前回の記事「Zapier×AIで問い合わせ内容を自動判定・営業へ連携!|マーケティング業務の効率化に挑戦」では、フォームから届いた問い合わせをAIが自動で分類し、その結果を営業担当者へ即時に通知する仕組みをご紹介しました。これだけでも業務効率化に大きく貢献しますが、実はまだ“手作業”が残っていました。それが、判定後にCRM(顧客関係管理システム)へ情報を登録する作業です。本記事では、この最後のひと手間を自動化し、問い合わせの判定からCRM入力までを完全に自動化した方法を、具体的な仕組みとあわせてご紹介します。
問い合わせ自動判定から「次のステップ」へ
前回は、ZapierとAIを組み合わせることで問い合わせ内容を自動で判定し、「案件に関する問い合わせ」と「案件以外(営業や売り込みなど)」を切り分け、案件に該当する場合は営業チームへ即時通知するワークフローを構築しました。この仕組みにより、手間のかかる問い合わせ内容の仕分け作業を効率化できました。
しかし、その後のフローではマーケティング担当者や営業担当者が案件管理のためにCRMへ手作業で情報を入力しており、対応の遅れや入力ミスのリスクが残っていました。アンダーワークスでは、マーケティング部門がHubSpot、営業部門がSalesforceを利用しており、それぞれに登録作業が必要でした。

マーケティング部門のHubSpot登録業務
問い合わせを通じてHubSpotに登録されたコンタクトは、「案件」「アライアンス関連」「マーケティング関連」「その他(営業や売り込み)」といった種別に分類されます。案件に関する問い合わせには、今後の施策に活用するため独自のTier分類を付与し、一方で営業や売り込み目的のコンタクトは無効化します。こうした作業は自動化前、マーケティング担当者が新規コンタクトを毎週確認し、手作業で分類やフラグ付けを行っていました。

営業部門のSalesforce登録業務
営業部門では、有効な問い合わせと判断されたリードをSalesforceに登録し、アカウントとの紐付けや商談作成などを通じて案件管理を行っていました。自動化以前は、HubSpot経由で登録されたMQLをコンタクトに格上げし、必要に応じて企業アカウントを新規作成し、さらに商談情報を一件ずつ入力するという複数のステップをすべて手作業で行っており、担当者の大きな負担となっていました。

Zapierを活用したCRM自動登録の仕組みを構築
今回アンダーワークスでは、AIによる問い合わせ判定の後、CRMに情報を自動登録する仕組みを新たに構築しました。これにより、問い合わせ発生からリード情報のCRM登録までがシームレスに自動化され、リード管理や顧客対応をより迅速かつ正確に行えるようになりました。
連携ツール
今回の自動化ワークフローは、以下のツールを連携させて構築しています。
・HubSpot: マーケティング部門が施策管理などに活用しているCRM/MAツール
・Salesforce: 営業部門が案件管理のために利用しているSFA/CRMツール
ワークフロー設計の概要
今回構築したワークフローは、前回の記事でご紹介した「問い合わせの自動判定・通知」の仕組みに続く形で、一連のプロセスとして設計されています。

1.【HubSpot】問い合わせ種別とリード評価をAIが自動入力
フォームから問い合わせが入ると、まずAI(Gemini)がその内容を解析し、「問い合わせ種別(案件、アライアンスなど)」をHubSpotに自動で入力します。案件の場合は、企業の売上規模を調べて独自の「Tier」も付与します。
2.【Salesforce】アカウントの有無を確認し、なければ新規作成
次に、ZapierがSalesforceにアクセスし、問い合わせ元の企業アカウントが存在するかを確認します。アカウントが存在しない場合は、Zapierが自動で新規アカウントを作成します。
3.【Salesforce】MQLをコンタクトへ格上げ
アカウントの準備ができた後、リード(MQL)をコンタクトへ自動で格上げし、アカウントと紐付けます。
4.【Salesforce】AIが商談情報を作成し、登録
最後に、AIが問い合わせ内容から「分類(コンサルティング/ライセンス)」「テーマ」「プロジェクト(国内/グローバル)」「商談名」といった商談作成に必要な必須項目を自動で生成します。受注予定日や見込みランクなどの固定情報とあわせて、Salesforceに新しい商談として登録します。
この一連の流れが、問い合わせ発生から数分以内にすべて自動で完了します。
設計における工夫した点
今回のワークフロー設計で最も工夫した点は、Salesforceの商談作成に必要な必須項目をAIで生成したことです。企業によっては商談作成時に多くの必須項目を設定しており、それが自動化の障壁になるケースがあります。今回の仕組みでは、問い合わせ内容という非構造化データから、AIが文脈を読み取って適切なカテゴリ(分類、テーマなど)を判別し、さらには要約して「商談名」まで生成します。
AIの精度は非常に高く、特に「テーマ」や「プロジェクト」といった選択式の項目は、ほぼ間違いなく適切なものが選ばれていました。AIが生成した「商談名」は、担当者がより具体的に修正することもありますが、ゼロから作成する手間が省けるため、たたき台として十分に機能しています。
このように、「担当者が後から修正すること」を許容範囲とすることで、完全な精度を求めすぎずに自動化のメリットを最大限に引き出すことができました。手作業による初期登録の手間と時間を大幅に削減し、営業担当者が本来注力すべき顧客対応へより早く移行できる体制を整えています。
まとめ
本記事では、ZapierとAIを活用し、問い合わせの自動判定からCRMへの登録までを完全自動化する仕組みをご紹介しました。このワークフローの導入によって、マーケティング担当者や営業担当者が行っていた煩雑な情報登録の手間は不要となり、問い合わせから商談化までの時間が大幅に短縮されました。さらに、手作業に伴う入力ミスや漏れが防止され、データの正確性も向上しています。結果として、担当者は本来注力すべき顧客対応や付加価値の高い業務に集中できるようになり、生産性全体が底上げされました。
一度仕組みを構築すれば、24時間365日、正確かつスピーディーに処理が行われます。定型的な作業に時間を取られ、本来の業務に十分なリソースを割けていないと感じている方は、この事例を参考に「完全自動化」への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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