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  • CRM連携をせず、マーケティングオートメーション単体で利用できるか?…

 
国内でのマーケティングオートメーションへの注目が拡大する中、マーケティングオートメーションの「コンセプト理解」から「実際の導入プロジェクトへシフトする企業が増えている
 
マーケティングオートメーションの提案時にクライアントから聞かれる質問も、「マーケティングオートメーションとは何か?」から「どのように始めるべきか?」「どうやって成果を創出すべきか?」というものに変わってきている。
 
そこで、マーケティングオートメーションの提案時によく聞かれる質問を3つ紹介し、それに対する私たちの答えをまとめてみたい。まずは1つ目として以下の質問を取り上げてみる。

よくある質問①:CRM連携をせず、マーケティングオートメーション単体で効果はあるか?

マーケティングオートメーションとは、多くのマーケティングオートメーションツールが、セールスフォースなどとのCRM連携を標準装備している。だが意外なことに、クライアントから受ける質問は「CRMとどう連携するか?」ではなく「CRMなしでも使えるか?」が多い
 
いくつかの理由があるようだ。CRMの利用部門が営業部門であったり、保守運用がIT部門であったり、他部門との連携・調整に時間がかかりそうだ、という理由だ。また、中にはCRMは何年か前から導入しているのに「うまく活用できておらず、連携させる価値がなさそう」という場合も多い。
 

CRM連携をしないのは、成果を出すという意味ではNo

技術的にYesだ。多くのマーケティングオートメーションツールは、CRM同様顧客データを格納でき、Webサイトの訪問情報を紐づけ、リードスコアリングを行える。だが、これはプロジェクトの初期フェーズに行なうものであって、実際にはCRMとの連携なくして成果はでない。理由は2つだ。
 

マーケティングの役割は、1度営業部門にリードが引き渡ってからも重要

BtoB/高関与商材において、1度営業が会っただけですぐ受注できるリードは少ない。

ホットになって商談まで進んだものの、購買するに至らず、再度数ヶ月後・数年後に検討を開始するというケースは多い。

ところが、人的リソースに限りがある営業部門としては、やはり直近受注に近いものから時間を費やす。そのため「また今度」となった案件を追い続けることの優先度が低くなる。来期以降のリードは一旦放っておく、となる。

購買意欲が見られないためフォローを止めてしまった見込客のうち、80%は、2年以内に競合企業から製品を購入している。 -Sirius Decisionsの調査

これは極端な例かもしれない。
 
だが、フォローを止めてから競合に案件を持って行かれた経験を持つ営業マンは少なくない。
 
そこで、営業が受注には至らなかったリードに対して、再度デジタルを活用して継続的な接点を持ったり、掘り起こすことがマーケティングオートメーションの重要な成果となる。そのためにCRM連携は重要だ。
 

ROIの算定なくしてマーケティングオートメーションは効果を証明できない

マーケティングオートメーションツールが高いスコアを示しているリードを営業部門に引き渡せばそれで終わりではない。
 
引き渡したリードがその後「アポがとれたのか」「商談に至ったのか」という結果をフィードバックさせて、どれだけ営業に貢献できたのかを確かめなければマーケティングの成果が測れない。リードがその後どうなったのか?をマーケティングの成果(ROIのRの部分)として計測するためには、CRM内の商談情報と連携している必要がある。
 
以上のような理由から、CRMと連携せずにマーケティングオートメーションを導入しても成果はなかなか得にくいだろう。導入初期フェーズとしてCRM連携を行わずに始めることは良しとしても、CRM連携はいずれ行うべき重要な施策となる。
 
次回は、「マーケティングオートメーションを全て自社運用したいのだが・・・」という質問について考えてみたい。

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