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  • CDPの導入手順・注意点・事前準備について解説【パッケージ編】

 
CDPを導入するにあたって、具体的にどのような手順で進めればよいか迷っていませんか?データの有効活用と顧客理解の深化がCDP導入の主な目的ですが、導入手順を誤ると期待していた効果を得られない恐れがあります。
 
今回は、CDPの導入手順や導入時の注意点、構築に向けて必要な事前準備について解説します。CDP導入・構築の全体像を捉え、スムーズな運用開始を実現してください。
 

あわせて読みたい! 【CDP完全ガイド】CDPの種類や選び方、導入、活用の方法など

CDP導入の基本フロー

はじめに、CDP導入の基本的なフローを押さえておきましょう。パッケージ製品であっても、CDPを導入さえすればすぐに活用できるわけではありません。データを取り込み、運用できる状態にするには次の手順を踏む必要があります。
 

 

1. CDP基盤設計

そもそもデータを収集・統合することで何を実現したいのか、十分に検討しておく必要があります。収集・統合の仕方によっては、期待する効果が得られない恐れもありますので十分に注意してください。
 
導入の目的や実現したい施策を明確化したら、自社が保有しているデータにどのような種類があるかを洗い出し、データ間の連携方法などを検討しながら全体像を固めていきます。データの収集だけにフォーカスするのではなく、CDP導入の目的や実現したい施策を念頭に置いて活用基盤を構成することが大切です。
 

2. データ取得設計

次に、具体的なデータの中身を把握しましょう。データの形式や記述方法などを実際に確認した上で、どうすればCDPにデータを連携できるのかを判断していきます。API連携やSFTP/FTP連携、タグ連携、バッチ連携など、データソースに応じて適した連携方法を選ぶことが大切です。
 
CDPによっては、多数のコネクタを標準機能として備えているものもあります。CDPの選定時には、活用したいデータに対応したコネクタを備えているかどうかを基準にツールを選ぶ必要があるでしょう。
 

3. データの取り込み

データ取得設計にもとづき、実際のデータをインポートします。インポート自体は基本的に自動で行えますが、データが正常に取り込まれているか必ずデータソースごとに確認しておくことが大切です。
 
CDPによっては、取り込めるデータ量に制限が設けられている場合があります。施策の実行に支障をきたさないよう、取り込むべきデータの種類・取得期間・項目などを精査してください。運用開始後にデータ量が日々増えていくことも見越して、取り込むデータの範囲を見極める必要があります。
 

4. データマート構築

取り込んだデータを加工・成形するための環境を構築します。取り込む外部データの種類によっては、データマートを構築する必要があるでしょう。
 
データマートとは、ユニークIDごとに顧客の行動や属性が判断できる状態にする仕組みのことを指します。ただし、大量のデータを正規化(重複回避)する際には大きな負荷がかかるケースも少なくありません。多くのパッケージCDPでは、データを構造化・単純化する工程を経ることにより、処理を高速化しています。
 

5. 各種ツールとの連携

CDPはデータを収集・統合するためのツールです。したがって、統合されたデータを活用するには外部ツールと連携させる必要があります。MAやBIなど、データを活用したいツールとCDPを連携させましょう。
 
コネクターなどを使って連携先のツールでデータを正常に活用できることが確認できれば、CDPの導入・構築は完了です。このようにCDPの導入・構築はCDP単体で進めるのではなく、データの取り込み、データの加工・成形、データの活用という一連の流れの中で捉える必要があります。

CDP導入にあたっての注意点

CDP導入にあたって、ボトルネックになりやすいポイントをまとめました。次に挙げる注意点を意識してCDP導入を進めることが大切です。
 

導入の目的を絞り込んでおく

CDPは多目的に活用できるプラットフォームのため、目的が曖昧なまま導入すると十分な効果を得られない恐れがあります。CDPを導入したものの、単にデータ保管庫として情報を溜め込んでいくだけのツールにならないよう、導入の目的を明確にすることが重要です。ツールありきで導入を進めるのではなく、実現したい施策やデータの活用が必要とされるシーンを具体的に想定しておきましょう。
 

ステークホルダーの理解を得る

顧客に関する情報は、複数の部門にまたがって散在しているケースが少なくありません。必要なデータを抜け漏れなく収集するには、関係者の理解・協力を得ることは不可欠といえるでしょう。CDP導入の目的やメリットをステークホルダーに対して丁寧に説明し、理解を得ておくことが大切です。
 

はじめから完璧を目指さない

収集・統合される情報量が多いほど、CDPを活用するメリットは大きくなります。一方で、データの構造が複雑になれば、その分設計や構築の難易度も高くなりがちです。導入当初から完璧な状態で運用を始めようとするのではなく、収集すべき情報に優先順位をつけ、設計や構築に時間をかけすぎないように注意してください。

CDP構築に向けた事前準備

CDPの構築に向けて、事前に進めておくべき準備事項をまとめました。事前準備への取り組みしだいで、CDP導入・構築がスムーズに進むかどうかが決まるといっても過言ではありません。次の6点に関しては、CDP構築に先立って必ず実践しておきましょう。
 

明確なビジネスゴールを想定しておく

CDPで収集・統合したデータを、具体的に何に活用するのか決めておく必要があります。明確なビジネスゴールを掲げ、目標達成の手段としてCDPを活用するスタンスで臨むことが大切です。ゴールを明確化しておくことで、収集すべき情報の種類が絞り込みやすくなるでしょう。
 

必要な機能を整理する

CDPには多彩な機能が搭載されています。活用方法も多岐にわたることから、自社にとって必要な機能を整理し、優先順位をつけておくことが大切です。
 
【精査しておくべきCDPの機能】
・データ蓄積
・顧客データ統合
・セグメント作成
・外部ツール連携
・データの分析/可視化
・アクション機能(レコメンド・ポップアップなど)
・セキュリティ対策
・2nd、3rd Partyデータ連携
 

現状のデータを把握・整理する

現状、社内に保存されているデータの種類・形式・保存場所を特定し、把握しておく必要があります。たとえば、同カテゴリのデータであっても部門間でデータ形式が異なるケースは少なくありません。必要に応じてデータ形式を統一し、整合性を図っておくことが求められます。関係部門に協力を仰ぎ、現状のデータをできるだけ正確に把握しておく必要があるでしょう。
 

導入・運用体制を検討する

導入時にベンダーとのやり取りを行う窓口担当者や、運用開始後の担当者など、具体的な導入・運用体制を決めておくことも重要なポイントです。特定の部門・担当者に委ねてしまうと、データの活用シーンが限定的になりやすいため注意してください。各関係部門が当事者意識をもって導入・運用に携われるよう、プロジェクトに参画するメンバーのバランスを慎重に検討する必要があります。
 

KPIを設定する

CDPを活用した施策には、必ずKPIを設定しましょう。適切なKPIを設定することは、運用開始後にPDCAを回していくためにも重要なポイントといえます。CDPには業務効率化と成約率向上という2つの側面があるため、KPIは両方の要素を加味して設定することが大切です。コスト削減や業務時間の短縮など、業務効率化に偏ったKPIにならないよう注意してください。
 

ステークホルダーへの周知

CDPによって統合されるデータは、幅広い部門で活用できるはずです。関係部門間で共通認識を築いておくことは、CDPの運用を中長期的に成功させていく上で重要なポイントとなります。たとえば、サイト運営チームや営業チームなど、現場も含めた関係者に対してCDPの導入目的やメリットを伝え、理解を得ておくことが大切です。

CDP導入・構築の全体像を捉えよう

CDPはデータの活用を目的として導入するツールのため、一般的なパッケージツールの導入と比べて必要な準備や構築フローが複雑になりがちです。今回紹介した導入フローや注意点、必要な事前準備を参考にCDP導入・構築の全体像を捉えることが、効果的な運用を実現するための第一歩となるでしょう。
 

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