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  • Marketoにおける収益サイクルモデラを活用したシナリオ設計のポイント

 
Marketoといえば、2017年のGartner Magic Quadrant for CRM Lead Management部門でOracle Eloquaに並ぶ最も高い評価のLeaderを獲得した代表的なマーケティングオートメーションツールですが、MarketoにはOracle EloquaやSalesforce Pardotにはない仕組みがあります。それは収益サイクルモデラ育成プログラムを利用したリードナーチャリングのオートメーション化です。

ところで本当にマーケティングをオートメーション化していますか?

なぜリードナーチャリングのオートメーション化が重要かというと、文字通りMAはマーケティングをオートメーション化するツールだからです。

よくありがちなMAの使い方としては、資料ダウンロード(ランディングページでフォーム入力)からのリード獲得、イベントや展示会の集客、メルマガなどのメール一斉送信などが挙げられます。これらは確かに重要ですが部分的な最適化とオートメーション化にすぎず、マーケティングファネル全体のリードをステージ毎に戦略的に育成しているとは言えません。

収益サイクルモデラを利用したリードのステージ管理

Marketoではリードを収益ステージ毎に管理することが可能です。例えば、MCL(Marketing Collected Leads)、MEL(Marketing Engaged Leads)、MQL(Marketing Qualified Leads)、SAL(Sales Accepted Leads)、SQL(Sales Qualified Leads)、Customer(受注)とリードの収益ステージを分けて管理することです。

ビジネスモデルによって収益ステージの名称や分け方は異なると思いますが、基本的な考え方としてはリードを収益ステージ毎に数字で可視化することに違いはありません。
 

収益サイクルモデラ
収益サイクルモデラ

育成プログラムで収益ステージ毎のコミュニケーションシナリオを設計

収益ステージ毎にリードが管理できると何ができるかというと、育成プログラムによるリードナーチャリングのオートメーション化です。育成プログラムとはステージ毎に管理されたリードに対して事前に設計したシナリオに沿ってメールを配信するプログラムのことです。メール配信は配信間隔、配信時間、曜日などが調整することも可能です。
 

育成プログラム
育成プログラム

シナリオを設計してみる

まず、前提としてB2B向けの産業機器メーカーとしてシナリオを設計します。

MCLに対してどういうコミュニケーションを取るべきか考えてみましょう。MCLは展示会やイベントで名刺交換したばかりで自社の製品やサービスに興味を持っているとします。どうすればMCLに自社製品やサービスについて更に興味をもってもらえるか。例えば、MCLに製品やサービスの紹介コンテンツを案内して、より興味を深めてもらうことも考えられます。

MELの場合はどうでしょう。すでにリードの行動がトラッキングできている状態で送信したメールが開封され、製品・サービスページを複数回閲覧して、問い合わせフォームも一度訪問していてスコアが上がっている状況です。ここでは、同業他社の導入事例コンテンツを案内して製品導入後の成功をイメージしてもらうのも一つです。

では、MQLの場合は。例えば製品の無料サンプルの送付の案内を送ることが考えられます。実際に製品サンプルの案内から申し込みがあればSALに収益ステージを変更して営業がフォローアップしていく流れが自然ではないでしょうか。

シナリオ設計で注意したい点

ここで重要な点はステージ毎のシナリオは営業活動に精通していないマーケティング部門だけで設計するのではなく、現場を知っている営業部門に協力してもらい、リードに刺さるシナリオを設計することが大切です。特に製品ライフサイクルが異なる商品を複数提供している場合は育成プログラムを分けてシナリオを設計して、リードとのコミュニケーション頻度と内容を最適化することが大切です。

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