• ABM
  • Webサイト構築
  • デジタルマーケティング戦略立案

最終目標は社内のデジタル人材育成。積水化学工業が取り組むマーケティングのDX

  • 化学
積水化学工業株式会社
化学
背景・課題・社内の顧客の属性データや行動データを収集・統合・分析する
・CDPを導入・構築して収集したデータを利活用する
支援内容・Webサイトリニューアル
(全体のフローや写真の位置・画像の構図・オブジェクトなど、細部のデザイン、ワーディングにこだわって作成)
成果・計6カ国の出身者で構成されたグローバルチームを編成できた
・フレキシブル且つグローバル対応が可能になった(グローバルマーケティングの実施)
・デジタルマーケティングの取り組みが強化された
業界樹脂加工メーカー(化学)
サービスを利用している部署(主な職種)SEKISUI S-LEC B.V. Marketing Department
支援サービスABM、Webサイト構築、デジタルマーケティング戦略立案

住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス等、多様な事業を展開する積水化学工業。今回、中間膜と呼ばれる合わせガラスに用いられる特殊樹脂フィルムを扱う中間膜事業部がWebサイトを全面的にリニューアルしました。本サイトを基点にグローバル展開におけるデジタルマーケティングを推進する藤岡氏と、取り組みをサポートするアンダーワークスのメンバーにプロジェクトについて伺いました。(2022年4月時点)

(左から)
SEKISUI S-LEC B.V. Marketing Department Marketing Manager 藤岡 翔氏
アンダーワークス マネージング・ディレクター 田口 裕
アンダーワークス コンサルティング事業本部 シニアコンサルタント リチャード ジョン グッジャー

コロナ禍でBtoB事業でもWeb起点マーケティングが重要に

 
──現在、藤岡さんはオランダに赴任し、ヨーロッパ域内におけるマーケティングの責任者を務めていらっしゃいます。現在の担務領域について教えてください。
 
藤岡:当社は住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックス、メディカル事業など多岐にわたる製品やサービスを提供しています。そのなかで、私は高機能プラスチックスカンパニーの中間膜事業の一員としてオランダに駐在し、中間膜のマーケティングを担当しています。中間膜とは合わせガラスに用いられる特殊樹脂フィルムのことです。合わせガラスは、2枚のガラスの間に中間膜を挟み込む形で製造されます。
 
当社の中間膜は、ガラスが割れることによる破片の飛散を最小限に抑えられるなどの安全性だけでなく、遮音、遮熱などのさまざまな機能を付与することができ、フロントガラスからサイド、リア、サンルーフへと用途が拡大。世界の自動車市場で大きな存在感を示しています。また自動車だけでなく、建築用合わせガラスも主要な用途であり、世界的に需要が拡がっています。
 
 
──藤岡さんはマーケティングにおけるデジタル活用を重視し、その一環としてWebサイトのリニューアルを実施されたと伺っています。
 
藤岡:10年近く前から、重要という認識があり、企画は始めていました。その後、まだ日本にいた2020年の後半頃から、デジタルを活用したマーケティングの企画が本格的に開始となり、そこでアンダーワークスさんとも知り合いました。
 
先述のように私は、当社の事業にはデジタルマーケティングが必要だと考えてはいましたが、なかなか事業課題に直結せず、動き出せなかったという経緯がありました。しかしコロナ禍になり、展示会のようなリアルな接点が失われるなど、当社のクライアントであるガラスメーカーの方々に直接の提案ができなくなりました。必然的にデジタル化が必要であるという機運となり、Webを基点としたマーケティングの必要性が高まったのです。
 
パートナー企業を探すことになったのですが、複数の候補からアンダーワークスさんを選択した理由は、フレキシブルでかつグローバル対応ができることでした。今回のWebサイトリニューアルのオペレーションでは、両社で計6カ国の出身者で構成されたグローバルチームが編成され、満足な対応と成果が得られました。

リニューアル後のWebサイト。ディテールまでデザイン、ワーディングにこだわって作成された。


──アンダーワークスはプロジェクトにどうかかわってきたのでしょうか?

田口:マテリアル系の事業を展開されている中間膜事業部さんのビジネスモデルは、BtoBというよりBtoBtoB。前段階にガラスメーカーが入り、最終製品が自動車や建築に使われます。これまでも、BtoB企業のグローバルマーケティングをご支援する機会は多くありましたが、BtoBtoBという商流は私たちにとっても新たなチャレンジになりました。

商流の特殊性がある一方で、中間膜という付加価値が高い商材においてはサービス、お取引の窓口、クライアント企業の数が絞られます。そう考えると、私たちがここ数年、活用を推奨しているABM(アカウント・ベースド・マーケティング)と親和性が高いのではないかと考え藤岡さんにご提案しました。現在は、日々チームの皆さんと議論しながら進めているところです。

リチャード:田口が話をしたABMの取り組みの入り口として、今回のWebサイトリニューアルがありました。ユーザーの目的が達成しやすいよう、全体のフローはこちらでつくりましたが、それ以外の写真の位置、テキストの位置など、細かいデザインは両社のチームの皆さんと一緒に作業を行っています。

藤岡:デザインに関してはアンダーワークスさんの提案に基づいていますが、ワーディングはユニバーサルイングリッシュを使うことにこだわっています。

田口:ワーディングだけでなく、画像の構図やオブジェクトの配置も含めて、中間膜事業部チームの皆さんと議論を繰り返し、全員で取り組んで完成しました。ローンチ時は大きな達成感がありました。

リチャード:藤岡さんとチームの皆さんは、ベストなデジタルマーケティングを目指し、多くの勉強をされています。我々に対して良い意味で細かいフィードバックをくださるので、チームに参加することで刺激も多いです。
 
 
──グローバルマーケティングにおいては昨今、国ごとに異なるデータの利活用、プライバシー保護の法制度についての理解・対応も不可欠だと思います。
 
藤岡:本社とも議論を重ねて対応していますが、欧州に関して言えば国ごとではなく、欧州全体で考えたほうが、全体最適になるのではないかと考え、対応しています。
 
田口:藤岡さんとチームの皆さんは、常にグローバルスタンダードを前提に動いているので、日本企業のグローバルマーケティングとしては意識も取り組みも、高い目標を設定されています。
 
リチャード:残念ながら、多くの日本企業がデジタルマーケティングの取り組みにおいて、グローバル標準には追い付いていない部分があります。それでも当社としては、グローバルで戦える支援をしていきたいと考えてはいますが3年程度、遅れているのが現状だと思います。
 
 
──アンダーワークスとして今後どのようなサポートをしていきたいですか?
 
田口:藤岡さんがリードしている中間膜事業のデジタルマーケティングチームだけでなく、営業や他地域のマーケティングチームのニーズも拾い上げ、より包括的なデジタルマーケティングをご支援したいと思っています。プロジェクトを通じて当事業の各国チームに知見が残り、最終的には我々がフェイドアウトして、自社で自走できる形になるのが理想だと考えています。
 
 
──今後どのようなチャレンジをしていきたいとお考えですか?
 
藤岡:コロナ禍が収束すると、再び展示会なども始まるでしょう。そこで、そうした従来の手段とデジタルマーケティングとを融合させて新しい形のマーケティングを構築していきたいと考えています。
 
また、より長期的な目標としては、デジタルマーケティングに精通した人材を社内に増やしていきたいと考えています。多様なアイデアを出せるなど活動の高度化につながると理想的です。アンダーワークスさんには、我々がスキルを上げ、最終的に自走できる状態になるためのお手伝いをしてほしいと思っています。今後も我々のアクションやサービスに対して継続的にご提案いただけるとありがたいです。

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