• HOME
  • メディアDMJ
  • B2B Marketing Exchangeで学んだICP(Ideal Customer Profile)とは?…

 
こんにちは、アンダーワークスのアソシエイト・コンサルタントのアフリンです。今回は、前編に引き続き2023年2月27日〜3月1日にアメリカのスコッツデールで開催されたB2B Marketing Exchange(以下B2BMX)で学んだセクションを紹介します。
 
弊社スタッフがB2BMXに参加する目的は、B2Bコミュニティの強化と学びです。それだけではなく、B2Bマーケティングにおいて以下の情報入手に大きなメリットがあります。
 
・最新の業界トレンド
・市場状況
・顧客企業の現状
 

 
B2BMXでは、さまざまなバックグラウンドを持った150人の登壇者による講演が行われました。参加者は、経営層や営業、マーケティング部門の多様な参加者が1,000人以上参加していました。今回は、B2BMXで実施された80以上の講演から特に重要と判断したセクションを紹介します。B2Bで理想的な顧客プロフィールを作成すること、ICPについて解説しましょう。
 

 

Ideal Customer Profileとは?

ICP(Ideal Customer Profile)は、B2B向けのペルソナ設定のことです。ICPは、既存顧客企業を分析して、大きな利益創出となる最適な顧客を定義するために活用します。顧客企業の持つ、さまざまなデータをもとに理想的なペルソナを設定します。
 
ICPの特徴は、仮想上の顧客企業像を明確にすることです。特定の個人をターゲットにするものではなく、大きな利益をもたらす企業単位での分析が特徴となるでしょう。
 
・企業の従業員数
・業界
・企業規模
・部門
・役職
 
ICPで設定する顧客企業は、これら定量的なデータをもとに作成します。その範囲は、TAM(Total Addressable Market:実現可能な最大市場規模)よりも狭くなることが特徴です。ICPを作成する際は、自社商品やサービスとの親和性が高い企業であることが求められます。ICPは、B2Bマーケティングの概念だけに、企業レベルで捉えなければなりません。
 

バイヤーペルソナとは?

ICPと混同される言葉にバイヤーペルソナがあります。バイヤーペルソナとは、理想的な顧客像のことです。企業の商品やサービスを利用して100%満足する顧客像を想定します。
 
バイヤーペルソナは、顧客の購買決定意思を高め、顧客の持つ課題背景や関連する環境データを収集する施策です。次のような要素を収集します。

・年齢
・性別
・社会経済的地位
・居住地
 
バイヤーペルソナは、これらの顧客データをCRMで評価して、類似する部分と異なる部分を検出します。
 

ICPとバイヤーペルソナの違い

ICPとバイヤーペルソナの違いは、ペルソナのターゲットに違いがあります。
 

ICPの重要性

ICPは、営業担当者が見込み客の評価に掛けるコスト削減を実現します。そのため、企業のマーケティングコストの節約につながります。
 
企業が取り組むGTM (Go to Market:顧客に商品を届けるまでの流れを視覚化する戦略) では、組織の目指す収益やビジネス指標に関するマーケティング活動を行います。GTMを行う組織内のチームは、 ICP と連携することで自社にとって理想的な顧客像を認識できます。
 
理想的な顧客像とは、ビジネスから利益を得ている顧客と、ビジネスに利益をもたらしている顧客です。ICPは、販売する場所だけでなく、効果的な場所を定義するため、企業に価値をもたらします。 そのため、従来のマーケティングの概念を変える力があります。
 
ICPを実現するには、「どうすれば多くの人にリーチできるか」を模索する必要はありません。事実から得た理想的な顧客プロファイルを活用して、最適な相手にリーチし、より質の高いリードを獲得できます。これらのメリットは、営業担当者の見込み客を評価する時間削減につながります。ICP導入により、販売サイクルが短縮され、顧客満足度の向上を期待できるでしょう。その結果、ライフタイムバリューが得られ、経営コストを抑えられる点が重要となる要因です。

ICPを運用する方法

ICPは、企業のビジネスにおける現状を変えられる施策です。作ったプロファイルに一致する見込み客に焦点を当てることができれば、ROIの向上に役立ちます。
 
・販売予算
・マーケティング予算
・リードの評価
・広告運用などアウトバウンドの取り組み
・ABM
・パーソナライズマーケティング
 
ICPは、これらの戦略やプロセスを含む、ROI が高められる活動に集中できます。B2Bマーケティングに特化しているのであれば、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事

デジタルマーケティングジャーナル 一覧