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マーケティングオートメーションとは、顧客データとWeb訪問データ、営業活動データ、Eメール配信データなどを統合管理し、主にEメールを通じてデジタル顧客接点を最適化(育成)し、マーケティングの効果を向上させようという考え方・取り組みです。
 
この記事の目次:
 
1.マーケティングオートメーションでできること
2.マーケティングオートメションツールの比較
3.マーケティングオートメーションツールの機能
4.マーケティングオートメーションの費用

マーケティングオートメーションでできること

特にマーケティングオートメーションの中核となるのは、メールアドレスを獲得している潜在顧客に対して、顧客の興味関心や購買ステージに応じてメール配信を行い「リードの育成(リードナーチャリング)」を行うこと、「スコアリング」を行って十分に確度が高く購買につながる可能性が高いリードを特定して営業部門に引き渡す、という部分です。

こうしたことを実現するプラットフォームになるのがマーケティングオートメーションツールです。

マーケティングオートメーションツールの比較

マーケティングオートメーションツールは、米国ではすでに200社以上の選択肢があると言われています。近年は国産のツールもでてきています。以下に主要なマーケティングオートメーションツールを紹介します。
 

Eloqua / エロクア (オラクル)

Eloquaはオラクル社のOracle Marketing Cloudの1つで、カナダのEloqua社をオラクルが2012年に買収しました。マーケティングオートメーションツールの中では最も高機能で、主に大手企業に採用されています。全世界で2000社以上の実績があり、国内でも100社以上が利用していると言われています。
 

Marketo /マルケト (マルケト)

Marketoは、マルケト社が提供するマーケティングオートメーションツールで、現在最も知名度の高いマーケティングオートメーションツールだと言っても良いと思います。主にベンチャー企業から中堅企業に採用されており、国内でも300社以上の利用実績があると言われています。
 

Pardot /パードット (セールスフォース)

Pardotは、セールスフォース社によって買収されたマーケティングオートメーションツールで、現在はSalesforce Marketing Cloudのラインナップに入っています。主に、スタートアップから中小企業に採用されています。
 

BDash /ビーダッシュ (フロムスクラッチ)

BDashは、国産のマーケティングオートメーションツールで、AI人工知能などの機能やマーケティングプラットフォームの機能が評価されているツールです。大手企業からECサイトまで幅広い業態で採用されています。
 

その他

オンプレミス型のマーケティングオートメーションとしては、SAS、Adobe、IBMなどがマーケティングオートメーションツールを販売されており、大手企業で採用されることが多いようです。クラウド利用が厳しく管理される銀行などでの採用も多いと考えられます。

マーケティングオートメーションツールの機能

マーケティングオートメーションの考え方では、デジタル接点の最適化に際して「データの統合」「柔軟なセグメンテーション」「キャンペーン管理と自動実行」「スコアリング」「CRM連携」という5つのテーマが重要となります。
 

データの統合

マーケティングオートメーションツールは、既存のEメール配信ツールをリプレイスします。

したがって当然リードのEメールアドレスを始め、氏名や会社名などリードから取得したデモグラフィック情報が格納されます。また各種メールマガジンの許諾情報、Eメール配信履歴、開封履歴、クリック履歴などもデータとして格納されます。

多くのマーケティングオートメーションツールは、自社Webサイトへの訪問履歴もデータとして蓄積します。(Google Analyticsと同じようなイメージでアクセス履歴を保持します)

クッキーを利用してリードのEメールアドレスとWebの訪問履歴を統合して、誰がいつどのページをみているのかを可視化することができます。また、Webフォームの送信履歴やキャンペーン情報などもツール内に一元化します。

さらに、Eloquaなどのエンタープライズ向けのマーケティングオートメーションツールでは、問い合わせデータやアンケートデータ、CRMの商談データなどの様々なデータを格納し、Eメールアドレスと紐付けて管理することができます。
 

柔軟なセグメンテーション

上記の「データ統合」によって様々なデータが格納されると、それらを活用して柔軟なセグメンテーションが可能になります。

通常Eメール配信時には全くセグメントせず全員に一斉配信するか、セグメントできても基礎的なもの(例えば性別や都道府県など)に限られます。

マーケティングオートメーションツールを使えば、「最近1ヶ月に商品ページを2回以上訪問した人」や「過去に商談履歴があったものの受注に至っておらず、かつ、半年以内にEメールを開封した人」といった動的なセグメントを簡単に作ることができます。

これにより、顧客の興味関心や購入ステージに応じたEメール配信を行うことが可能になります。
 

キャンペーン管理と自動実行

マーケティングオートメーションツールを使えば、単発のEメール配信だけでなく、一連のEメール配信プロセスを1つのキャンペーンとして一括で管理・実行が可能になります。

例えば、自社セミナーへの集客Eメールであれば、
 
・セミナー開催日の3週間前にターゲットに告知メール配信
・セミナー開催日の2週間前に上記メールを開封したが申し込んでない人にプッシュメール
・セミナー開催日の1週間前に(すでに参加申し込みした人を除き)残席お知らせメール
・セミナー前日に、申し込みをした人に参加を促すリマインドメール
 
といった一連のEメール送信をプログラム化できます。ほとんどのツールで、「キャンペーンキャンバス」画面からドラッグアンドドロップで作成が可能です。
 
こうしたキャンペーンは、単に時間をおいてメールを配信するのではなく「配信直前までの間にすでに申し込みが完了しているか?」「過去のEメールを開封したか?」といったデータを参照し、自動的にセグメントを更新してくれます。
 
また「トリガーメール」のような施策も簡単に実行できます。「役職が部長以上」の人が「価格ページ」を訪問したら、「その3日後にプッシュメールを配信」といったプログラムを作っておき、自動的にプッシュメールが流れるようなキャンペーンも作成できます。
 

スコアリング

4つ目にスコアリングです。スコアリングは、営業に渡すべきホットリードを絞り込むために使われます。

たくさんのリードのなかから、「誰が最も購入の確率が高いか?」を日々抽出する作業は大変な業務負荷です。また、購買のタイミングは非常に重要ですので、抽出に何日もかけていては営業アプローチのタイミングを逸してしまいます。

マーケティングオートメーションに特定の「スコアリングロジック」を設定しておけば、毎日(もしくは毎時)ツールがリードを評価し点数化し、営業アプローチをすべき対象を抽出してくれるようになります。

例えば以下のようなスコアリングロジックが考えられます。

・企業規模(年商)が100億円以上
・部門が情報システム部門
・役職が課長以上
・過去半年以内に自社セミナーに参加
・過去2週間以内にWebサイトを訪問

上記の条件をクリアしたリードのみをホットリードとすることもできますし、重み付けを行って、S/A/B/Cのような段階評価をすることもできます。
 

CRM連携

最後にCRM連携です。ここでいうCRMは、セールスフォース社やマイクロソフト社などの提供しているSFA(Salesforce Automation)ツールを指します

4つ目の「スコアリング」で抽出し、営業に引き渡したリードはその後CRM上で商談管理がされていくのが一般的です。

営業マンが訪問履歴を残したり、商談を作成し確度や金額、商談ステージなどを管理するはずです。最終的には、その商談が受注したか失注したかのフラグで完了することになります。

こうした商談情報は、マーケティングに非常に重要な情報ですが、マーケティングオートメーションツールとCRMの連携ができていないと属人的に共有する以外の方法がありません。

マーケティングオートメーションツールは、こうしたCRMの中にある商談情報を、API経由で連携させ、数時間おきに同期することが可能です。

これにより、

・営業が提案中のリードに対してEメール配信はしない(邪魔しない)
・受注してから一定期間後にクロスセルのメールを自動配信
・失注した場合には、一定期間後に再度マーケティング開始

といったことが実現でき、営業活動と連携したデジタルマーケティングを推進し、マーケティングの売上貢献を最大化することにつながります。

マーケティングオートメーションの費用

マーケティングオートメーション導入費用を考えるときに、検討すべき項目は以下のようなものです。

・ツールの利用料(ライセンス費用)と保守費用
・ツールの初期導入・設定費用
・Eメール配信従量課金
・Webページへの訪問数(PVに応じた従量課金)
・その他オプション(ドメイン数や暗号化オプションなど)

ツールによって課金形態は様々ですが、通常、クラウド型のマーケティングオートメーションはEメールの数(リードの数)による従量課金となっている場合が多いようです。

関連サービス:Eloqua導入

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