B2Bマーケティングは、財務、生産性、人材、プロセス、サポートといった組織的な課題によってその効果が阻害されている場合があります。Demandbaseは、これらの問題に対処するために、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)を効率化し、企業がB2Bマーケティングの目標を達成できるように支援しています。
 
本記事では、Demandbaseの国際部門VPであるPaul Gibson氏に、組織の概要とB2Bマーケティングの未来をつくる役割について話を聞きました。

カスタマーデータプラットフォーム(CDP)の再定義

――まず、会社について教えてください。
 
Demandbaseは、B2Bビジネスを対象にテクノロジーとサービスを提供している会社です。クライアント企業が自社の製品、サービス、またはソリューションを特定のオーディエンスに合わせてカスタマイズし、効率的にマーケティングを行うことを支援しています。
 
私たちは、セールスやマーケティングの取り組みを、理想的な顧客プロファイル(ICP)を持つ企業にだけ集中させることで、時間、予算、リソースにおける無駄を削減します。このアプローチにより、セールスが営業したい、そして企業が販売したいと思える有望で関連性の高いパイプラインを提供します。私たちは彼らをB2Cのアプローチから離れさせ、成約率の向上、セールスサイクルの短縮、平均注文単価の向上、およびチャーン(解約)の減少を実現します。
 
――Demandbaseが考えるCDPとは何ですか?
 
私たちは、セールスとマーケティングのための組み込み型CDPであると自負しています。CRMやマーケティングオートメーションからのデータ、さらにはインテント(意図)を含む、既知および匿名の購買意思決定を行うステークホルダーのデータが一箇所に集約され、Demandbase DSPを含むディスプレイ広告、LinkedIn、マーケティングオートメーション、Google Adsなどのさまざまな実行チャネルでシームレスに活用することが可能です。
 
――DemandbaseのCDPの利点は何ですか?
 
私たちのCDPは、予測分析、第三者データのエンリッチメント、セグメンテーションとオーディエンスの作成、MAS/CRMの活性化など、基本的な機能を搭載しています。私たちのCDPは、私たちが提供するさまざまなサービスの一部に過ぎません。
 
未開拓のオーディエンスに対しては、複数のソースからインテント(意図)データを取得して、クライアントのペルソナを明確に作り上げます。これらの洞察により、私たちはバイヤーが現在どのようなステータスにいるのかを理解することができます。これは、効果的な戦略を策定する上で非常に重要です。
 
Demandbaseはこの戦略をサポートするために、高度にカスタマイズされたターゲティング広告を含む多様なツールを使用します。顧客体験は、会社、業界、規模、地域に基づいて高度にパーソナライズされ、エンゲージメントとコンバージョンを促進させます。さらに、自然言語処理(NLP)を使用することで、インテント(意図)データは任意の言語で収集・処理できるようになり、Demandbaseは最大133の異なる言語をサポートします。
 
クライアントのWebサイトにタグを設置するだけでシステムが起動し、24時間以内に洞察と価値を提供します。導入後はすぐに結果を観察することが可能です。
 
また、事前に特定されたオーディエンスセグメントに対しては、クライアントのCRM / MA / Sales Enablementツールを通じてメールキャンペーンを最適化します。同時にセールスに対して、彼らのターゲットアカウントがWebサイト内外で行っている活動に関しての情報を提供し、適切なタイミングで適切なメッセージを持ってアプローチできるようにサポートします。これにより、取引をより迅速かつ頻繁に成立させることができます。
 
つまり、私たちは既知のデータと匿名データの両方を組み合わせることで、クライアントがビジネス目標を達成するためにターゲットとすべき人物を360度理解することができるのです。

Demandbaseの特徴的な機能(ABM)

――Demandbaseはどの業界や分野で最も使用されていますか?
 
私たちの技術は主に、MOPsやSales Opsを含むプリセールス、ポストセールスやマーケティングに関わるチームによって利用されています。しかし、私たちが提供する成果は、CFOやCEOなどの経営幹部にとっても非常に価値があります。
 
マーケターの場合、私たちはインテント(意図)を示すシグナルを通じて、クライアントの商品やサービスに関心を持ちそうな特定の関連ターゲットオーディエンスを特定する手助けをします。私たちの販促ツールのスイートは、クライアントが意図したオーディエンスにのみ効果的にリーチし、エンゲージメントを図ることを可能にします。Demandbaseのソリューションは、セールスの人々がセールスサイクルを短縮し、成約率を向上させるサポートをします。
 
ファイナンスの観点では、私たちはセールスとマーケティングの取り組みにおける過剰な支出を取り除き、そのリソースを真に価値があり、リターンをもたらす活動へ集中させる手助けをします。経営層もDemandbaseから利益を得ます。私たちは、成約率、平均注文単価(AOV)、チャーン(解約)率などの収益に基づく重要な指標を提供する支援をすることで、ビジネスの成果を向上させます。
 
――Demandbaseのパートナーシップについて教えてください。
 
私たちは、アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋を含む世界各地のB2Bクライアントにサービスを提供する、約30の公式パートナーを持っています。
 
――Demandbaseのサービスを利用するB2B企業はどのような企業ですか?
 
B2Bクライアントは、テクノロジー、金融サービス、製造業、専門サービスなど、多くの業界にまたがっています。私たちは、Facebook、Google、Microsoft、Ericsson、TDK、Salesforceを含むスタートアップ、中堅企業、大企業と取引しています。
 
――Demandbaseのサービスを実装し成功を維持するためには何が必要ですか?
 
成功の鍵は、現代のビジネスにとって何が重要かを見極め、ビジネスの成長と共にシステムを柔軟にカスタマイズする能力を保持することです。

プライバシーに関する懸念

――GDPR、ITP、その他の規制が厳しくなる中で、Demandbaseはデータプライバシーとセキュリティに対してどのようなアプローチを取られていますか?
 
Demandbaseにとってデータの保護が最も重要であることは言うまでもありません。私たちはGDPRおよびCCPAのコンプライアンス対策としてSOC2とISO27001の認証を取得しており、これらはクライアントに対しても提供することが可能です。北米以外でもデータプライバシーは依然として大きな懸念事項であり、そのため私たちのデータプライバシー対策は厳格でなければなりません。これが実現できるからこそ、私たちは世界中で取引を続けることができます。

成長に向けた計画

――将来の成長に向けた計画はどのようなものですか?
 
私たちはパートナーネットワークの拡大に努めると同時に、クライアントが一般的なB2Cのマーケティング戦略、特に「スプレー&プレイ(ばらまき)」方式から脱却する支援を続けたいと考えています。これは、クライアントが自社の商品やサービスに最適な見込み客を特定し、パスを作ることを助けるという私たちの使命につながります。
 
私たちは、パートナーの戦略的かつ創造的なスキルと、既存のクライアントとの関係強化が成功の鍵であると信じています。そのため、パートナーとクライアントがDemandbaseが提供する機能を最大限に活用できるよう、より多くの共同イベントやキャンペーンを開催するつもりです。
 
Demandbaseは、その専門知識と幅広い製品・サービスを駆使して、どの業界に属するクライアントであっても、B2Bマーケティングの体験を再定義する準備ができています。
 


<英語の原文はこちら>
https://www.clickrmedia.com/blog/demandbase-optimizing-b2b-marketing/

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