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テクノロジーの進化とユーザーニーズの変化に応じ、挑戦するCMSベンダーの姿を追う連載企画「CMSの進化を目指すベンダーの挑戦」。今回は、大手企業向けの社内ポータルやカスタマーポータル、取引先ポータルの構築サービスを提供するLiferay社に話を伺いました。前編では、LiferayDXPの特徴やLiferayDXPが誕生するまでの経緯について紹介します。
 
(話:アジア太平洋チャンネルセールスディレクター James Chan氏)
 

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一貫性のあるブランド体験を提供する「Liferay DXP」

――はじめにLiferay社の紹介をお願いします。
 
Liferayは、2004年にBrian Chanによって設立されたデジタル体験プラットフォームのリーダー企業です。日本法人は2012年に設立し、柔軟なソリューションと提供オプションを通じて、企業が魅力的なデジタル体験を創造するための支援を行っています。
  
主力製品である「Liferay DXP」は、ウェブ体験の構築と管理に特化した強力なDXP(デジタルエクスペリエンスプラットフォーム)ソリューションです。この製品は、コンテンツ管理、コラボレーション、ウェブアプリケーション、イントラネット、ポータル開発などの機能を一つに統合しています。Liferay DXPを使用することにより、ビジネスにおけるデジタル接点において、ユーザー中心で一貫性のある体験を提供することができます。
 
さらに、「Liferay Experience Cloud」はLiferay DXPを補完する製品で、スケーラブルで安全なクラウドホスティング環境を提供します。これにより、企業はより簡単にデジタル戦略を実行し、クラウド上での管理と拡張が容易になります。
 
――主力製品であるLiferay DXPについて詳しく教えてください。
  
Liferay DXPは、コンテンツ管理、コラボレーション、ポータル機能を統合して、運用効率を向上させ、組織内の分断を減らすことを目的としたプラットフォームです。このプラットフォームの核となるのはパーソナライゼーション機能です。これにより、コンテンツとユーザー体験を個々の利用者の好みや行動に合わせてカスタマイズし、より高いエンゲージメントを実現できます。加えて、オムニチャネル対応により、ウェブやモバイルを通じて一貫性のあるブランド体験を提供します。
 
Liferay DXPは、小規模から大規模なビジネスまで幅広く対応し、グローバルなニーズにも応えます。エンタープライズグレードのセキュリティで機密データを保護し、業界の規制基準に準拠しています。また、ローコードおよびノーコード機能により、非エンジニアでもコンテンツ管理を容易に行うことができ、IT部門の負荷を軽減します。さらに、分析とレポーティング機能がデータに基づく意思決定をサポートします。

イノベーションを促進する「Liferay Experience Cloud」

――Liferay Experience Cloudなど、他のサービスについても教えてください
 
Liferay Experience Cloudは、Liferay DXPのインスタンスをホスティングし、管理を簡素化するクラウドサービスです。組織がインフラの管理ではなく、イノベーションやデジタル変革に注力できるよう支援します。高い可用性と応答性を確保することで、ダウンタイムを最小限に抑え、迅速なデジタル体験を一貫して提供する点が特徴です。また、グローバルで活動を行う組織に対応し、世界中で信頼性の高いデジタル体験を提供することを目指しています。
 
Liferay Solutions Marketplaceは、サードパーティの開発者によって作成されたアプリケーション、プラグイン、拡張機能を提供するプラットフォームです。これにより、ユーザーはLiferay DXPを迅速にカスタマイズするためにさまざまなソリューションにアクセスできます。
 
このように、Liferayは類を見ないデジタル体験の提供、運用効率の向上、スケーラビリティの確保、セキュリティとコンプライアンスの維持、グローバルリーチの拡大、そしてカスタマイズされたソリューションを提供するための拡張されたエコシステムに焦点を当てた活動をしています。これらの活動の背景には「一人ひとりの能力を最大化し助け合える世界をつくる(Empower people to reach their full potential to serve others.)」というミッションがあります。

包括的なデジタル体験への変革

――現在のLiferay DXPが誕生するまでの経緯を教えてください。
 
Liferayはイノベーションとオープンソースの原則に対して深いコミットメントを行なってきました。設立当初は、カスタマイズ可能なウェブアプリケーションを作成するためのプラットフォームを提供する、小規模なソフトウェア開発会社でした。
 
Liferayの物語は、オープンソースのポータルプロジェクト「Liferay Portal」から始まりました。その柔軟性と拡張性で開発者から支持を集め、Liferay Portalの成功は後にLiferay DXP(Digital Experience Platform)の基盤となりました。デジタル技術の進化に合わせてLiferayの戦略も変化し、従来のポータル機能に加えて、より包括的なデジタル体験プラットフォームへと進化しました。Liferay DXPでは、コンテンツ管理、コラボレーション、分析、Eコマースなどの機能が統合されています。
 
オープンソース原則へのLiferayのコミットメントは、Liferay DXPを上で重要な役割を果たし、世界中の開発者コミュニティによる共同作業、イノベーション、ソフトウェアのカスタマイズを促進しています。このアプローチは、コスト効率や透明性、適応性につながっています。
 
Liferay DXPは、小さなソフトウェア会社から始まり、現在CMSの主要プレイヤーへと成長したLiferayの証として存在しているのです。
 

あわせて読みたい! オープンソースのポータルプロジェクトから発展した大企業向けCMS「Liferay DXP」(後編)

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