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アンダーワークスでは2017年より日本国内のマーケティングテクノロジーの推移を「マーケティングテクノロジーカオスマップ」として発表しています。

本稿では、マーケティング・テクノロジー・マネジメント・プラットフォームであるCabinetMのCEOであるAnita Breaton氏がMarTechに寄稿した内容に基づいて米国の状況を見てみたいと思います。

 

執筆:Anita Brearton 氏(CabinetM)翻訳構成:田口 裕(アンダーワークス株式会社)

マーケティングテクノロジー市場に対する企業・製品の参入・撤退は毎年ほぼ同じ数に

CabinetMでは、マーケティングテクノロジー(martech)を広義に定義しています。
 
マーケティングテクノロジー管理プラットフォームを提供している私たちの定義では、マーケティングテクノロジーとは顧客体験の開発と管理をサポートし、顧客の獲得、関与、保持に貢献するあらゆる製品を意味します。
 
これにより、マーケティング、セールス、カスタマーサクセス、アドテク、セールステクといった既存の境界線をなくすことができます。その結果、CabinetMの製品ディレクトリにはユーザーがマーテック・スタックに含めたいと考える製品が15,000以上も追加されていますが、私たち自身が定義した枠から少し外れてしまうこともあります。
 
この規模のディレクトリを管理するということは、新製品、新カテゴリ、買収や社名変更、会社や製品の倒産なども含む情報を記録することに他なりません。CabinetMではこのような情報を取りまとめたMarTech Innovation Reportを四半期毎に発行しており、最新版を発表したばかりです。
 
当社のデータから、マーケティングテクノロジーは健全な産業であり続けているということが明らかになりました。
 
新製品の発表は、2022年第2四半期に124件と、第1四半期の49件から急増し、過去2年間で断トツの多さとなっています。これらは幅広い製品カテゴリーをカバーしていますが、そのうち上位5つは驚くほど一貫しており、広告、分析、セグメンテーション、カスタマーエンゲージメントとエクスペリエンス、そしてデータ管理となっています。
 
このようなイノベーションは投資によってもたらされます。マーテックソリューションの数が多すぎる、この分野は過剰投資だと言う人もいますが、投資されている金額を見れば現在も既存企業や新興企業への投資は盛んに行われていることがわかります。米国では、マーケティングテクノロジーを提供する企業数に関してはピークに達していると考えています。また、毎年ほぼ同数の企業や製品が市場に参入し、退出していることが伺えます。
 

イノベーションとテクノロジーへの投資

テクノロジーへの投資額を見てみると、2022年第2四半期に大きな落ち込みが見られました。この落ち込みは、7月7日にニューヨーク・タイムズ紙が報じた投資全般の落ち込みと符合します。ニューヨーク・タイムズ紙によると、”米国のハイテク新興企業への投資は、過去3カ月で23%も急落した “ということです。
 
一方、企業買収は、過去7四半期にわたって安定しており、今年に入ってからは増加しています。過去7四半期において、買収された企業で最も多かったカテゴリーは以下の通りです。
 

  • 広告
  • アナリティクス
  • 視聴者セグメンテーション
  • キャンペーン管理
  • コンテンツ・マーケティング
  • カンバセーショナルマーケティング
  • カスタマージャーニー/ライフサイクルマネジメント
  • カスタマーエンゲージメント
  • カスタマーエクスペリエンス
  • 顧客サービス
  • データマネジメント
  • メール
  • イベント
  • マーケティングオートメーション
  • ペイメント
  • パーソナライゼーション
  • 製品ライフサイクル管理
  • 生産性向上とワークフロー
  • ソーシャルメディア
  • ビデオ
  • ウェブパフォーマンスとセキュリティ

StackMates™レポート

CabinetMでは、外部のマーケティング・テクノロジーの動向を追跡するだけでなく、当社のプラットフォームで管理されている約1,000のスタックからのデータにも注目しています。これにより、どの製品が最も人気があり、どの製品が主要なアンカープラットフォームに囲まれているかを確認することができます。
 
スタックの規模は25から250製品で、B2BとB2Cが混在していて段階もさまざまです。基礎的となるCRM、CDP、マーケティングオートメーションなどのプラットフォームの先ではスタックはすぐに非常に異なるものに見え始め、見つかる製品群は非常に長いロングテールを成します。
 
私たちは、大規模なプラットフォームと並行して、どのような製品が一般的なのかを日常的に聞かれます。そこで、主要なプラットフォームの周辺にある上位製品のカタログを作成し始めました。 最初のStackMates™レポートは2022年7月にリリースされ、マーケティングオートメーション(MA)プラットフォームと周辺テクノロジーをカバーしています。ぜひご活用ください。
 
 

※この記事はMarTechにて掲載された記事を著者の許可を得てアンダーワークスが日本向けに翻訳したものです。
 


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Anita Brearton / CabinetM CEO

Anita Breartonは、マーケティング・テクノロジー・マネジメント・プラットフォームであるCabinetMの創設者兼CEOです。長年のテクノロジーマーケターである彼女は、企業の設立からIPOや買収に至るまで、マーケティングチームを率いてきました。マーケティングチームのテクノロジースタックの構築と管理を支援するために書かれたワークブック「Attack Your Stack」と「Merge Your Stacks」の著者であり、CMS Wireの月刊コラムニストとして、マーケティングテクノロジーについて頻繁に講演しているほか、「50 Women You Need to Know in MarTech」の一人として認定されています。

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