2013年6月27日、米アドビシステムズが仏ネオレーン社の買収を発表した。
アドビシステムズのプレスリリース:米アドビ 、マーケティングソフトのNeolaneを6億ドルで買収
6つ目のソリューションはマルチチャネルでのキャンペーン管理とマーケティングオートメーション
先日行われたAdobe Digital Marketing Forum 2013で、様々な製品群を5つのソリューション分類にリブランディングしたとブログで更新したばかり(解析ソリューションベンダから本格的にマーケティングプラットフォームへと変貌を遂げるAdobe Adobe Digital Marketing Forum 2013レポート)だが、早くも6つ目のソリューションとなりそうな製品の買収のプレスリリースが発表された。
フランスに本社を置くネオレーン(Neolane)社は、オンラインとオフラインのマーケティング活動におけるデータ収集、統合、セグメンテーションを行い、マルチチャネルでのコミュニケーション管理・メッセージングを行うプラットフォームだ。
Web、eメール、ソーシャルメディア、モバイルなどのオンラインチャネルはもちろんのこと、コールセンター、ダイレクトメール、POSなどのオフラインチャネルを含めたキャンペーンの自動化(マーケティングオートメーション)を可能にする。 アドビシステムズ社デジタルマーケティングビジネスユニット担当上級副社長のレンチャー氏は、
と述べており、プレスリリースでも
と、早くも発表された5つのソリューションに新しく加える形で6つ目のソリューションとなることが謳われている。
マルチチャネルでのキャンペーン管理をデジタルチャネルのパーソナライゼーションに
Neolaneの買収によって、Adobe Marketing Cloudには大きく以下の3つの観点で影響がありそうだ。
①オフラインも含めたマーケティングキャンペーンマネジメントが可能に
現状のAdobe Marketing Cloud でもオフラインデータの取り組みや連携は可能とはなっていたが、どちらかと言えばオプショナルな機能との位置づけであった。
Neolaneの買収によって、POSやコールセンターなどデジタル以外のチャネルのキャンペーン管理が可能になり、デジタルの閉じたキャンペーン主体というイメージは徐々に払しょくされていくだろう。
②マーケティングオートメーション機能の拡充
顧客データベースと連携しながら、顧客のレスポンスに応じて自動的にマーケティングキャンペーンが行われる、いわゆるマーケティングオートメーションの機能が大幅に拡充するだろう。
③マルチチャネルのキャンペーン結果をデジタルチャネルのパーソナライゼーションに活用
キャンペーンへの反応などを、オーサリングツールであるAdobe Experience Manager(旧Adobe CQ)などと連携させることで、企業Webサイトのパーソナライゼーションを1つのプラットフォーム上で容易にできるようなるだろう。
ターゲティングから流入、分析・最適化、オーサリングとデジタルマーケティング分野における主要ソリューションを既にカバーしているAdobe Marketing Cloudだが、オフラインを含むキャンペーンマネジメント、オートメーションを加え、さらにプラットフォームとしての可能性を大きくする重要な買収となったと感じる。今後もAdobeの動向に注目していきたい。