オーストラリアのシドニーで2025年5月21日(水)・22日(木)の2日間にわたり、アジア太平洋地域最大級のB2Bマーケティングカンファレンス「B2B Marketing Leaders Forum APAC」が開催されました。生成AIの活用、ブランド戦略、動画コンテンツの活用促進など、現代のB2Bマーケターが直面する課題とその先にある可能性を探る本イベントには、世界中からマーケティングのリーダーたちが集まり、熱気に包まれていました。本記事では、現地参加したClickr(アンダーワークスグループ企業)メンバーの声を交えながら、注目のセッションや主要トピックをご紹介します。
B2B Marketing Leaders Forum APAC概要
B2B Marketing Leaders Forum APACとは?
「B2B Marketing Leaders Forum APAC」は、アジア太平洋地域最大級のB2Bマーケティングカンファレンスであり、2025年5月21日(水)・22日(木)の2日間、オーストラリア・シドニーの港沿いに位置するDoltone Houseで開催されました。主催はオーストラリアを本拠地とする「B2B Marketing Leaders Forum Pty Ltd」で、今年で10周年を迎える本イベントは、同国最大のB2Bマーケティングカンファレンスとして広く知られています。
本イベントには、グローバル企業のAPAC地域を代表するマーケティング担当者も数多く来場していました。また、同フォーラムはシンガポールやメルボルンでも開催されており、地域ごとのマーケティング課題に対応した知見共有の場として機能しています。
イベントの雰囲気
あいにくの天候に見舞われたシドニーでしたが、参加者は延べ500名以上にのぼり、会場内は熱気に包まれていました。会場となったDoltone Houseは、かつて倉庫として利用されていた歴史ある建物をリノベーションした空間で、クラシカルな外観と現代的な内装が印象的でした。屋外スペースも併設されており、セッションの合間には港を眺めながら交流を楽しむ参加者の姿も見られました。


Clickrはスポンサーとしてブース出展&セッションに登壇
アンダーワークスのグループ企業であり、シンガポール拠点をメインに事業を行っているClickr社は、本イベントにスポンサーとして参加し、展示ブースの出展とセッション登壇を行いました。アジア市場に強みを持つ同社にとって、ブランド認知の向上とリード獲得を図る絶好の機会となりました。
ブース出展
Clickrはイベント期間中、アジア市場向けのB2Bマーケティング支援事例や各国での成功施策を紹介するブースを出展。コンサルタントが常駐し、来場者の課題に応じた個別相談にも対応しました。特に日本や韓国市場への展開に関心を持つ来場者から多くの質問が寄せられ、Clickrの専門性が高く評価されました。

“TARGETING ASIA & JAPAN”
イベント2日目に行われたClickrのセッションでは、「TARGETING ASIA & JAPAN」をテーマに、アジア市場、特に日本・韓国におけるマーケティング戦略のあり方について議論されました。登壇したのは、QICのMarc Joshi氏(Executive Director Marketing & Comms)、ResMedのEd Lee氏(Senior Director, Commercial Marketing APAC)、そしてモデレーターを務めたClickrの天王寺Michelle(Global Business Director)の3名。
Marc Joshi氏は、日本市場への投資を積極的に進める立場から、信頼をベースとした長期的な関係構築の必要性を語りました。また、日本市場は他のアジア諸国と比べ、文化的背景や意思決定のプロセスに違いがあり、急成長よりも継続的な関係性が重視される特徴があるという話が印象的でした。会場からは、アジアにおけるリスクマネジメントと市場選定に関する質問も多く寄せられ、参加者の関心の高さが伺えました。

生成AIの普及により変化するデジタルマーケティング
多くのセッションの中でも、特に注目を集めたのがオーストラリア発のCanvaによる基調講演でした。
Canvaは、生成AIの進化によって従来のオウンドメディアコンテンツが読まれにくくなっている現状を踏まえ、「いかに素早く動画コンテンツを届けるか」が今後のマーケティングで重要になると指摘。制作時間を短縮しながらもユーザーごとにパーソナライズされた動画を提供する手法や、ユーザーが離脱した直後のタイミングで関心を再度引き戻す動画設計など、UX視点に基づいた戦略が紹介されました。また、Canvaは「誰でも簡単に動画を作れる環境づくり」にも注力しており、こうした取り組みはB2B領域でもブランド認知やエンゲージメント向上に直結する可能性を示しています。
さらに、Canvaの講演とは別に、他のセッションではAI利用を前提とした多様な活用方法が取り上げられていました。具体的には、動画制作に加えて、データのクレンジングやパイプライン最適化、コンテンツの多言語対応など、業務全体を高度化・効率化する事例が多数紹介されました。企業は「短文化」「即時最適化」「プライバシー遵守」といった複雑な課題に直面しながらも、それらに対応した現実的な運用を進めている点が印象的でした。
まとめ
B2B Marketing Leaders Forum APACは、APAC市場をターゲットとするグローバル企業にとって、多くの学びと発見があるイベントでした。生成AI、動画、信頼性ベースのマーケティングといったトピックは、今後のB2B戦略において避けて通れない要素です。特に、AI活用の進展によって求められるスピードと精度の両立や、日本を含む各国の市場特性に合わせたローカライズ戦略の構築は、あらゆる業界のマーケターにとって重要な示唆を含んでいました。
アンダーワークスでは、こうした国際イベントを通じて得られた最新知見を基に、企業のグローバルマーケティング支援をさらに強化してまいります。