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  • CMSがあれば検索順位は上がるのか?SEOとの関係性について

 
CMSをすでに導入している、または導入を検討している企業にとって、SEOへの影響は気になるポイントです。結論から先にいうと、CMSを導入したからといって自社サイトの検索順位が上がるわけではありません。ただしCMSはSEO対策を行ううえでの基盤となるさまざまな機能をもっています。SEO対策においてCMSが果たす役割について解説していきます。
 

あわせて読みたい! 【CMS完全ガイド】CMSのメリットや種類、選定方法や運用方法など

まずはSEO対策について

CMSとSEOの関係について解説していく前に、まずはSEOの基本的な3つのポイントについて解説します。Googleによる検索順位を決めるアルゴリズムは公開されていませんが、主に次の要素が加味されています。
 

検索意図への適合性

検索キーワードに応じてGoogleはユーザーの意図を推測し、最も適合するWebサイトを検索上位に設定します。それぞれのWebサイトは、Googleのクローラーによって定期的に情報を取得され、用いられている用語や品質の確認が行われているのです。Webサイト運営側はこういった構造を認識したうえで、ターゲットとする検索キーワードや共起語などを意識的に用いてWebサイトを構築します。
 

コンテンツの品質

近年はとくにコンテンツを重視する傾向が強くなってきています。アクセス数やユーザーの滞留時間、コンバージョン率など、ユーザーの行動履歴だけでなく、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の4つの観点がコンテンツの評価に間接的に影響します。
 

ユーザビリティ

ユーザーの検索意図に適合していてコンテンツの品質が高かったとしても、ユーザビリティの低いWebサイトは検索上位に上がりにくくなります。たとえば応答速度、異なるブラウザでも同じように表示されるか、マルチデバイスに対応しているか、などが挙げられます。とくにスマートフォンにおける表示性能はパソコンよりも優先されるため、Webサイト構築においてはスマートフォンへの対応は必須です。

SEOにかかわるCMSの機能

先に紹介したSEOで重視される要素に、CMSがどのように関係していくのかを紹介していきます。
 

サイトマップの作成

Googleなど検索エンジンのクローラーがWebサイトを巡回してチェックするとき、Webサイト内にメニューなどのナビゲーションがあり、すべてのページが適切にリンクされていれば問題なくクロールされます。しかし、規模の大きいWebサイトの場合、クローラーが正しくチェックしきれない場合があります。そうしたときに「XML形式のサイトマップ」があるとクローリングの助けになるのです。SEO対策が意識されたCMSには、XML形式のサイトマップの自動生成機能が設けられています。
 
XMLサイトマップとは、全ページのURL目次のようなものと考えると理解しやすいです。クローラーに、ページの場所や画像などの配置場所、評価、公開日などの詳しい情報を伝達してくれます。
 

複数端末への対応

近年のCMSでは、パソコンとスマートフォンへの対応は当たり前になっています。しかしテレビやゲーム機といったデバイスもインターネットに接続し、同じようなユーザー体験が求められるようになりました。フロントエンドのマルチデバイス対応がますます重要になってきています。ヘッドレスCMSなど、マルチデバイスに対応していないCMSはユーザビリティの面で評価を落とされる恐れがあります。
 

パーソナライズ

ユーザーのニーズに適合したコンテンツの提供は、自然とコンバージョン率の向上などの数値に表れます。とくに動的CMSの場合はパーソナライズしやすいため、ユーザーの滞留時間拡大や再訪問などにつなげられる余地が大きく、ページの品質評価にプラスに働くといわれています。
 

コンテンツ管理

Webサイトの品質評価を高める方法の1つとして、内部リンクの活用が挙げられます。ユーザーが内部リンクを使って、いろいろなコンテンツを回遊することでWebサイトの評価が高くなりやすいのです。
 
以前はWebサイトが保持するコンテンツの数は多くなかったため、運営者の記憶の範囲内でコンテンツを探し、内部リンクでつなぎ合わせることもできました。しかし、大規模なサイトでは大量のコンテンツを保持するようになり、コンテンツ同士の関係性を管理しきれなくなったり、そもそもどこにどのようなコンテンツがあるのか把握しきれなくなったりしています。また、内部リンクでつないでいても、なんらかの理由でリンクが無効化されていることもあります。
 
そこで解決策として、CMSによるコンテンツ管理機能が活用されるようになりました。さまざまなコンテンツはテキスト情報と共に構造化して保管されるようになり、目的に応じて検索しピックアップできるようになってきています。近年はAIによる自動構造化や、類似コンテンツをリコメンドしてくれる機能などが出てきています。

CMSはSEO対策を下支えしてくれる

先述の通りCMSを入れたからといって必ずしもSEO順位が上がるわけではありません。しかし意味がないというわけではく、ここまで説明してきた機能によってSEO対策を支える役割を担っています。たとえば、品質の高いコンテンツを豊富にそろえていたとしても、上記機能を備えたCMSを導入しておらず適切なクロールが行われなかったり、デバイスによってサイトを閲覧できなかったりすれば、評価はマイナスに働くかもしれません。つまりCMSは、自社が用意した魅力的なコンテンツをユーザーに見つけてもらいやすくしてくれるのです。

まとめ

ここまで紹介してきたSEOに関連する機能は、主要なCMSであれば当たり前に実装されるようになってきました。SEO対策において、各コンテンツが果たす役割が「攻め」だとするならば、CMSは「守り」と考えると分かりやすいでしょう。自社の魅力的なコンテンツをユーザーに届けられるよう、ぜひ効果的なCMSを選定してください。
 

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