2019年7月9日-11日に香港で開催された「RISE2019カンファレンス」に参加しています。現在2日目が終わるところですが、現地の様子をレポートしたいと思います。
アジア最大のテクノロジーイベントRISE
RISEは、香港で開催される、アジア最大とも言われるテクノロジーイベント。世界最大のテクノロジーイベントと言われるWebSummit(毎年ポルトガルで開催)のアジア版として位置づけられ、今年で5回目の開催になります。
昨年に引き続き会場は、香港会議展覧中心(HKCEC)。100以上の国と地域から、15,000人以上の参加者がRISEに参加しています。
RISEの特徴は多様性とコミュニティ・ネットワーキング
RISEの特徴は、なんと言ってもスタートアップと投資家との新たな出会いの場・コミュニティとなっているところだと思います。そして、特定のテーマや企業規模にとらわれず、多様な参加者が一堂に会しているところでしょう。
他のデジタルマーケティング・テクノロジーイベントと異なり、大手ベンダーと利用者企業とのマッチングだけではなく、多様な人々が参加し、ネットワーキングされていくところが最大の特徴です。
香港・中国を中心に多くのスタートアップ企業、それもAI・ロボット・マーケティング/クリエティブ・モビリティ・フィンテックなど様々なスタートアップが参加し、ブース展示・講演・ピッチを行い、未来をどう変えていくのか、という話で会場が盛り上がります。
もちろん、大手企業のエグゼクティブやマーケティング担当が自社取り組みを事 例の講演を行いますし、インフラの巨人Amazonがブースを出していたりと通常のテクノロジー・デジタルマーケティングイベントで見られるような光景もあります。サービス側では、マッキンゼーやキャップジェミニなどのコンサルファーム、マーケティングテクノロジーでは、CDPのSegmentなどの参加者もいます。
特に興味深かったのは、航空会社のキャセイ・パシフィックがメインスポンサーとなっており、会場中心に大きなブースを出していたところでしょうか。キャセイ・パシフィックがホストしているハッカソンなども行っており、航空事業とスタートアップ・テクノロジーとのコンビネーションは、まさにRISEの特徴をよく表していると感じます。
また、NightSummitと呼ばれる夜のイベントも特徴的です。NightSummitは期間中夜8時から、香港で最もクラブやバーが集まる繁華街、ランカイフォンに場所を移し、クラブやバーを借り切って行われます。今年は、BungalowとSolasというクラブ・バーを貸し切りにし、お店から人が溢れ出るほどの賑わいが深夜まで続いていました。
デジタルマーケティング、マーケティングテクノロジーに関するセッションも数多く開催
沢山の講演やピッチが行われている中、デジタルマーケティングに関連する、気になったセッションの様子を抜粋してみます。
RISEの一日目は、センターステージと呼ばれるメイン会場で、WebSummit CEOのPaddy Cosgrave氏から始まります。RISEの前に日本などを訪問して来たCosgrave氏が、中国のスタートアップ・テクノロジーの台頭が加速していることを、改めて語っていました。同時に、日本については、「かつてのテクノロジー大国であり、眠れる獅子。復活を期待している」と述べていたことに、我々はずいぶん置いていかれてしまっているのだな、と深く感じざるを得ませんでした。
その後センターステージでは、資生堂の代表取締役魚谷氏による資生堂のグローバルデジタル戦略のセッション、ハイネケンのチーフコマーシャルオフィサーのJessica Spence氏による「広告に依存しない新たなキャンペーン=おそらく世界で最も成功した広告キャンペーン」と題された講演などが続きます。
スタートアップ関係者だけでなく、デジタルマーケティングに従事している人にとっても価値あるセッションが盛りだくさんのRISE。香港は、東京から4時間で来れる場所ですし、海外のマーケティングカンファレンスに関心がある方なら一度参加してみることをお勧めしたいと思います。
RISE の公式Webサイト https://riseconf.com/