BtoBマーケティングにおける一種のバズワードとして、アカウントベースドマーケティング(以下ABM)が広まりを見せ、非常に注目されました。ABMはトレンドに留まらず、一定の市民権を得ることが出来ましたが、その本質を捉えられていますか?

MAツールベンダーや企業データベースベンダーの製品紹介や書籍・記事で様々な「ABM」の捉え方、定義や事例が数多く世に公開されているため「結局ABMとは何なのか?」と混乱を招いている方も多いのではと感じています。
そんな混乱の解消に役立てるため、本記事では「ABM Certification」という資格についてご紹介します。この資格は教科書的にABM戦略の体系を学ぶことが出来る資格だと考えています。

ABM Certificationとは?

Foundation、Advanced、Expertの3段階のレベルがあるのですが、今回紹介するものは、導入編にあたるFoundationの内容です。まずは概要から紹介します。

提供会社:米国Demandbase社(https://www.demandbase.com/)
提供内容:Eラーニング+試験
言語:英語
費用:349ドル(2018年12月現在)

Demandbase社のWebサイトからチケットを購入すると、専用のEラーニングサイトにアクセスが出来るようになります。そのサイトで全6章のEラーニングを受講し、全てのEラーニングの受講を終えることで、最終試験問題がアンロックされます。最終試験に合格するとFoundationの資格と資格証が授与されます。

Demandbase社はツールベンダーの内の1社です。しかし、ABMの普及を目指してか、このプログラムにおいては同社製品の利用を前提にした内容は一切出てきません。ABMの歴史やメリット、営業とマーケティングが密に連携するための具体的な取り組みステップ、KPI測定のベストプラクティスなど、ABMを実施するために必要なことが、戦略から実行フェーズまで、総合的な考え方を捉えられる内容になっています。

Demandbase社は2018年2QのForresterの調査でもABM Platformsの分野を牽引するツールベンダーですので、グローバル最先端のABMのナレッジが詰まっていると考えて良いでしょう。 (もちろんベンダーとしてのポジショントークの側面もあるかもしれませんので、Eラーニング受講中にそういった面がないかを探してみるのも一興です。)

(参考:The Forrester New Wave™: ABM Platforms, Q2 2018)

プログラムは全6章で構成

Demandbaseが提唱するABM Maturity Modelに従った内容が、全6章にまとめられています。ABMの代表例として「ターゲットリストの構築」「企業軸での効果測定」「企業に絞ったナーチャリング」などがあると思いますが、それらはABM戦略を構成する1要素でしか無いことに注意してください。

各章ごとに個別の取組のフレームワーク、考え方や事例を通してABMについて学習できます。

1 – ABM Foundations(ABMの考え方や歴史)

2 – Sales and Marketing Alignment(営業部門とマーケティング部門連携の推進)

3 – Building Your Target Account List(ターゲットリストの構築)

4 – Marketing Within an ABM Environment(ABMマーケティングプログラムの検討)

5 – Measurements, Metrics and KPIs(効果測定の指標と比較基準)

6 – Technology to Help with Your ABM Strategy(ABMにおけるテクノロジー活用)

 (参考:The ABM Maturity Model: 4 Keys To High-Performing Account-Based Marketing)

上記の6章のEラーニングを受けると、いよいよ最終試験の受験が可能です。試験は実際のABMの推進現場に置かれた担当者の立場になり、このような局面、状況になったらどのように思考・行動するのがベストかというケーススタディ問題が多く出題されます。なお、60分で全31問。一問辺り2分も使えないという比較的ハードルが高いテストになります。また、用語の意味を確認する暗記問題のようなものはほぼありません。

問題は、例えば以下のようなものです。(実際の問題ではなく、あくまでイメージです)

・あなたはABMマネージャーです。A拠点で実施している、ホワイトスペースターゲットからのリード獲得を目的としたマーケティングプログラムのテストが1ヶ月を過ぎた。効果測定を実施する場合、まずは指標として何を確認するべきか?

・上記プログラムにおいて獲得リード数が想定よりも少ないことがわかった。しかし、Webへの誘致は上手く行っており、ターゲットリストの60%はWebに来訪済みである。次の打ち手としては何を実施すると効果的か?

上記にようなケーススタディが31問続くため、とても頭を使います。ですがABMの実践イメージが湧くプログラムの締めにはふさわしい(かつ面白い!)内容になっています。

合格すると、認定証が発行されLinkedinの専用コミュニティにも参加ができます。少し前にコミュニティを覗いてみたときには、日本人で合格したメンバーは弊社の人間くらいしかいませんでした。まだまだ希少性は非常に高いと考えます。 

グローバルでの最先端ABMを学ぼう

いかがでしたでしょうか?今回は「ABMに関する資格」という日本にはまだ存在しない珍しい内容を紹介しました。全て英語、かつ安価な内容ではないですし、米国の事例をそのまま日本にロールアウト出来るかという懸念はあるでしょう。しかし、グローバルでの最先端のABMを学ぶには良い機会になることは間違いありません。弊社では、現在4名がFoundationの資格を取得しています(一部メンバーは英語のトレーニングも兼ねていました!)。

「そうは言ってもいきなりトレーニングを受けるのは不安!」という方には、個別に内容を案内することも可能ですので、弊社フォームから気軽にお問い合わせください。

また、このトレーニングのエッセンスや弊社の知見を取り入れたABM関連のセミナーも随時開催しておりますので、こちらもぜひご参加ください。

そして、デジタルマーケティング関連資格をまとめた記事もありますので、自身のスキルを証明するためにも参考にしてもらえればと思います。

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