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  • 【2024年版】ETLツールのタイプ別特徴とおすすめツール10選を紹介

 
データ活用は、現代の企業にとって欠かせない要素となっています。しかし、複数のシステムやデータソースからデータを収集し、分析可能な形に整えるのは容易ではありません。そこで役立つのがETLツールです。ETLツールは、データの抽出(Extract)、変換(Transform)、格納(Load)を自動化し、データの統合を効率化することで、ビジネスの意思決定を支援します。本記事では、ETLツールの種類、選び方、おすすめの10ツールについて詳しく解説します。データ活用を本格的に進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

ETLツールとは?

ETLツールは、データの抽出(Extract)、変換(Transform)、格納(Load)を自動化する、データ統合に欠かせないツールです。異なるソースからデータを収集し、形式を変換して整え、DWH(データ・ウェアハウス)などのデータベースへ格納します。データの収集、変換、格納を手作業で行うと膨大な手間がかかりますが、ETLツールを使用することでこれらのプロセスを自動化でき、人為的なミスを防ぐことも可能です。また、データの一貫性や品質も保ちやすくなり、データを一元管理することでセキュリティを強化できるのもメリットです。
 
自社のニーズに合ったETLツールを選ぶには、データの種類や件数、必要な変換処理、格納先のシステム、予算などを整理しておく必要があります。加えて、ツールの使いやすさ、パフォーマンス、サポート体制なども確認しておくとよいでしょう。

ETLツールのタイプと特徴

ETLツールにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。ツールを大きく分けると4つのタイプがあり、それぞれの特徴があります。それぞれのタイプの特徴を見ていきましょう。
 

ETL専用タイプ

ETL専用タイプは、データの抽出、変換、格納に特化したツールです。その他の機能は最小限に抑えられているため、ETLに関する機能が充実しているのが特徴です。これらのツールは多くの場合、GUIベースの開発環境を備えており、プログラミングの知識がなくてもETLの設計や開発が可能です。これにより、視覚的なインターフェースで直感的に操作でき、非エンジニアでも容易にETLプロセスを構築できます。


しかし、ETL専用タイプは高度なデータ加工が必要な場合には限界があります。機能が限定的なため、複雑な処理を行う際には別途ツールやカスタムスクリプトを用意する必要があるかもしれません。ETL専用タイプのツールは、シンプルで効率的にETLプロセスを実装したい場合に最適ですが、より複雑な要件に対応するためには他のツールとの併用を検討することが重要です。


 

DWH、BI機能搭載タイプ

DWH(データ・ウェアハウス)やBI(ビジネス・インテリジェンス)の機能を搭載したETLツールは、ETL処理で作成したデータをそのまま分析に活用できるため、データ活用の一貫性を保つことができます。これらのツールはBIツールと簡単に連携できるため、データの可視化やレポーティングもスムーズに行えます。

ただし、ETL以外の機能も充実しているため、これらのツールは高機能で大規模なものになる傾向があります。その結果、導入コストや管理の手間がETL専用ツールに比べて大きくなる可能性があります。


 

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EAIツール搭載タイプ

EAI(エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)ツールの機能を備えたETLツールは、企業の異なるソフトウェア間でデータをやり取りする際に、リアルタイムで連携できる仕組みを持っています。これにより、ETLツールとしての機能を持ちながら、ソフトウェア間の自動連携を実現し、業務の効率化やデータの一元管理に役立ちます。


しかし、EAI機能の実装には高度な専門知識が必要です。また、社内のシステム構成に大きく依存するため、ツールの選定には慎重な検討が求められます。EAI機能を活用することで、多様なシステム間でのデータ連携を円滑に行えますが、そのためには適切なツールの選定と導入計画が不可欠です。


 

オプションサービスタイプ

ETL機能をオプションとして提供しているタイプのツールもあります。たとえば、AWSやAzureは、クラウドサービスの一部としてETL機能を提供しています。このタイプのツールは、元々別の目的で導入したツールにETL機能が付いているため、新たに専用のETLツールを導入する必要がありません。また、既存のツールとの連携も容易です。


ただし、本格的なETLツールに比べると機能が限定的であることが多いです。さらに、これらのツールはクラウドサービスの利用が前提となるため、オンプレミス環境での利用には適していません。そのため、クラウドベースのインフラを前提とする場合にのみ有効な選択肢となります。

ETLツールの選定ポイント

ETLツールを選ぶ際には、タイプの違いだけでなく、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。以下に、選定時にチェックしておきたいポイントを紹介します。 
 

導入する目的を明確にする

ETLツールを導入する目的を明確にすることが大切です。迅速な経営判断を支援するためなのか、マーケティング施策を効率的に実施するためなのか、あるいは業務効率の向上を目指すのか、目的を明確にしなければ適切なツール選定はできません。重視するポイントが明確であれば、それに適したツールに絞り込むことが可能になります。さらに、目的に合わせて将来的な拡張性も考慮しておく必要があります。データ量の増加や新しいデータソースの追加など、将来の変化に柔軟に対応できるツールを選びましょう。
 

自社のデータ形式に対応しているか

自社で扱っているデータ形式にETLツールが対応しているかどうかを確認しましょう。データ形式には、CSV、JSON、XML、RDBMSなど、さまざまな種類があります。対応していないデータ形式があると、別途変換ツールが必要になるなど、余計な手間とコストがかかる可能性があります。
 

豊富な文字コードへの対応

日本語を含むデータを扱う場合は、文字コードにも注意が必要です。シフトJIS、EUC-JP、UTF-8など、さまざまな文字コードがあり、ETLツールがそれらに対応しているかどうかを確認することが重要です。特に古いシステムのデータを扱う際には、シフトJISなどの旧来の文字コードが使用されていることがあり、対応していない文字コードのデータがあると文字化けの原因となります。
 

データの処理速度が速いかどうか

大量のデータを処理する際には、ETLツールの処理速度が非常に重要です。ツールによって、データの読み込み速度、変換速度、書き込み速度に大きな差があります。特にリアルタイムでのデータ処理が必要な場合、高速なツールを選ぶことが不可欠です。処理速度が遅いと、データの確認に時間がかかるだけでなく、システムの応答性が悪化し、業務に支障をきたす可能性があります。
 

ツールの料金が適切かどうか

ETLツールの料金体系は、ツールによってさまざまです。ライセンス料、サポート料、クラウドサービスの利用料など、さまざまな料金が発生します。そのため、予算や利用規模に合った料金体系のツールを選ぶことが重要です。初期費用が安くても、データ量に応じた従量課金制の場合、運用コストが膨らむことがあります。そのため、初期費用だけでなく、データの増加に伴う長期的な運用コストも考慮する必要があります。ツール選定時には、長期的な視点でツールにかかるコストを評価し、総合的な費用対効果を見極めることが重要です。

おすすめのETLツール10選

ここでは、おすすめのETLツール10選を紹介します。それぞれのツールの特徴やタイプを紹介するので、選定のときの参考にしてください。
 

Reckoner(ETL専用タイプ)

ReckonerはTIS株式会社が提供するETLツールです。GUIベースの開発環境を備えており、プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップでETLの設計・開発ができます。多くのデータソースに対応しており、データの暗号化やマスキングなどのセキュリティ機能も充実しています。
 

ASTERIA Warp(EAIツール搭載タイプ)

ASTERIA Warpはアステリア株式会社が提供するデータ連携ツールで、ETLのほかEAIツールも搭載しているのが特徴です。社内のさまざまなシステムの間でデータをやり取りするときに、データ形式の変換や連携をスムーズに行えます。GUIベースの開発環境で、ノーコードでデータ連携を可能にします。
 

Waha! Transformer(DWH、BI機能搭載タイプ)

Waha! Transformerは、株式会社ブレインパッドが提供するツールで、DWHやBIの機能も搭載されており、ETLで処理したデータをそのまま分析に活用できます。特に、BIツールとの連携が簡単に行えるようになっており、データの可視化やレポーティングまでスムーズにできます。
 

Srush(DWH、BI機能搭載タイプ)

Srushは、株式会社インサイトテクノロジーが提供するETLツールで、100種類以上のサービスとデータを連携できるのが強みです。DWH、BIの機能を搭載しており、オールインワンでデータ活用ができます。AIでの分析機能を備えているため、自然言語とで質問、依頼して事業動向の把握ができます。
 

Stitch(オプションサービスタイプ)

Stitchは、Talend社が提供するクラウド型のツールで、多様なクラウドサービスやSaaSアプリケーションとの連携が容易です。また、これらのサービスから、データを抽出・統合できます。主要なクラウドのDWHにデータを格納できるほか、分析ツールで利用しやすいようにデータを構造化します。
 

Precisely Connect(ETL専用タイプ)

Precisely Connectは、Precisely社が提供するETLツールです。自動チューニングによる高性能処理が可能であり、開発者は性能を意識せずに開発できます。また、高速処理に優れており、ベンチマークでは世界最速を樹立しています。シンプルなシステム構成で、保守運用の手間が少ないのもポイントです。
 

AWS Glue(オプションサービスタイプ)

AWS Glueは、Amazon Web Services(AWS)のETLツールで、AWSのクラウドサービスとシームレスに連携し、S3やRedshiftなどのサービスからデータを抽出・統合できます。ドラッグアンドドロップエディタを使ってデータを移動・変換・格納するまでを、自動的にコード生成できるのも特徴です。
 

Azure Data Factory(ETL専用タイプ)

Azure Data Factoryは、Microsoft社が提供するETLサービスで、直感的に操作できるUIを備えているため、ノーコードでの開発が可能です。データのある場所、データ型、データソースなどを意識せず、さまざまなデータを統合できます。従量課金制なので、小規模から始めるのにも適しています。
 

IBM InfoSphere DataStage(ETL専用タイプ)

IBM InfoSphere DataStageは、IBM社が提供するETLツールで、オンプレミスでもクラウドでも導入できる柔軟さがポイントです。ドラッグ&ドロップで操作して、視覚的に構築することが可能です。また、小規模から大規模まで、幅広くデータの統合に対応しているのも強みといえるでしょう。
 

Talend Data Fabric(DWH、BI機能搭載タイプ)

Talend Data Fabricは、Talend社が提供するデータ統合プラットフォームです。マルチクラウド、ハイブリッドクラウド、オンプレミスに対応する柔軟性と、大量のデータの移動に対応できるなど、大規模なデータを扱うのに適しています。高機能なツールを求めているケースでおすすめです。

まとめ

ETLツールは、データ活用の基盤となる重要なツールであり、データの抽出、変換、格納を自動化し、効率的なデータ統合・管理を実現します。しかし、ETLツールにはさまざまなタイプがあり、それぞれに特徴があります。自社のニーズに合ったETLツールを選定することが、データ活用の成否を左右するといっても過言ではありません。
 
ETLツールを選定する際には、まず導入目的を明確にすることが重要です。迅速な経営判断やマーケティング施策の効率化、業務効率向上など、目的に応じた適切なツール選びが求められます。次に、自社のデータ形式や文字コード、処理速度、コストなど、さまざまな観点からツールを評価する必要があります。


ツールの選定には、社内の関係者だけでなく、外部の専門家の意見を参考にすることも有効です。必要に応じて専門家に相談し、最適なツールを選定することで、データ活用の基盤を整えることができます。適切なETLツールの導入は、データ活用の第一歩です。これにより、ビジネスの意思決定の質を高め、競争力の向上につながるでしょう。

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