アンダーワークスの森田です。今回はアメリカのラスベガスで2023年3/21-3/23の3日間に渡り開催された Adobe Summit 2023 (https://business.adobe.com/summit/adobe-summit.html)の参加レポートの後編となります。
まだ前編・中編を読んでいない方はぜひそちらも合わせてご覧ください。
セッショントピックから見えるトレンド
今年のAdobe Summit は200以上のセッションと11のテーマに渡るワークショップが開催されました。Adobe製品を活用した事例や今後のマーケティングトレンドが中心となっており、マーケターにとっては最新の情報が得られるセッションです。セッションはAdobe Summitのアプリから興味のあるものを予約し、スケジュール管理もできるため気軽に参加できました。またセッションの最後には質疑応答とディスカッションができる時間が設けられており、参加型だったところが個人的にはよかったです。
そんなセッションの中でも大きく3つのトピックが議題として取り上げられていました。
1. AI Ethicsを実践したデータ分析、管理、保護
2. AIを活用して業務効率化を図る
3. 顧客体験向上を目的としたAIコンテンツ生成
今回はその中でもセッションで多く取り上げられ、Keynotesでも話題となったAI Ethicsについて解説しましょう。
AI Ethicsとは?
セッション内で取り上げられていた AI Ethicsを意識した活用例を3つまとめてみました。複数のセッションに渡ってAI Ethicsの活用例がテーマとなっており、サミット内でも重要なトピックだったと言えるでしょう。
1. リアルタイムなデータ反映
リアルタイムなデータ反映を行うことによって、正確で最新な情報を担保することができます。
セッション内ではAdobe Real Time CDPのツールが紹介されていましたが、顧客情報の保管先や持っている情報を可視化することで顧客体験の向上にも繋がると話されていました。個人情報の取り扱い方法は企業内で収めることが多いイメージですが、このように顧客体験の一部として個人の情報がどのように取り扱われているのか見せることによって企業への信頼性にも繋がるのではと思いました。
2. 同意管理ツールの活用
プライバシー保護法は年々更新され、各地域でも異なるためプライバシー管理を行うことがより難しくなっています。そのため同意管理ツールを活用し整理をすることをセッション内では推奨されていました。また各部門情報の透明性を担保するためにもツールを活用しコラボレーションが重要視されています。データ保護となると情報セキュリティー部門が大きく関わるイメージですが、このセッション内では各部門が主体となってデータの保護、分析、活用を行うとこで効率的かつ情報の透明性にも繋がるとおっしゃっていたところが印象的でした。
3. Privacy by Design
Privacy by Designとは企画や設計段階からユーザーのプライバシー保護を中心とし、あらかじめプライバシー保護対策を組み込む考え方になります。Privacy by Designは企業内の各部門が意識する必要があり、ガバナンスの基盤を構築することでより強化されたプライバシー対策が可能と言われています。社内全体としてプライバシー保護への認識が同じであることによって、情報保護も強化されたマーケティング体験が提供できるのではないかと私は解釈しました。
最後に
3日間にわたるAdobe Summitのセッションの参加は最新トレンドを学ぶ機会となり、貴重な体験となりました。今後AIを活用していく中でAI Ethicsは安全かつ顧客ファーストな体験を生むうえで必要なテーマだと言われています。大手外資企業では、すでにこのAI Ethicsチームが組織内で構成されるほど、重要視されているトピックです。またAI Ethicsのベースにはガバナンスの強化や設計段階からプライバシー観点を取り入れる必要性があるというところは最大な学びでもありました。AIの活用を考えているマーケターの方は今後社内でもAI Ethicsについて話し合う機会を設けてみてはいかがでしょうか。
Best of Adobe Summit – Japan Edition 2023
開催日時:2023年05月24日 (水曜日) 14:00
本イベントは、2023年3月21日(火)~23日(木)に米国のLas Vegasにて開催された「Adobe Summit」での基調講演や最新テクノロジーなどを日本の皆様に向けて凝縮してお届けします。
https://event.on24.com/wcc/r/4186425/CEA4A8E6D3705B0FED2204D25AAA8C8A?partnerref=psm01