ガートナー社が最近公表した、CMOへの予算に関する調査「CMO Spend Survey 2016-2017」によれば、2017年にはマーケティング部門のマーケティングテクノロジー投資が、IT部門のテクノロジー投資を上回る見通しとなっている。
ガートナー社は、今から5年も前の2012年に「2017年には、マーケティング部門のテクノロジー投資がIT部門のそれを上回るだろう」との予測を発表している。今回の調査は、それがぴたりと当たりそうだ、ということを裏付けている。
もう少し具体的に調査データを見てみたい。
マーケティング予算は売上の12%
企業がマーケティングに割り当てる予算は、昨年に続いて上昇し、企業収益(売上)の約12%になっている。ガートナー社の別の調査によれば、2014年のマーケティング予算は、売上の10.2%と推定されている。安定的に伸びてはいるものの、収益全体に占めるマーケティング予算配分は微増といったところだ。
マーケティング予算の27%をテクノロジーに投資
ではマーケティング予算の内訳はどうなっているか。調査によれば、マーケティング予算全体の27%がテクノロジー投資となっている。テクノロジー投資には、人件費(予算の28%)、サービス(22%)、広告(22%)などは含まれていない。
マーケティング部門のテクノロジー投資は売上の3.2%
これらを掛け合わせると、マーケティング部門のテクノロジー投資の割合がわかる。売上の12%のマーケティング予算 x マーケティング予算の27%のテクノロジー投資、すなわち売上の3.2%がマーケテイング部門のテクノロジー投資となる。
一方のIT部門のテクノロジー投資は企業収益の約3.4%。したがって、現時点で売上に対するマーケティング部門のテクノロジー投資とIT部門のテクノロジー投資はほぼ同じ、もしくは若干IT部門が大きいという状態である。
伸び率で見ると4倍の差 – 2017年にはマーケティング部門のテクノロジー投資がIT部門のテクノロジー投資を上回る
逆転はいつ起きるのか?それが2017年だと予測される理由は両者の成長率の大きな違いだ。IT部門のテクノロジー投資の伸び率が3.1%なのに対して、マーケティング部門のテクノロジー投資の伸び率は12%となっており、4倍もの差がある。
したがって、2017年にも同様の伸び率が続くという仮定すれば、2017年のマーケティング部門・IT部門のテクノロジー投資は以下のように逆転するだろう。
・マーケティング部門のテクノロジー投資:3.58%(3.2% で伸び率12%)
・IT部門のテクノロジー投資:3.51%(3.4%で伸び率3.1%)
今回のガートナー社の調査は、売上250億円以上の企業、約400社弱のみを対象とした調査であり、今後より正確な調査が望まれるところである。ただし、ここ数年のマーケティング部門のテクノロジー投資のトレンドを先読みするのには非常に示唆に富むものとなっている。