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AI時代の最先端業務自動化ツール、n8n

今回は、最近、AIを活用した業務自動化プラットフォームとしてにわかに注目を集め始めているn8n(エヌ・エイト・エヌ)のトライアル記事を書いてみます。  
 
n8nは、ZapierやWorkato、Activepeacesなどのツールと同じ業務自動化プラットフォームです。様々なクラウドツールを連携し、特定のトリガー条件で業務の自動実行をさせることができます。
 
実はアンダーワークスは、これまで10年近くZapierを活用して様々な業務自動化を実現してきています。バックオフィス系業務の多くがZapierによって自動化されており、各種申請業務の自動処理、定期的な社内広報、メール領収書の自動会計ツールへの添付、CRMデータのダッシュボード連携など、100以上のZapierが稼働しており、クラウドツールのAPI連携をノーコードで実装しています。
 

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特に昨今は、このような自動化された業務の中に生成AIを組み込むことが増えてきています。例えば、「Zoom会議の発言をTtl;dvで文字起こし、それをChatGPTに送り議事録化し、会議後にSlackで送る」などの自動化です。
 
n8nは、様々な生成AIとの連携が柔軟にできる強みがある、と聞き今回トライアル的に無料版を利用して実験をしてみました。また、n8nはオープンソースで、自社ホスティングで利用することができます。自社サーバーホスティングの業務自動化ツールへのニーズは日本企業から多いのではないかとも思いましたので、今後国内でも認知度が広まっていくのではないかと思ったこともその1つです。

Slackチャンネルでのリアクション収集実験

今回の実験では、社長の田島が主に投稿するSlackの「#田島チャンネル」(だいたいAIに関するニュースや取り組みを共有しています)に、スタンプでリアクションがあった際、「誰が」「どんなスタンプを」「どのくらい」押しているかをデータベースに集約し、社内の反応を可視化し定期的に社長にフィードバックするワークフローを組みました。
 
これは、Zapierを使っても同じようなことが簡単にできるシンプルなワークフローですが、同じワークフローを組んでみた時にZapierとn8nで何が違うのかを体感してみようといった趣旨です。
 

n8nの設定画面

 
n8nの設定画面は、Zapierと比較するとグラフィカルな印象です。Marketoなどのマーケティングオートメーションツールの設定画面を彷彿とさせます。ただし、各アプリケーションの認証設定はよりエンタープライズ向けの印象です。OAuth認証をクリックだけで設定できる印象のZapierと比べ、トークン取得などの設定はn8nの方が難解な印象を持ちました。より細かな設定ができるようにするために思えます。
 

n8n AIの組み込み画面

 
AIの組み込みは、Zapierより柔軟性が高そうに見え、選択肢も多くあります。ただし、Zapierも最近はZapier AIを利用して複数の生成AIを選択できたりと柔軟性が増しているので、想定ほど違いはないかもしれません。取得したデータを単に「次のフローに利用するだけでなく、きちんと一箇所に収集格納しておく」というようなアクションはn8nの方がやりやすいように感じます。
 
最も印象に残った部分は、「フロー動作の速さ」です。Zapierも遅くはないのですが、n8nはトリガーの検知からフローが実行されていく速度が一瞬です。これは大量のトリガーやデータ取得に向いているのではないかと感じました。

エージェントAI時代の業務自動化の重要性

n8nやZapierのようなワークフロー自動化ツールは今後ますます重要性が増すと考えています。生成AIの普及に伴って、様々な業務、分析から文章生成、画像や動画作成までが自動化されつつあります。またエージェント型AIの普及によって、単にコンテンツを生成するだけでなく、タスク完了までを担うAIがどんどん増えつつあります。
 
一見すると、こうしたエージェント型AIが定型業務を自動化するZapierやn8nなどを駆逐していきそうにも思えます。ただし、生成AIだけで「定型的な処理・アウトプット」も必要な業務を「一定のタイミングで」自動実行させるまではまだ時間がかかると考えます。
 
Zapierやn8nなど、生成AIを組み合わせながら既存の業務フローのデジタル化・AI化を推進させるようなプラットフォームの活用は今後ますます増えると感じています。
 
今回、実験としてn8nの無料版を使い、使い勝手の検証を行いましたが、Zapierと並行して今年度中に、n8nも本番運用に移行させていこうと思います。特に、社内の共有サーバーやSlack、Eメールなどのデータを集約するための手段として活用できるのではないかと思っています。

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