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100件超の要求を整理し、制作パートナーの選定基準を明確化。コーポレートサイトリニューアルのRFP策定支援

某上場IT企業

背景・課題

事業拡大に伴いコーポレートサイトの全面リニューアルを決定し、RFPによるコンペで制作パートナーを選ぶ方針を固めました。しかし担当の広報部はWeb開発の専門部署ではなく、保守・セキュリティなど技術的な要求の洗い出しや、各社の提案を公平に比較するための基準づくり、関係部署との調整が課題でした。

支援内容

現状分析(Fit & Gap分析)から、100件を超える要求事項の整理と「MUST/WANT/NICE TO HAVE」の3段階での優先度づけ、見積フォーマットと提案評価シートの作成までを一貫して支援しました。アクセシビリティはWCAG 2.2 レベルAAを目標に、段階的な対応方針をRFPに盛り込みました。

成果

約3か月・全12回の定例会で、予定どおりRFP一式の策定を完了しました。予算と実現性を踏まえて要求を整理し、制作パートナー候補各社の提案と見積を共通の基準で比較・評価できる環境を整えました。

業界

情報・通信業

サービスを利用している部署

広報部

基本情報

項目内容
クライアント上場IT企業(社名非公開)
担当部署広報部
対象コーポレートサイト
支援内容RFP(提案依頼書)策定支援
支援期間約3か月
進め方週1回の定例会(全12回)、関係部署へのヒアリング
主な成果物RFP本体、現状課題の整理資料、要求事項一覧(優先度つき)、見積フォーマット、提案評価シート

事例概要

アンダーワークスは、上場IT企業のコーポレートサイトリニューアルに向けて、RFP(提案依頼書)の策定を支援しました。

約3か月で各部署から集まった100件超の要求事項を整理し、「MUST/WANT/NICE TO HAVE」の3段階で優先度を設定。見積フォーマットや提案評価シートも整備し、制作パートナー候補各社の提案を共通の基準で比較・評価できる環境を整えました。

また、アクセシビリティはWCAG 2.2のレベルAAを目標に設定し、段階的な対応と達成状況の公開を前提とした要件をRFPに盛り込みました。

こんな企業におすすめ

  • コーポレートサイトのリニューアルを担当しているが、社内にWeb開発の専門人材が不足している
  • 制作会社の切り替えを検討しており、複数社の提案を公平に比較・選定したい
  • 限られた予算の中で、アクセシビリティやセキュリティなどの要件も盛り込みたい

背景と課題

事業の拡大に伴い、コーポレートサイトの運用・管理に課題が生じていた

クライアント企業では、前回のリニューアル以降、事業領域を拡大してきました。しかし、既存サイトの情報構造は拡張性に乏しく、新たな事業情報を既存の構成に継ぎ足す形で対応していました。

また、表示や構成を少し変えるだけでも改修費用が発生し、更新のタイミングにも制約がありました。コンテンツの確認作業が広報部に集中するほか、アクセス解析の仕組みが不十分で、アクセシビリティも社内基準を満たしていないなど、複数の課題を抱えていました。

専門知識が求められるRFP策定と、関係部署との調整が課題に

こうした状況を受け、クライアントはサイトリニューアルを決定。RFPを作成し、コンペで新たな制作パートナーを選定する方針を固めました。
RFP(Request for Proposal/提案依頼書)とは、発注企業が課題や要求事項、予算、スケジュールなどを整理し、候補企業に提案を依頼するための文書です。

しかし、担当する広報部はWeb開発の専門部署ではなく、策定には主に3つの課題がありました。

  • 技術的な要求の洗い出し: 保守契約やセキュリティ対策など、専門知識がなければ見落としやすいリスクを把握し、要求事項に反映する必要がある
  • 提案の公平な比較: 要求や前提条件が曖昧では、候補企業ごとに提案・見積の範囲が異なり、比較が難しくなる
  • 関係部署との調整: 情報セキュリティ、法務、IR、経理などの要望や条件を収集・整理する必要がある


これらの課題を解決するため、アンダーワークスがRFP策定を支援しました。

支援内容と進め方

現状分析から要求整理、提案評価の仕組みづくりまでを一貫して支援

本プロジェクトでは、RFPの作成だけでなく、制作パートナーの選定に必要な要求事項と評価基準を整えることを目指し、次の4つのステップで支援を進めました。

ステップ主な実施内容
1. 社内情報の収集組織体制、社内規定、運用ルール、システム環境、関係部署の要望を把握
2. 社外情報の収集CMS候補製品の調査、既存制作会社へのヒアリング
3. 現状分析・要求整理Fit & Gap分析による課題抽出、目指すべき運用体制の整理
4. RFP・評価資料の作成RFP本体、見積フォーマット、提案評価シートの作成

現状と目指すべき姿との差を明らかにする「Fit & Gap分析」を活用し、見落とされていたリスクや改善点も抽出しました。

週1回の定例会では修正事項や対応状況を一覧化して進捗を管理。成果物はクライアント指定のテンプレートで作成し、社内報告や承認手続きにも活用できるようにしました。

主な取り組みのポイント

1. 現状分析を通じて、保守・セキュリティなどの潜在的なリスクを明確化

目指すべき運用体制と現状を比較した結果、既存の保守契約では作業範囲が限定され、必要なセキュリティ対策が十分に含まれていない可能性が明らかになりました。また、保守サービスの品質基準も明確に定められていませんでした。

このほか、退職者が写った写真などの掲載期限を管理するルールがないことや、サイト内検索の利用状況を把握できていないことも明らかになりました。こうした課題を踏まえ、次期サイトに必要な機能や運用体制の要求をRFPに反映しました。

2. 100件超の要求に優先順位をつけ、予算内で比較・選定できる仕組みを整備

広報部やIR、サステナビリティ、法務などの関係部署から集まった要求事項は100件を超えました。
一方、今回のコンペでは予算上限を超える提案は選定対象外とする方針でした。すべてを必須条件にすると、予算内で対応できる制作会社が限られ、提案の比較が難しくなります。

そこでアンダーワークスは、要求を単純に削るのではなく、必要性を見極めて次の3段階に分類しました。

優先度定義見積での扱い
MUST(必須)必ず実現すべき要求予算上限内での対応を必須とする
WANT(推奨)予算や費用対効果に応じて採用を検討する要求予算内での実施を目指し、採否を選べるよう個別に見積もる
NICE TO HAVE(任意)余裕があれば実現したい要求予算上限外の追加提案も認める

優先度の判断では、セキュリティ事故や企業の信用低下につながるリスクを重視。保守・セキュリティなど安定運用に必要な要求を「MUST」、コストの大きい表現上の工夫や利便性向上の機能を「WANT」としました。

例えばサイト内検索は、高度な機能ではなく「必要な情報に容易にたどり着けること」を必須とし、実現方法は制作パートナーに委ねました。Cookieの同意管理は「NICE TO HAVE」とし、要件定義の段階で必要性を判断する方針としました。

さらに、リニューアルを複数のフェーズに分けて見積を依頼。各社を共通の区分で比較でき、予算に応じて初期リリースの範囲を判断できるようにしました。

3. WCAG 2.2 レベルAAを目標に、アクセシビリティへの段階的な対応方針を策定

WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)は、Webコンテンツのアクセシビリティに関する国際的なガイドラインで、A・AA・AAAの3つの適合レベルがあります。2024年4月には改正障害者差別解消法により民間事業者の合理的配慮の提供が義務化されましたが、WCAGの特定レベルへの適合が一律に義務づけられたわけではありません。

クライアントは当初レベルAを目標としていましたが、検討を経てレベルAAを目指す方針に変更しました。

ただし、初期リリースからAAの全基準への適合を必須とすると、費用や工数が増え、対応できる制作会社も限られる可能性があります。そこで、AAを目標に掲げつつ、対応範囲や達成時期は要件定義で決定し、段階的に取り組む方針としました。初期リリースではアクセシビリティに配慮した設計・実装を進め、検証と達成状況の公開は後続フェーズで行う計画です。

RFPには、関連法令・JIS規格・WCAG 2.2の関係を整理し、経営層にも説明できる形で記載。さらに、チェックリストによる検証、達成状況を公開するページの作成、公開後の継続的な確認など、作業と成果物を具体化し、候補企業間の解釈のずれを抑えました。

支援成果

100件超の要求を整理し、共通の基準で制作パートナーを比較・選定できる体制を構築

約3か月、全12回の定例会を通じて、予定どおりRFP一式の策定を完了しました。

主な成果は以下のとおりです。

  • 要求事項の整理と優先順位づけ: 100件超の要求を3段階に分類し、予算と実現性を踏まえた一覧を作成
  • 提案・見積の比較基準を統一: 見積フォーマットと提案評価シートを整備し、共通条件で比較・評価できる環境を構築
  • 専門的な要求の抜け漏れを防止: アクセシビリティ、セキュリティ、保守などの要求をRFPに反映
  • 社内での意思決定を支援: 関係部署や経営層への説明資料を整備し、提案評価項目にも「わかりやすさ」を追加


クライアントからは、これだけの内容を短期間で自社だけでまとめるのは難しかった、との評価をいただきました。

アンダーワークスは、現状分析から要求の優先順位づけ、評価基準の策定までを一貫して支援。限られた予算の中で必要な要件を見極め、制作パートナーを公平に比較・選定するための基盤を整えました。

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