ここ最近、マーケティングにおける顧客理解の重要性から、顧客データを継続的に統合管理するデータベースとしてCDP(Customer Data Platform)が注目されています。
本記事では宣伝会議インターネット・マーケティングフォーラム2018の弊社講演より、”CDPにできること”から”実際に導入して活用する場合のポイント”をご紹介します。
CDPの予習・復習には、基礎編のカスタマーデータプラットフォーム(Customer Data Platform、CDP)とは?の記事をご参照いただければと思います。
1、CDPでできることは「収集」「蓄積・統合」「分析」「アクション」
CDPという言葉は耳にしても、実際に何ができるのかイメージがつかない方が多いと思います。一見難しそうですが、押さえるポイントさえ押さえてしまえば理解は早いです。CDPの主な機能は「収集」「蓄積・統合」「分析」「アクション」の4つに分けることができます。
・収集:『Webの行動履歴』や『購買情報』を「収集」する。
・統合:様々なデータソースの情報を1つのデータソースに「統合」する。例えば顧客IDに統合する。
・分析:どのようなセグメントに該当する人なのか、キャンペーン単位の反応等を「分析」する。
・アクション:最終的に分析したセグメントや結果をもとにしてEメール/電話/広告配信等を行う。すなわち「アクション」する
4つの機能それぞれも大事ですが、最も重要なことは取得したデータを途中で途切れさせることなく最終的なアクションまでつなげることです。
2、CDPツールは3つに分類できる
CDPの主な機能が掴めてきたあとに考えたいのは、いくつかあるCDPツールの中でどのツールを選ぶべきか?ということです。
いま世の中にあるCDPツールは大きく3つの種類に分類することができます。
・アセンブリー型
データ収集のリアルタイム性に優れ、タグマネジメントをベースに顧客データ管理へ発展。
・アナリティクス型
元々データベースから派生しているため、データ加工に強みがある。
・CX/CRM型
レコメンドやMA等アクションツールをパーソナライズさせるために発展。施策に強みがある。
各CDPベンダーに応じて得意とする分野が異なるので、CDPツールが良いか悪いかを重視するのではなく、CDPツールが自社の意向に沿った上で良いか悪いかを見つけ出すことが重要です。
3、CDP、データ活用の3つのポイント
CDPの導入が決定し、いよいよどのデータを蓄積させるのかを考え始めたとき、社内に点在しているものを一旦統合することを主目的においてしまうことは危険です。
データを活用する場合の注意点は3つあります。
・データを収集・統合して何がしたいのかしっかり検討
収集の仕方次第ではあとから軌道修正出来ない、もしくは軌道修正に多大な労力・コストがかかることがあります。事前に活用の目的を定めておかないと具体的なアクションに使えないものになってしまうため、起こしたいアクションも考慮した上で活用の目的を定めましょう。
・データの中身を把握する
統合させるデータが何のデータなのかを整理しておかないと、目的に沿ったデータとならない、もしくは非常に乖離してしまう、という可能性があります。統合させるそれぞれのデータの中身を事前に把握しておきましょう。
・特定の担当者に任せすぎない
特定の人に負荷が集中しがちで、顧客データを使ってやりたいことが属人化しなかなかプロジェクトが進まないことがあります。プロジェクトをきちんと立ち上げて、役割分担を行う。進捗もプロジェクトの中で確認していく、といういわゆるプロジェクト型の体制を組み上げましょう。
他のデジタルマーケティングツールやそもそもの考え方と同じく、CDPも最終的な目的・アクションを設定してから導入していかないと、破綻や頓挫することが多々あります。
特に(そうは思っていなくとも)結果的に集めることだけを目的としたCDP構築をしてしまうことがよくある失敗パターンです。
”CDPにおいてできること”から”実際に導入して活用する場合のポイント”をよく考慮して、自社のCDP構築を行って貰えれば幸いです。