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  • 前編|GA4移行、今から準備すべき?UAサポート終了に向けてやるべきこ…

  
2023年6月を以て現行のGoogleアナリティクス(ユニバーサル アナリティクス=UA)のサポートが終了になります。新たなGoogleアナリティクス4(GA4)への移行を考える担当者に向けて、GA4の基本事項と、移行に向けて準備すべきことについて解説します。
 
(話:アンダーワークス アソシエイトマネージャー 米川泰輔、聞き手・文:宿木雪樹)

Googleアナリティクス4(GA4)とは

GA4とは、次世代型Googleアナリティクスとして発表されたプロパティの名称です。GA4発表を機に、2023年7月1日以降は従来の標準であったUAの利用やサポートが終了し、UAの有料版であるGA360も2023年10月1日以降はサポートを終了します。
 
2005年にリリースされたGoogleアナリティクスは、時代のニーズに合わせ、非同期タグ追加によるページ計測機能の向上やクロスドメイン・クロスプラットフォーム計測の実現、グローバルサイトタグのリリースなど、都度バージョンアップしながら進化してきました。
 
2020年にリリースされたGA4はその第4世代であり、計測単位の変更や機械学習による予測機能強化など、大幅な改善が加えられたものです。そして2022年3月、UAによるサポート終了が2023年6月と明確に発表されたことで、改めてGA4への注目が集まっています。
 

計測単位の違い

GA4とUAの違いの一つが、計測単位です。UAはセッション(ページの表示)をベースに計測していましたが、GA4ではイベントをベースに計測します。これまでのデジタル環境においては、ページ表示を基準にユーザーのニーズや興味をある程度把握することができました。しかし最近では、アプリへのアクセスや動画の閲覧など、関心の高さや興味を測る基準は多様化しています。閲覧しているページ数自体は少なくても、動画は長時間観ているというユーザーも存在します。
 
このように、多様な観点での関心を把握するために、GA4では「イベント」をベースにデータ計測が行われます。計測基準となるイベントは「ページの読み込み(ページビュー)以外の、コンテンツに対するユーザーのインタラクション」になり、ダウンロード、リンクのクリック、フォームの送信、動画の再生も分析対象のアクションに該当します。
 
参考:イベントについて(ユニバーサル アナリティクス)|アナリティクスヘルプ
 

機械学習による予測機能の強化

また、AIによる分析サポート機能が新たに追加されている点も特徴です。異常検知のほか、新たなインサイトのサジェストなどが強化されたことで、よりコンバージョンしやすいセグメントへの広告配信など、新たな施策が実現します。こうしたAI技術によるサポート機能の強化は、今後も拡張していくことが予想されます。
  
一方で、実際にサポート機能を活用するためには、ユーザーによる正しい計測設定が必要ですが、「正しい計測設定」に課題を抱える企業は少なくありません。前任の担当者の設定をただ単に引き継いでいるケースや、そもそもどんなデータを取得しているのかを把握していないケースもあります。そのような環境下で機械学習を走らせても、本来の効果は発揮できません。GA4導入を機に、いま一度自社の計測設定・計測環境・データの棚卸しを行い、正しい設定なのかどうか見直すプロセスが必要になります。
 

個人情報保護への配慮

最後に、ユーザーのプライバシーを配慮した機能について紹介します。GA4では、ユーザーの地域とデバイスに関する細かな収集条件の設定ができるようになりました。国単位でデータ取得の条件を切り替えることもでき、各国の個人情報保護に関する規制の違いへの配慮もあります。
 
しかし、GA4が法的に全ての条件をクリアできるとは言い切れません。ヨーロッパではアメリカへの個人情報送信につながるという理由でGA利用が違法とされた裁判事例もあり、データ取得の合法性についてはケースバイケースでしょう。デジタルマーケティングにおけるCookie規制や個人情報の扱いについては、GA4の件に限らず動向をチェックしながら適宜対応していく必要があります。

今からGA4移行準備をするべき3つの理由 

UAとGA4は互換性がなく全く異なるツール

現在UAを利用している企業、ユーザーは、できる限り早急にGA4移行の準備を始める必要があります。UAとGA4ではユーザーインターフェースが大きく異なり、双方のデータの互換性もないことから、今回の発表は単なるバージョンアップではなく全く異なるツールへの移行になると捉えるべきです。管理画面を整え問題なく使えるようになった状態で2023年6月を迎えなければ、運用に支障が出る可能性もあります。そのため、準備期間は余裕をもって設けておく必要があります。
 

年単位のデータ比較が不可能に

2023年6月にUAでのデータ処理が終了した後は、UAをベースにした比較検証は不可能になります。そもそもUAとGA4はセッションなどの定義が異なるため、同じサイトを比較しても異なる数字が計測されるのです。つまり、GA4を今から併用していかなければ、2023年6月以降に2022年度と比較したデータ活用や分析が難しくなります。
 

関連メンバー全員に新ツールを浸透させる必要性

企業規模が大きい場合には、主な運用担当者だけでなく関わる他メンバーのGAへのアクセスが必要になるケースがあります。たとえ担当者がGA4の変更点を理解できたとしても、他のメンバーがキャッチアップできなければ、中長期的にデータ活用の成果は得られません。そういった周辺メンバーへのナレッジ共有・浸透の期間も考慮しておく必要があります。

GA4移行に向けて今から準備できること

一方で、GA4は発展途上のツールでもあります。したがって、今すぐにGA4に切り替えるよりも、UAがサポートを終了するまで併用を続け、GA4の操作性や変更点に慣れていくのが現実的な動きと言えるでしょう。
 
これまで慣れ親しんできたツールを切り替えることは、現場の担当者にとってはそう簡単なことではありません。UAサポート終了の報せは、UAを利用する多くのユーザーにとってプレッシャーを感じるものだったかもしれません。
 
しかし、今回の移行は自社のKGIやKPIなどの計測環境・データを見直す契機とも捉えられます。GA4には自由度の高い機能が増えたからこそ、それを最大限活用するには、的確なKPI・KGIや必要なデータ取得など戦略部分の的確さが試されます。もちろんGA4への切り替え以外に別ツールの導入を検討する選択肢もありますが、いずれにせよ自社での棚卸しは必要になると考えます。
 
後編では、GA4移行をより現場視点に落とし込み、導入後にどのような変化が期待できるか、導入のためにはどのようなステップを踏んでいくべきかを解説します。

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