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テクノロジーの進化とユーザーニーズの変化に応じ、挑戦するCMSベンダーの姿を追う連載企画「CMSの進化を目指すベンダーの挑戦」。今回話を聞いたのは、エンタープライズ向けCMSベンダーとして世界をリードするアクイア(Acquia)社です。各業界のリーディングカンパニーのWebサイトだけでなく、ホワイトハウスをはじめとした公共機関でも採用されているアクイア(Acquia)社の魅力に迫りました。

話:アクイア(Acquia)ジャパン合同会社 
Deputy Country Manager 小坂慎吾
Enterprise Account Executive 小林 直登
Account Executive 武山 哲也

高い信頼性と評価を重ねるエンタープライズCMSのリーディングカンパニー

――はじめにアクイア社について教えてください。
 
アクイアは2007年、アメリカのボストンで創業した会社です。創業者であるDries BuytaertがオープンソースCMS「Drupal」を開発し、マネージドサービスとして提供し始めたところから現在に至るまで、CMSを基軸としたソリューションの開発・提供を続けています。グローバルの社員数は現在1,000名以上となっており、日本法人である我々アクイアジャパンは設立から約3年半が経過しました。金融、製造、製薬などさまざまな業界のお客様からアクイアのソリューションをご採用いただいており、国内に57社(※2022年10月現在)の導入実績があります。

 
――外部的にも高い評価を得ていると聞いています。
 
ITの外資系ベンダーを客観的に評価するガートナー社のレポート内容を紹介させていただきます。WCM(Webコンテンツ・マネジメント)カテゴリにおいて2013~2019年まで6年間リーダーとして評価いただいておりました。また、その後はデジタルサイネージやタブレットなどのタッチポイントも増えてきたところからカテゴリが変わり、DXP(デジタルエクスペリエンスプラットフォーム)というカテゴリで2020~2022年までリーダーとして評価いただいています。

先ほど多岐にわたる業界の企業に採用いただいているというお話をしましたが、そのほかにホワイトハウスやオリンピック、FBIなど公共セクター分野においても採用されている実績があり、セキュリティ面等における信頼性があることも併せてお伝えしたいです。

プラットフォーマーとして進化を続けるアクイアのソリューション

――製品紹介をお願いします。

創業当時からCMSを起点として成長してきた「Drupal Cloud」と、顧客データの統合・活用を基軸とした「Marketing Cloud」、この二軸に分けて私たちはサービスを提供しています。

「Drupal Cloud」はコンテンツ管理や一元化をCMS起点でカバーしており、お客様の課題によってWebサイトの表示コンテンツの切り替えや出し分け、パーソナライゼーションといった機能を提供しております。

一方「Marketing Cloud」は顧客データの一元化を担っており、さまざまなところに分散している顧客データをCDPで統合し、分析することが可能です。さらに顧客データの活用先としては「Campaign Studio」というサービスが標準実装されており、APIコネクタを通じてLINEやSNSなどを通じたお客様へのアプローチまで行うことができます。

私たちがソリューションのポートフォリオを増やし続けている理由としては、それぞれのテクノロジーに強みを持つ企業を買収している背景があります。はじめはCMSサービスからスタートした会社ですが、2019年頃からCDPやマーケティングオートメーション(MA)、画像・動画のアセット管理などに強みを持つ企業を買収し、現在はお客様のデジタル体験の向上やDX支援に網羅的なアプローチができるようにアクイア製品群を充実させました。


――CMSから広範にわたるマーケティングプラットフォームへ、という戦略に注力している形でしょうか。

デジタルマーケティング領域に深く踏み込むことでお客様とのエンゲージメントを高め、CMS提供だけでなくトータルで価値を発揮し、お客様の良きパートナーとして伴走する企業となるというところが、現在特に注力していることです。
 
また、現在は全体の7〜8割がエンタープライズのお客様ですが、今後は他社製品との連携がスムーズに実現できる柔軟性やコスト面での魅力もお伝えしつつ、中小企業のお客様にもアクイアを導入・検討いただけるよう意識しています。

最大の強みはセキュリティ、高いレベルをクリアした実績が信頼の証

――アクイアはCMS単体ではなく、マネージドも含めパッケージで提供する企業である、という印象を受けました。

その認識で間違いありません。一方で、お客様の業態や既存の環境などとの相性によっては、お客様に最大価値を発揮できないシーンももちろん出てきます。そういった場合は、率直にお伝えし、他社製品との組み合わせなどのご提案をします。
 
それに併せてお伝えすると、アクイアのソリューションは他社製品との連携といったところで柔軟性が高い特徴があります。オープンソースをベースとしているので、Salesforceはもちろん他社MAなどとのシステムともつながりやすく、かつ必要な機能を組み合わせながらカスタマイズすることも容易です。
 
これだけ多くの選択肢がある中で、お客様にとって最適なソリューションは何なのかという部分は真摯に向き合うべきだと考えています。他社製品と比較してアクイアの何が優れているのか問われた場合は、お客様の状況に応じてどんな戦略であれば効果が出やすいか、丁寧にお伝えするよう心がけています。
 
現状Drupal Cloudは利用いただいているけれどアクイアの全ソリューションはご利用いただいていないというお客様ももちろんいまして、そういったお客様には載せ替えることでどんなメリットがあるのかご説明させていただくこともあります。
 

――アクイアの製品群が持つ強みを教えてください。
 
第一に挙げられるのは、セキュリティの強固さです。冒頭で述べた通り、アクイアは金融機関や公共セクターなど高いセキュリティを求められるお客様との実績があります。
 
この実績について補足すると、私たちはアメリカ政府がクラウドサービスを採用する際に基準とする5,000以上のチェック項目が並んだガイドラインをクリアしています。エンタープライズ向けCMSベンダーでこの基準をクリアした企業は、私たちだけかもしれません。
 
DX推進などの課題に向き合いつつ、コンテンツをセキュアで安定した環境から提供したいと考える企業は少なくありません。そういった課題意識に対して、アクイアは先に述べたようなセキュリティを強みとしており、しっかりとお応えできる自負があります。いかなる業界、ビジネスを扱う企業であっても、コンテンツ発信においてセキュリティを軽視する企業はいませんので、ここはアクイアの最大の強みだと思います。
 
そのほか、お客様からよくいただく声としては、UIの良さ、使いやすさといったところでしょうか。また先程まで説明してきたマーケティング機能の拡張性といった部分も、お客様にとってのメリットのひとつですね。
 
インタビュー後編では アクイア社のパートナー企業にまつわるトピックやコミュニティの現状、今後の展望、ソリューションの将来像などを聞いていきます。また、その中からより経営視点に立ったアクイア社の独自性などもお伝えします。
 

話者

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