前回の記事「マーケティング部門のテクノロジー投資は売上の3.2% – 2017年にIT部門のテクノロジー投資を上回る見込み」では、マーケティング部門のテクノロジー投資が大きく増加しており、2017年にもIT部門のテクノロジー投資を上回るというガートナーの調査レポートを紹介した。
それによると、マーケティング部門の予算の約27%がテクノロジー投資になっている。では、その内訳はどうなっているのか。
予算の約4割がSaaS型アプリケーション
ガートナーの調査によれば、マーケティング部門のテクノロジー投資は5つに大別されている。内訳は以下の通り。
・インフラ:23%
・マーケティングアプリケーションの導入
・実行のための外部サービス:21%
・SaaS型マーケティングアプリケーション:20%
・SaaS型分析アプリケーション:19%
・IT部門からのクロスチャージ:17%
まず着目したいのが、テクノロジー投資の約4割(39%)がSaaS型アプリケーションに投じられていることだ。そして、マーケティングアプリケーションと分析アプリケーションへの投資がほぼ同額なことだろう。クラウドのWebサービスが前提となっている上に、分析を重視していることがうかがえる。
インフラ投資(23%)が最大という意外性
次に、インフラ投資が最も大きい割合となっていることだ。
IT部門からのクロスチャージを、IT部門が立て替えて出費している費用の付け替えだと理解すると、こちらもインフラに近い費用と考えることもできるかもしれない。いずれにしても、マーケティング部門の予算の大きな割合が、インフラに投資されていることが読み取れる。
マーケティング部門のIT予算からの独立、そしてCMTの必要性
ガートナー社はこうした調査結果を受けて「これは、IaaSの爆発的な普及により、マーケティング部門のIT予算からの独立であり、インフラを資産とする伝統的な考え方から脱却だ。」と述べている。
また同様に「マーケティング部門は今や顧客接点・収益増加に関わるシステムとアプリケーションに対して責任を持つ立場だ。そしてそれは、もしまだであれば、CMT(チーフマーケティングテクノロジスト)の役職を設置し、まだまだ増加するテクノロジー領域を管轄すべきだ」と述べている。