションの内容は文字起こしされており、動画内容をより理解しやすくなっています。
 
昨年の様子もこちらの記事にて紹介していますので、まだ読んでいない方はぜひ合わせてご覧ください。

世界最大級のデジタルマーケティングイベント

世界最大級のデジタルマーケティングイベントと謳われている通り、Adobe Summitの広告がラスベガスの街をジャックしていました。
 

ハリー・リード国際空港のバゲージクレームでは広告が全面に映し出されていました。
ラスベガスに着いた直後からイベントの熱気を感じました。
街中に広告が展開されていました。

“Imagine if every customer felt like your only customer.(すべての顧客が自分だけの顧客であるかのように感じるとしたら)“、 “Imagine turning all your leads into loyalists.(すべてのリードをロイヤルカスタマーに変えることができたら)“ など、マーケターとして興味を引く力強いキャッチコピーが印象的でした。
 
イベント会場はラスベガスのベネチアンリゾートのコンベンションセンターを貸し切り、現地での公式参加者数は1万1000人にものぼりました。
 
<会場や各社出展ブースの様子>
 

2024年のテーマは「生成AI時代の顧客体験管理(CXM)」

Opening Keynoteにて今年のテーマ“Customer experience management in the era of AI (生成AI時代の顧客体験管理)”を発表。
 
データから顧客1人1人を理解し、カスタマージャーニーのタッチポイントにおいて、顧客の期待を超える体験を一貫して提供すること。そして、その全てを企業として管理し続けることが大事であると語られました。
 
それを実現する方法として、Adobe社ではAdobe製品に統合された生成AIとリアルタイムのインサイトによりコンテンツ、データ、カスタマージャーニーを統合させ、真のone to oneマーケティングが可能であることを新機能リリースとともに発表しました。

新機能リリース

コンテンツ、データ、ジャーニー、各領域においてプロダクトアップデートが発表された。アップデートのほとんどが生成AIの活用と関連しており、デジマ領域でのAIの実用化が進んでいることを肌で感じました。
 

コンテンツ分野では、Adobe GenStudioに生成AIファーストの新機能が追加されました。Adobe Experience CloudとCreative Cloudのネイティブな統合により、マーケティングキャンペーンの立案、作成、管理、アクティベーション、分析までの作業が数週間から数日へと大幅に短縮されました。特にコンテンツ作成においては、Fireflyに「構成参照」という新機能が発表され、印象的でした。
 
「構成参照」は、画像を瞬時に学習し、同じ構成の複数の画像バリエーションを生成する機能です。既にリリースされている「スタイル参照」と組み合わせることで、ユーザーは頭の中で描いていたデザインアイデアを生成AIによって瞬時に形にすることができます。
 

データに関しては、Adobe Experience Platformに会話型AIアシスタントの新機能が追加されたことが注目されました。これは、クッキーレスの時代に向けたデータ管理と活用の柔軟性と効率性を大幅に向上させるものです。

カスタマージャーニーにおいては、Adobe Journey Optimizer B2B Editionの発表が印象的でした。これは通常B2C向けに提供されていたAdobe Journey OptimizerをB2Bでも利用できるようにしたもので、顧客の要望に応えて実現された新機能です。これにより、企業はB2CでもB2Bでも一貫したカスタマージャーニーを提供できるようになりました。


 
Opening Keynoteのオンデマンドはこちらにて視聴できますので、ぜひご覧ください。

開発中の技術もチラ見せ

元NBA選手で現在は実業家として活躍するShaquille O’Nealをゲストに迎え、開発中の技術を少しだけ公開する「Sneaks」セッションも行われました。
 

ゲストの登場で会場は一番の盛り上がりを見せました。

ここで発表されるプロジェクトは、Adobe社内でのプレゼンテーションを経て、最終選考を通過したものです。今回紹介されたプロジェクトには、Adobe Fireflyの生成AI技術を用いて簡単にインフォグラフィックを作成する機能や、マーケティングプレイブックの作成を加速化させるプロジェクトなど、個性的で多様な機能が実演を交えて紹介されました。


 
当セッションの様子はこちらから見れますので、ぜひご覧ください。

最後に

Adobe SummitでのAIの実用化を体感し、真のone to oneマーケティングについて深く考えさせられました。手作業によるマーケティングアセットの生成には限界があり、それによって行われるマーケティングが本当に個々人に響く顧客体験なのか、改めて問い直す機会となりました。このイベントを通じて、データを活用して顧客1人1人を理解し、生成AIによって個人レベルで好む顧客体験を生み出すデジタルマーケティングには無限の可能性があることを感じました。
 

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