アジア初のTealium イベント DIGITAL VELOCITY 2016
2016年11月14日、明治記念館において開催された Tealium DIGITAL VELOCITY 2016。マーケティングテクノロジーベンダーTealium社のイベントとしては、アジアパシフィックで初めての開催となったDIGITAL VELOCITYに参加してきました。
Tealiumは、2008年にサンディエゴで創業されたマーケティングテクノロジーベンダーです。エンタープライズ向けタグマネジメントソリューションの提供から始まり、現在では、単にタグを管理するだけでなく、タグを基点に取得できる様々なデータを一元管理でき、「リアルタイム・データ・マネジメント」という分野で大変注目されているテクノロジーです。日本には、2014年に進出、昨年10月より本格的な営業活動を開始しています。
月曜日の午後という時間帯ながら、300名の会場はほぼ満席。イベントへの申し込みも早々に締め切られたというほど非常に注目度の高いイベントとなりました。
イベントは、講演セッションを中心に行われ、冒頭にTealium Inc CEOのJeff Lunsford氏、アジアパシフィック担当ジェネラルマネージャーのAndy Clark氏によるオープニングセッション。Andy Clark氏は日本在住経験が20年あるとのことで、非常に流暢な日本語を披露してくれます。
続いての基調講演は、デジタル·アドバタイジング·コンソーシアム株式会社 取締役専務執行役員CMO徳久 昭彦氏。DMPを活用した広告最適化、位置情報の活用、IoTにおける重要性などの講演でした。
爆発的に普及するマーテク 多くの企業が平均して20以上のマーテクを利用している
Tealium Inc CTOのMichael Anderson氏によるTealiumの概要とロードマップでは、マーケティングテクノロジーの爆発的な普及、テクノロジーとデータの連携の重要性などが語られます。
「現時点でほとんどの企業が20以上のマーケティングテクノロジーを活用しており、これらを連携できないことがクリティカルな課題になっている」とMichael Anderson氏。
国内でも、複数のマーケティングテクノロジーを活用することは当たり前になっていますが、20以上のテクノロジーを既に使っている企業はあまり見られないのではないでしょうか。日本の5年、10年先を行くという言われる米国のデジタルマーケティング業界ですが、今後の日本企業の方向性を示唆していると考えることもできます。
ますます複雑化する顧客データの一元化の難しさ
イベント後半は、電通デジタル有園氏がモデレーターをつとめる業界識者と広告主企業によるパネルディスカッション。弊社アンダーワークス代表の田島、TISの秋野氏、DOMOの川崎氏、電通デジタル高野氏、ANAの永山氏による、「クッキーを含めた顧客データ一元化の難しさ」「パーソナライゼーションの重要性」などのディスカッションが行われました。大変な盛り上がりで、急遽時間を延長する運びに。
また、事業会社からは、ソニーマーケティング、ソフトバンクなどのデジタルマーケティング担当の方から、デジタルマーケティングへの取り組みの事例も講演がありました。位置データ・Eメール開封データ・A/Bテスト結果データなど、いわゆる非構造化データを活用したマーケティングの重要性が共通して強調されていました。

最後に、先月より日本カントリーマネージャーとして代表に就任した安藤氏より総括。日本での本格的な普及を見据えて、エンタープライズ領域において実績豊富な安藤氏から、Tealiumの日本での活動を加速させていくと力強く語られました。
マーケティングオートメーション、CRM、分析ツール、BIツール、DMPと様々なマーケティングテクノロジーが普及していくなか、Tealiumのようなデータ連携のハブとなるテクノロジーがより一層高い価値を創出する時代になりつつあることが実感できた1日でした。