こんにちは!アンダーワークスの近です。2023年9月20日〜9月21日の2日間、ドイツのケルンで、欧州最大級のデジタルマーケティングイベント 「Digital Marketing Exposition & Conference 2023」(通称:DMEXCO 2023)が開催されました。アンダーワークスからも、私を含め4名のコンサルタントがイベントに参加をしてきたので、イベントの様子を、前編・後編の2部構成でお伝えします。
 
こちらの記事を読んでいる方のなかには、海外のデジタルマーケティングイベントへの参加や、DMEXCOへの参加をご検討されている方もいらっしゃるのでは?と思います。
 
結論、デジタルマーケティングのご担当者の方には、全体感やトレンドを把握する意味で、お勧めできるイベントです。決して日本からの参加者は多くないイベントかとは思いますが、ぜひこの記事でイベントの様子を掴んでいってくださいね。今回は前編として、イベント概要、会場の様子、イベント運営の様子、講演の特徴を、写真多めでお伝えしていきます!

イベント概要 – DMEXCOとは

DMEXCOは、2009年に始まった欧州最大級のデジタルマーケティングイベントです。DMEXCO2023では、出展企業数は650社以上、スピーカーは770名以上、講演は400以上、参加者は40,000人以上とのことで、その数字からも規模の大きさが伺えますね。
 
新型コロナウイルスのパンデミックを背景に、2020年〜2021年はオンラインでの開催でしたが、2022年からオフラインイベントとして再開し、2023年もオフラインで開催されました。
 

デジタルマーケティングの総合イベントであるため、テーマは、AI、Eコマース、広告、ブランディング、SNS、コンテンツマーケティング、データ分析、MA 、CX、プライバシー、CRMなど非常に多岐に渡ります。所謂、”デジタルマーケティング”に分類されるものであれば、何でも講演が用意されているイメージです。
 
そのため、企業でデジタルマーケティング全般を担当している方も、特定領域に知見がある方も、興味を引く講演を見つけやすいイベントだと思います。

会場の様子 – オープンで気軽に聞ける多数のセッション

ドイツのケルンにある「ケルンメッセ」が会場です。日本でいう「東京ビッグサイト」のようなものをイメージしていただくと、分かりやすいかと思います。
 
会場には各企業のブースがひしめき合い、講演が行われるステージがテーマごと(センターステージ、Eコマースステージ、メディアステージ、エージェンシーステージなど)が設けられています。
 
発展的な内容を取り扱う、マスタークラスの会場も別途用意されています。
 

講演が行われるテーマごとのステージは、座席が用意されているものの非常にオープンで、参加も退席も自由であることが印象的でした。多くのセッションは20分、長いものでも30分ほどで設定されているので、興味があるセッションを気軽に聞くことができます。タイムテーブルはありますが、時間が来るととすぐに次の講演が始まり、興味と集中力があれば1日中セッションを聞き続けることができます。
 
ちなみに会場が広く、端から端まで歩いて10分以上かかるので、次の講演のステージの場所が遠いと移動が間に合わないのが大変でした。笑
 

企業ブースでは、熱心にサービスの紹介や商談が行われていました。ヨーロッパのイベントということもあり、ドイツやヨーロッパ圏をメイン顧客に想定したサービスも多い印象でした。
 
ちなみに、海外のイベントといえば「企業ノベルティグッズ」が沢山もらえるというイメージがあったのですが、昔ほどバラ撒きされていないのも印象的でした(例えば、Instagramでハッシュタグをつけて投稿をしないともらえないなど)。このあたりも、世の中の流れを反映している感じがしますね。
 

イベント運営の様子 – 専用アプリが使いやすい

イベントアプリが便利だったので、こちらも少し紹介しますね。
 
基本的にイベント運営はアプリを中心に設計されており、ブラウザサイトよりもアプリに情報が集約され、使いやすいよう開発に力を入れている印象でした。事前に気になった講演をお気に入り登録しておくと、タイムテーブルの形で講演を一覧で確認することができます。
 
また講演から2〜3時間後には、講演の動画が高画質でアップされており、見逃した講演や英語の聞き取りに苦労した講演もすぐに確認できるのが非常に便利だなと思いました。
 
アプリ内に個人ごとに発行されたQRコードがあり、企業ブースを訪れた際は、名刺交換の代わりにQRコードを読み込むことで訪問者管理が行われていました。
 

(写真:左)事前にお気に入り登録した講演がタイムテーブル形式で確認できる
(写真:中央)講演後に動画がアップされアーカイブとして視聴できる
(写真:右)マップで現在地が確認できる

講演の特徴 – 生成系AIがホットトピック

2日間で、400を超える講演が行われましたが、全体を通して「AI」、その中でも特に「生成系AI(Generative AI)」に関するトピックが非常に多い印象でした。
 
DMEXCO公式のイベント後のハイライトでも、全公演のうち56の講演がAIをテーマにしており、他のほとんどの講演でもAI が少なくとも何らかの形で取り上げられていたことが触れられていました。
 
私が参加した講演の多くでもAIが取り上げられていましたが、概念的な話、未来の話というより、デジタルマーケティングの実業務での活用のフェーズに入っていることを強く感じました。
 
“デジタルマーケティング”と言いつつ、手作業で実施しなければいけない膨大な作業があることや、人的リソースによりできることの限界があることを、読者のマーケターの皆様も日々感じているのではないかと思います。AIを上手く活用することで、そういったものが劇的に効率化でき、より顧客を向いた価値が高い仕事に集中することができるということを感じました。
 

ECでの生成系AIの活用例:生成系AIを活用することで、一瞬で、簡単に、パーソナライズした多量のコンテンツの制作ができる

AIについては、後編のレポートで詳しく触れようと思いますので、そちらの記事もぜひチェックしてみてくださいね。

最後に

新型コロナウイルスのパンデミックを背景に、自身としては約3年半ぶりの海外リアルイベントへの参加でしたが、日常業務から離れ、最新のトレンドを肌で感じることができ、参加して非常に良かったと思っています。
 
またホテルでアーカイブ動画を見ながら感じたことですが、コンテンツとしては全く同じものがオンラインで視聴できるとしても、リアルイベントならではの、目の前で人が喋る熱気や、会場の空気感や非日常感、自身の集中度が、同じコンテンツから受け取れる情報の量や質に影響を与えることを実感し、オンラインイベントの利便性はありつつ、リアルイベントに参加する意義は当面残り続けるんだろうなと思いました。
 
DMEXCOについては、2024年9月に次回の開催が決定しているとのことですので、ご興味を持たれた方は、ぜひ参加を検討してみてください!

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